洗濯糊(せんたくのり)は、衣類の感触を改善したり型崩れを防止するために使用される薬剤。ワイシャツシーツなどにパリッとした感触をもたらし、汚れが付着しにくくなる効果もある。

成分 編集

洗濯のりの成分は、化学糊と、デンプンを主成分とした天然糊とに大別できる。

化学糊 編集

化学糊は、半合成糊と合成糊に分類できる。

半合成糊 編集

加工デンプンやカルボキシメチルセルロース (CMC) を主成分とする。

合成糊 編集

  • ポリ酢酸ビニル(PVAc) 洗濯機に投入することで、糊付けが可能。水に対してある位程度の耐水性がある。この特性は、逆に糊落ちが悪いとも言え、衣類の用途によっては欠点になる場合もある。
  • ポリビニルアルコール (PVA) PVAcよりも耐水性が低いが、糊落ちがよいとも言える。
  • 耐熱性ポリマー 上記二種の合成糊は、耐熱性がなくため焦げるので、糊付け部分にアイロンをかけることはできない。糊付け後に、アイロン掛けする部位には、耐熱性ポリマーを原料とする洗濯糊が用いられる。耐熱性ポリマーとは、物質名ではなく「耐熱性を有する高分子」を意味する総称である。したがって、その特性は物質により異なる。一般に、PVAcやPVAよりも高価である。

天然糊 編集


剤形 編集

洗濯糊の剤形は、液状・ジェル状・粉末・スプレータイプなどがある。一般的には、液状や粉末のものはすすぎの後、脱水前に糊を溶いた液に衣類を漬け込む。スプレータイプのものはアイロン掛け時に使用し、元など部分糊付けに適する。

日本で市販されている主な洗濯糊 編集

  • キーピング花王) - 洗濯機用(2022年終売)とアイロン用とがある
  • カネヨノール(カネヨ石鹸) - PVAを主成分としたジェルタイプ
  • ハイクリーチ(大阪糊本舗) - PVAを主成分としたジェルタイプ
  • キープスターチ(大阪糊本舗) - PVAcを主成分としたジェルタイプ

このほか、マルフクケミファロケット石鹸などからも発売されている。

日本で終売となった製品 編集

  • カンターチ(ジョンソン) - 天然糊を主成分としたスプレータイプ。2015年終売[1]

脚注 編集

  1. ^ 製造終了製品:製品情報”. 2015年製造終了製品. ジョンソン. 2020年11月3日閲覧。

参考資料 編集