池田 研介(いけだ けんすけ、1949年(昭和24年) - )は、奈良県吉野町出身の日本の物理学者理学博士京都大学・1979年)。京都大学基礎物理学研究所教授を経て、立命館大学教授から現在立命館大学名誉教授。

専門は非線形光学複雑系物理学。光とそれに共鳴するレーザ媒質のような量子媒質の運動を記述するマックスウェル・ブロッホ(MB)方程式カオス解を持つことを示し、光の乱流状態である光カオスの存在を世界で初めて理論的に予測し、実験的に検証された。この様子を記述する最も簡単な規則はIkeda map(池田写像)と呼ばれ、それが作る奇妙なアトラクターは Ikeda attractorと呼ばれている。

光カオス系が大自由度系であることから光乱流と呼ぶこともあり、大自由度系であることから沢山の局所的なアトラクターを遍歴する現象が存在する。レーザーのモードホッピングもその一例と考えられる。津田一郎は脳情報処理系のモデルで、金子邦彦は結合マップ系で同様の遍歴現象を発見しており、彼等と共に大自由度力学系におけるカオス的遍歴の概念を提唱した。

立命館に移籍後は、量子系のカオスの研究に力を入れ、首藤啓高橋公也と協力してカオス系のトンネル効果の理論を複素半古典理論として発展させた。実空間では一見規則的に見える運動が、複素空間に拡張すると必ずカオス的になっていて、そこから伸びるカオス的軌道が量子力学では複雑なトンネル効果として輸送経路を形成するという理論である。この研究によってジュリア集合の数学で知られる複素力学系とトンネル効果に深い関係があることが発見された。

同僚の倉辻比呂志とは学生時代からの親友でライバル。

略歴 編集

脚注 編集