江島大橋

島根県と鳥取県を結ぶ「ベタ踏み坂」とも知られる橋

江島大橋(えしまおおはし)は、鳥取県境港市島根県松江市との間にかかる、境港臨港道路江島幹線の国土交通省中国地方整備局境港湾・空港整備事務所が建設し、境港管理組合により管理されている。

江島大橋
江島大橋(2010年4月30日)
基本情報
日本の旗 日本
所在地 鳥取県境港市 - 島根県松江市
交差物件 中海
建設 1997年 - 2004年
座標 北緯35度31分9秒 東経133度12分0秒 / 北緯35.51917度 東経133.20000度 / 35.51917; 133.20000座標: 北緯35度31分9秒 東経133度12分0秒 / 北緯35.51917度 東経133.20000度 / 35.51917; 133.20000
構造諸元
形式 PC5径間連続有ヒンジラーメン箱桁橋
材料 コンクリート
全長 1.7 km
11.3 m
高さ 44.7 m[1]
最大支間長 250 m
地図
江島大橋の位置(島根県内)
江島大橋
江島大橋の位置(鳥取県内)
江島大橋
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式
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島根側の取り付け部が極端な急勾配に見えることから「ベタ踏み坂」の通称がある(詳細は#備考にて)。

概要 編集

構造 編集

構造形式は、PC5径間連続有ヒンジラーメン箱桁橋である。桁下を航行する船舶の通航に支障がないよう、また工事および耐震の関係から、島根県側は6.1 %、鳥取県側は5.1 %の勾配を設けて44.7 mまで登る[5]。中央支間長250mは、桁橋としては2014年現在で日本で第2位、コンクリート製に限れば日本最大、さらにPCラーメン橋に限れば世界で第3位に入る[5][6]

沿革 編集

以前は、すぐ南側にあった中浦水門上に作られた道路橋が、それまで船でしか渡れなかった江島と境港を結び、1日に約14,000台の車両などが利用していた。しかし、閘門上が跳ね橋として作られている関係上、船舶の通過時は通行が7〜8分ほど寸断されるために交通上の障害となっていたほか、14t以上の大型車は通行できなかった。そこで、中浦水門の交通上の問題を解消するため江島大橋が建設された。これに伴い、中浦水門は2005年10月ごろから撤去工事が開始され、2009年3月に工事がほぼ完了した。

接続道路 編集

備考 編集

  • 中海の上流側にある大橋川は松江港の港湾法に基づく港湾区域になっており5000t級の船舶が通航するため、江島大橋を含め近隣の橋梁では勾配が大きいものが多い。大橋川河口にある中海大橋(島根県松江市)の勾配に至っては江島大橋よりも大きい勾配7%[7]、外海への出入口となる境水道境水道大橋は最大7.25%となっている[8]
  • 2013年12月28日から放映されているダイハツ工業の「タントカスタム(LA600S型)」のCM(演 - 綾野剛豊川悦司)には「軽自動車(しかも重いスーパーハイト型)では坂道は非力だ」という通説を覆すべく、その走行性能を実証するため[9]江島大橋が登場しており、CMでは橋の急勾配から「ベタ踏み坂」と演出されている[10][11][1]。なおCM製作時はCGの使用は考慮されておらず、当橋を見つけた際はスタッフ一同驚き、CM撮影の際には迫力が出るような構図を狙ったという[9]
  • 道路の勾配は1971年より道路構造令により最大12%と定められており[12]、島根側の勾配6.1%は基準の半分、に換算すると約3度でしかない。このため実際に通行する際は軽自動車であってもアクセルを深く踏み込む必要はない。
  • 江島大橋がジェットコースターの上り坂のような極端な急勾配に見えるのは、対岸の大根島から望遠レンズで見たときに起きる圧縮効果によるものであり、橋の袂では急勾配には見えない[13]

脚注 編集

  1. ^ a b “「ベタ踏み坂」人気 江島大橋、ダイハツCMで”. Net Nihonkai (新日本海新聞社). (2014年1月9日). オリジナルの2014年1月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140110162105/https://www.nnn.co.jp/news/140109/20140109004.html 2019年3月8日閲覧。 
  2. ^ 江島大橋建設のあゆみ - 国土交通省中国地方整備局 境港湾・空港整備事務所
  3. ^ 松江観光協会八束町支部 江島大橋”. 松江観光協会八束町支部. 2016年6月1日閲覧。
  4. ^ 平成22年度道路交通センサス 一般交通量調査 箇所別基本表” (PDF). 国土交通省 (2012年2月14日). 2014年2月26日閲覧。
  5. ^ a b 江島大橋[リンク切れ]
  6. ^ 橋のデータ館”. 日本橋梁建設協会. 2014年2月11日閲覧。
  7. ^ 島根の「ベタ踏み坂」がインスタで脚光、海外でも人気に でも実際に撮ると…あれ? 「あの写真」をモノにしたい記者が現地で試行錯誤”. まいどなニュース. 山陰中央新報 (2022年6月5日). 2022年6月5日閲覧。
  8. ^ 「夢の境水道大橋着工へ 四十七年までに完成」『中國新聞』昭和45年1月10日島根版 8面
  9. ^ a b 「Q 急な坂は実在?」はてなTV『朝日新聞』2014年1月14日付朝刊、第13版、24面 - 朝日新聞東京本社
  10. ^ 「坂」篇:タントカスタム”. テレビCM|おすすめ情報. ダイハツ. 2014年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月8日閲覧。
  11. ^ “「ベタ踏み」江島大橋が話題に”. 山陰中央新報. (2014年1月9日). https://web.archive.org/web/20140109050051/http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=543551006 2014年1月9日閲覧。  - インターネット・アーカイブキャッシュ
  12. ^ 坂が多い地域特性に応じた道路基準の緩和により、住民に使いやすくコストを抑えた道路を整備 - 内閣府 2023年8月3日閲覧
  13. ^ 「ベタ踏み坂」がインスタで脚光、海外でも人気に「映える」撮影スポットはどこ?(Sデジオリジナル記事)”. 山陰中央新報 . 山陰中央新報 (2022年5月1日). 2023年8月4日閲覧。

参考文献 編集

  • 事業概要 - 国土交通省中国地方整備局 境港湾・空港整備事務所

関連項目 編集

外部リンク 編集