比部(ひぶ)は、漢字部首により分類したグループの一つ。

康熙字典 214 部首
毋部 比部 毛部
1 丿 2
3
广
4
5
6
7
8
9
10 11 鹿
12 13 14 15
16 17

康熙字典214部首では81番目に置かれる(4画の21番目)。

概要 編集

比部には「比」を筆画の一部として持つ漢字を分類している。

単独の「比」の字は多くの意味を持つ多義字であり、並列する・寄り添う・結託する・連続して・全て・比較する…などを意味する。また、フィリピンの音写「比律賓」より、「比」の1文字でフィリピンのことを指す場合もある。字源としては音を表す「匕」を二つ並べてできた文字である[1][2]。『説文解字』では人が二人並んだ形で「从」を左右反転させた文字であると解釈されているが、甲骨文字から現代に至るまで「人」字と「匕」字は一貫して形状が異なるため、この分析は誤りである。

部首の通称 編集

  • 日本:ならびひ、くらべる
  • 中国:比字頭・比字底
  • 韓国:견줄비부(gyeonjul bi bu、くらべる比部)
  • 英米:Radical Compare

部首字 編集

  • 広韻 - 毗至・至韻、卑履切・旨韻
  • 詩韻 - 韻・去声、紙韻・上声
  • 三十六字母 - 並母
  • 日本語 - :ヒ :ならべる、くらべる…
  • 中国語 - ピンインbì・bǐ 注音ㄅㄧˋ, ㄅㄧˇ ウェード式:pi4, pi3
  • 朝鮮語 - 訓音견주다(gyeonjuda、くらべる)・비례(birye、比例) (bi)

例字 編集

脚注 編集

  1. ^ 屈万里 (1948). "甲骨文从比二字弁". 中央研究院歴史語研究所集刊. 13: 213–7.
  2. ^ 林澐 (1981). "甲骨文中的商代方国聯盟". 古文字研究. 6: 67–92.