横浜東宝会館(よこはまとうほうかいかん)は、かつて神奈川県横浜市中区住吉町5-59にあった映画館

横浜東宝会館
Yokohama Toho Kaikan
地図
情報
正式名称 横浜東宝会館
完成 1956年
開館 1956年3月27日
開館公演ジャンケン娘」(美空ひばり主演)[注 1]
閉館 2001年11月29日
最終公演 かあちゃん市川崑監督)
千と千尋の神隠し宮崎駿監督)
冷静と情熱のあいだ中江功監督)
トゥームレイダーサイモン・ウェスト監督)
エボリューションアイヴァン・ライトマン監督)
収容人員 (5館合計)2,219人
設備 ドルビーデジタル5.1ch
35mm映写機
用途 映画上映
運営 東宝関東興行株式会社
所在地 231-0013
神奈川県横浜市中区住吉町5丁目59番
位置 北緯35度26分50.5秒 東経139度38分6.9秒 / 北緯35.447361度 東経139.635250度 / 35.447361; 139.635250 (横浜東宝会館)座標: 北緯35度26分50.5秒 東経139度38分6.9秒 / 北緯35.447361度 東経139.635250度 / 35.447361; 139.635250 (横浜東宝会館)
最寄駅 JR京浜東北線関内駅
横浜市営地下鉄ブルーライン関内駅
最寄IC 首都高速神奈川1号横羽線横浜公園出入口
特記事項 略歴
1956年:設立開業
1981年:5スクリーン化
2001年:閉館・解体
2003年:跡地にリッチモンドホテル横浜馬車道がオープン
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略歴 編集

1956年3月27日、六部興行の元、株式会社横浜東宝会館が設立され、横浜・馬車道沿いの横浜宝塚劇場斜向かいに4スクリーンを有する地上4階、地下1階建てのビルが開館した[2]。こけら落としは美空ひばり主演の『ジャンケン娘』(杉江敏男監督、1955年)[注 1]であった。

1962年10月1日に株式会社化し1966年9月24日に千代田土地建物株式会社と改称する。

1981年に横浜東宝劇場を分割して、一方を横浜東宝エルムとして、5スクリーン化。それと同時に東宝名画座が東宝シネマ2に改称される。

1999年9月10日、みなとみらい地域にワーナーマイカルみなとみらい(現・イオンシネマみなとみらい)が入居する横浜ワールドポーターズが完成。みなとみらいに客足を徐々に奪われたことや、建物の老朽化も重なり2001年11月29日をもって閉館[3]。同年の大ヒット作であった『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)等を最終上映として45年に及ぶ歴史の幕を閉じた。

2003年6月9日、跡地に横浜東宝ビルが新築完成。同ビル内にリッチモンドホテル横浜馬車道が入居している[4]。その後、横浜市内の東宝系映画館は、2007年3月15日に開業した「TOHOシネマズららぽーと横浜」(都筑区池辺町)へと引き継がれている。

各館の特徴 編集

スクリーン 編集

横浜東宝会館のスクリーン
スクリーン 階数 座席数 設備
横浜東宝シネマ1 地下1階 320席 SR
横浜東宝シネマ2
横浜東宝 1階 617席 SRD・SRD-EX
横浜東宝エルム 2階 340席 SRD・SRD-EX・DTS
横浜スカラ座 4階 622席 DTS

横浜東宝 編集

1階の洋画専門館で、70mmの上映設備もあるややフラットな同会館主要のスクリーン室。

公開年 タイトル
1977年 獄門島
1980年 影武者」、「ブラックホール
1982年 トロン」、「少林寺
1984年 ゴーストバスターズ
1997年 タイタニック
1998年 GODZILLA
シリーズ作品

横浜スカラ座 編集

4階にあるスタジアム型の座席と大画面を持つ同会館最大級のスクリーン室。

公開年 タイトル
1976年 犬神家の一族
1979年 ルパン三世 カリオストロの城
1981年 21エモン 宇宙へいらっしゃい!」&「ドラえもん ぼく、桃太郎のなんなのさ
1982年 アニー』(日本語版)
1984年 さよならジュピター」、「Wの悲劇」&「天国にいちばん近い島
1985年
1986年 アリオン
1987年 竹取物語
1988年 星の王子 ニューヨークへ行く
シリーズ作品

横浜東宝シネマ1・2 編集

地下1階の左側は邦画専門のシネマ1と右側は洋画専門のシネマ2という双子の映画館で、入ったら即2階席になっている。同じ地下1階にはそば屋「東宝そば処」や飲食店「東宝飯店」も併設していた。

シネマ1 編集

公開年 タイトル
1982年 三等高校生
1983年 Love Forever
1987年 ケニー
シリーズ作品

シネマ2 編集

横浜東宝名画
公開年 タイトル
1978年 ルパン三世 ルパンVS複製人間
シネマ2
公開年 タイトル
1980年 がんばれ!! タブチくん!! 初笑い第3弾 あゝツッパリ人生
1981年 ビアンカの大冒険」&「プーさんと大あらし
1982年 シンデレラ」&「わんわん物語
1983年 きつねと猟犬」&「バンビ」、「ピノキオ」&「ダンボ
1985年 ルパン三世 バビロンの黄金伝説
1990年 ロボコップ2
1997年 スタートレック ファーストコンタクト

横浜東宝エルム 編集

横浜東宝の2階席だった部分を改装。スロープが他の映画館に比べてかなり急、そして横に広い割りには奥行きがないという作りに特徴がある。

公開年 タイトル
1984年 ピーター・パン」&「眠れる森の美女」、「ドーバー海峡殺人事件
1985年 白雪姫」&「おしゃれキャット
1987年 シンデレラ」&「ふしぎの国のアリス
1989年 スタートレックV 新たなる未知へ
1993年 クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王
1994年 幽☆遊☆白書 冥界死闘篇 炎の絆
シリーズ作品

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ a b 横浜市の映画館「消えた映画館の記憶」を参照した[1]

出典 編集

  1. ^ 「映画の灯、また消える 横浜東宝会館、45年で幕」『朝日新聞』2001年11月30日
  2. ^ 結城靖博 (2021年8月5日). “横浜にかつてあった伊勢佐木町・馬車道の映画館の歴史とは?~戦後編~”. はまれぽ.com. 株式会社Poifull. 2021年8月13日閲覧。
  3. ^ 横浜東宝会館”. 港町キネマ通り. 2018年10月17日閲覧。
  4. ^ 不動産物件情報”. 東宝株式会社. 2018年10月17日閲覧。

関連項目 編集

  • 横浜宝塚劇場 - 横浜東宝会館の斜向かいにあった劇場。1935年開館。着工時の仮称は「東宝会館」であった。1969年に横浜市に譲渡されたのち、1986年に関内ホールに建て替えられた。

外部リンク 編集