正統オフリド大主教区(せいとうオフリドだいしゅきょうく、マケドニア語: Православна Охридска Архиепископија / Pravoslavna Ohridska Arhiepiskopija)は、2002年に発足した正教会の自治教会で、セルビア正教会(ペーチ総主教庁)から自治権を得ている。但し、他の正教会から承認を得てはおらず、通常、一部からのみ承認を得た自治教会のリストにも挙げられることは少ない。

正統オフリド大主教区
創設者 -
自治教会の宣言 2002年
自治教会の承認 2005年
現在の首座主教 オフリドの大主教ヨヴァン
大主教庁所在地 スコピエオフリド
主な管轄 マケドニア
奉神礼の言語 教会スラヴ語マケドニア語
聖歌伝統 -
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概算信徒数 -
公式ページ Pravoslavna Ohridska Arhiepiskopija - 正統オフリド大主教区公式サイト・英語版有り
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歴史 編集

1967年に、当時のユーゴスラビアの共産主義政府の支援の下、セルビア正教会の自治教会であったマケドニア正教会が分離、独立を宣言した。しかしこの独立は他の正教会からの承認を得ることが出来ず、教会法上の合法性を満たすことができなかった。2002年、このマケドニア正教会の地位に関して、セルビア正教会と、マケドニア正教会のヴェレス府主教ヨヴァン(en)との間で交渉が持たれ、マケドニア正教会をマケドニアにおける事実上の独立教会と認めたうえで、セルビア正教会の下での自治を復活させるとするニシュ合意が成立した。しかし、この合意をマケドニア正教会の主教会議は承服せず、合意は破棄された。これに対してセルビア正教会は、なお合意を認める立場をとったヨヴァンの一派を「正統オフリド大主教区」として承認し、自治権を付与した。

組織 編集

正統オフリド大主教区には4人の主教がいる

マケドニア正教会は、正統オフリド大主教区に属する全ての神品との関係を断絶し、セルビア正教会の主教がマケドニアに入ることを妨げている。2004年10月15日には、当局はビトラ近郊のニジェポレNižepole)に建てられた修道院の解体に着手した。この修道院は大主教区の精神的なよりどころであった。

大主教区の言語はマケドニア語であり、全ての神品は民族的にはマケドニア人である。

大主教ヨヴァンは2005年に逮捕され、220日にわたって「セルビア正教会のカレンダーおよびパンフレットの配布を通じてマケドニア正教会の名誉を傷つけ、市民の宗教的感情を害した」として収監された[1]

マケドニア共和国国家宗教委員会は、正統オフリド大主教区の宗教団体としての登録を拒否し、「同一信仰の宗教団体はただひとつのみ登録されるべきであり、正統オフリド大主教区の信仰はマケドニア正教会のそれと差異がない」とした。

分類 編集

関連項目 編集