死神のおつかいたち(しにがみのおつかいたち、Die Boten des Todes、KHM177)はグリム童話のひとつ。

あらすじ 編集

ある男が道を歩いていると、誰かが倒れていた。男が介抱してやると、やがて行き倒れは意識を取り戻した。

「おかげで助かったよ。ところで実は、私は死神なんだ」

「死神?」

「ああ。お礼をしたいんだが、何がいいかな」

「俺のとこには来ないでくれ」

「いや、それはできないんだ。とにかく、生きてる人間全部のところに行かなくちゃいけないんだ」

「じゃ、俺のところに来る前に、あらかじめ教えてくれ」

「ああ、それならいいよ」そして二人は別れた。


その日から、死ぬ前には予告があるはずだから大丈夫とばかり、男は自堕落で不健康な生活を送るようになった。風呂にも入らず歯もみがかず、暴食し、大酒を飲み、何年も不節制の限りを尽くしていたある日、後ろから肩を叩く者がいる。ふり向くと、あの死神が立っていた。

「やあ、久しぶり。今日はお前さんの番だよ。さあ、一緒に行こうか」

「おい、そんなのないよ」男は抗議した。「来る前には教えてくれるって言ったろ? 約束が違うじゃないか」

「お前さんには、なんども使いをやって知らせたよ」死神は答えた。

「熱が出ただろう? 咳も出たし、目まいもしただろう。 腹痛、痛風、耳鳴り、糖尿もあっただろう。 あれはみんな、私からの使いだったんだよ」 そして男は、死神に連れられていった。

関連項目 編集