気象観測船(きしょうかんそくせん)または海洋気象観測船(かいようかんそくせん)は、気象観測を行うである。1960年代以降、この役割は人工衛星、長距離航空機海洋気象ブイなどに取って代わられたところが大きい。

2010年に引退した、長崎海洋気象台の気象観測船「長風丸」。一般公開のため国際信号旗による満艦飾が施されている。2008年撮影。

各国の気象観測船 編集

日本 編集

日本では1920年代から船舶による気象観測を行っており、1937年に最初の大型気象観測船「凌風丸」(初代)を建造、2010年8月現在も気象庁本庁が「凌風丸」(3代目)と「啓風丸」の2隻を運用している。凌風丸と啓風丸は赤道東経165度線までに及ぶ北西太平洋の広い範囲を航海し、海上気象・海洋の観測を行う。以前はこの2隻のほか、3箇所の海洋気象台に、小型の気象観測船がそれぞれ1隻ずつ配備され日本近海の観測に当たっていたが、2010年3月に引退となった。また、これにともない啓風丸も神戸海洋気象台から本庁に移管された。

気象庁

民間気象会社 ウェザーニューズ

韓国 編集

韓国では、小型の実習船を改造した「気象2000号」(150トン級)を1999年から運用してきたが、2011年5月、新たに「気象1号」(498トン級)が就航した。[1]

ノルウェー 編集

ノルウェーでは、気象研究所が北緯66度・東経2度の位置に気象観測船「ポーラーフロント」、別名「M(マイク)気象台」を配置、運用を続けている。これは、国際民間航空機関(ICAO) が1948年に完成させた海上気象台ネットワークを構成していた13隻の観測船の一つであり、他の観測船による気象観測が1990年に終了した後も、マイク気象台だけが唯一観測を続けている。

アメリカ合衆国 編集

アメリカ合衆国では、アメリカ海洋大気庁士官部隊が気象観測船19隻と気象観測用航空機12機を運用している。

脚注 編集

  1. ^ 元日本観測船、反捕鯨の先兵に=シー・シェパードが購入-舞鶴の清風丸時事通信社 2012年12月11日

外部リンク 編集