桂 りょうば(かつら りょうば、1972年3月3日 - )は、上方落語家ドラマー。本名、前田 一知(まえだ かずとも)[1]。血液型はB型。父は2代目 桂枝雀、母はかつら枝代、弟はCUTT(ミュージシャン)。

かつら りょうば
桂(かつら) りょうば
結び柏は、桂米朝一門定紋である。
本名 前田まえだ 一知かずとも[1]
生年月日 (1972-03-03) 1972年3月3日(52歳)
出身地 兵庫県伊丹市
師匠 2代目桂ざこば
名跡 桂りょうば (2015年 - )
活動期間 2015年 -
活動内容 上方落語
配偶者 あり
家族 2代目 桂枝雀(父)、かつら枝代(母)、CUTT(弟)
所属 米朝事務所
公式サイト ブログのりょうば

来歴 編集

1972年3月3日 2代目桂枝雀の長男として生まれる。当時、実家は兵庫県伊丹市にあった。1年ほどで大阪府豊中市に引っ越した[2][3]

3、4歳の頃は夕方になると稽古を終えた父に自転車に乗せられ、銭湯(内風呂はあったが通っていた)、飲み屋、パチンコに順に連れられるのが日常だったという[4]。5歳頃からは、父から大阪に電話で呼び出されて飲み屋で父の話を聞きながら一緒に食事し、最後はタクシーで帰宅する(自宅近くの道案内はりょうばがした)ようになり、小学2年生頃まで続く[4]。その頃は寝るときには父の落語のレコードをよく聴き、夜中に目覚めると父が自ら落語を話して寝かしつけていた[4]

小学3、4年生頃には鉄道が好きになり、それを聞いた父に連れられてブルートレインで新潟まで行き、新潟では水族館を見た程度で特急電車で大阪まで戻ったこともあった[4]。上方落語協会のプロフィールには「趣味」の一つに「鉄道」が挙げられている[5]

落語家の父を持つ故、家庭には「一般社会」とは違う感覚があったと述べており、小学生の時に父が地方公演の土産で持ち帰ったわら草履に絣の着物で登校したらかっこうええという話になり、自身はおかしいと思いながらも「そう言わざるを得ない状況」で同意したものの、翌朝母が学校に相談した結果、実行はしなかった[6]。それでも雪駄を履いて登校した経験はあり、自分の家庭と世間一般とのギャップを感じるようになったのは「十八、九になってから」と述べている[6]

1990年頃に劇団笑殺軍団リリパットアーミーに入団。1995年にはshameに加入した[7]。この時期(1998年[8])に大阪から東京に移ったという[9]

2002年グルグル映畫館にサポート参加、2003年に正式加入する。

2008年SHAMEから脱退[10]。同年秋頃、松尾貴史、東野ひろあきと再会する[9]須田泰成の運営するカフェ「スローコメディファクトリー」での東野の月例トークイベントに参加、東野に対してアシスタントとなることを申し出て、2009年頃に自らのトークイベントもおこなうようになった[9]

この頃、父の枝雀の落語を改めて音源から聴く機会があり、その面白さに衝撃を受ける[9]2010年月亭方正らと勉強会に参加し、トークイベントと並行してアマチュア落語を披露し始める[9]2011年には東野ひろあきと交流が活発になり、彼のフォークバンドにたびたび出演した[11]

2015年8月16日、父の弟弟子に当たる2代目 桂ざこばに入門する[5]2016年1月、動楽亭「昼席」にて初舞台。同年8月に1年という異例の早さで年季明けし、本格的な活動を始める[1]

2017年4月、東京で第一回「桂りょうば落語会」を開催。

2018年には音曲漫才を試み始める。

2019年4月1日、朝日放送ラジオにて「桂りょうばの落語トラベル」と題した冠番組を始める[12]。7月12日には、第一回「動楽亭のりょうば」を開催[13]

2020年12月17日、MBSラジオにて「あどりぶラヂオ」(2時間10分)を敢行[14]、2日後の19日には「新●動楽亭のりょうば」を開催した[15]

2021年1月1日 朝日放送ラジオ「桂りょうばの落語トラベル」新春スペシャル(1時間半)で父と時空を超えた共演を行う。1月30日、第119回 ABCラジオ「上方落語をきく会」に出演。[16]、三席をネタ下ろしする。演目は「普請ほめ」「遊山舟」「天神山」。

主に演じられるネタ 編集

子ほめ強情灸ろくろ首胴斬り

他に演じたことのある噺として、東の旅 発端鷺とりつる阿弥陀池、米揚げ笊、花筏、稲荷俥、貧乏神、蜆売り、試し酒道具屋、義眼、片棒、秘伝書、幽霊の辻あくびの稽古七度狐(煮売り屋)、蝦蟇の油金明竹雨乞い源兵衛、帰り俥、普請ほめ、遊山船、天神山がある[要出典]

家族 編集

出演 編集

桂りょうばとして 編集

ラジオ 編集

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脚注 編集

  1. ^ a b c 桂りょうば (PDF) - 米朝事務所プロフィール
  2. ^ あやちchannel 2022/10/28放送分より
  3. ^ 上田、2003年、p.83
  4. ^ a b c d 「父として、夫としての枝雀」上田、2003年、pp.170 - 176(母との対談)
  5. ^ a b 桂 りょうば - 上方落語家名鑑(上方落語協会)
  6. ^ a b 「父として、夫としての枝雀」上田、2003年、pp.178 - 180(母との対談)
  7. ^ shameファンクラブ会報(Vol.1 2001年9月)、ABCラジオ「桂りょうばの落語トラベル」1月4日放送より
  8. ^ 1999年音楽専門誌[要文献特定詳細情報]インタビュー、ABCラジオ「桂りょうばの落語トラベル」1月4日放送より
  9. ^ a b c d e 須田泰成上方落語家・桂りょうばさんが語る「リアルなお店が、ぼくの人生を変えた」話。 - スローなコメディにしてくれ(「お店から生まれるゆるやかなミラクル[第1回]」、2017年10月23日)
  10. ^ CUTT旧ブログ
  11. ^ 5月5日(木)GANGライブ - 前田一知の活動予告(本人ブログ、2011年4月21日)
  12. ^ ABCラジオ公式Twitter
  13. ^ 米朝事務所公式
  14. ^ hideファンクラブサイト
  15. ^ 米朝事務所公式
  16. ^ プレスリリース・ニュースリリース配信サービスのPR TIMES 2021年1月29日 14時16分

参考文献 編集

  • 上田文世『笑わせて笑わせて桂枝雀』淡交社、2003年。ISBN 4-473-01989-6 

関連項目 編集

外部リンク 編集