洗足学園音楽大学

日本の私立大学

洗足学園音楽大学(せんぞくがくえんおんがくだいがく、英語: Senzoku Gakuen College of Music)は、神奈川県川崎市高津区久本2-3-1に本部を置く日本私立大学1924年創立、1967年大学設置。大学の略称は洗足音大。

洗足学園音楽大学
eキューブ と シルバーマウンテン

洗足学園法人本部の位置
地図


洗足学園音楽大学の位置(神奈川県内)
洗足学園音楽大学
洗足学園音楽大学 (神奈川県)
洗足学園音楽大学の位置(日本内)
洗足学園音楽大学
洗足学園音楽大学 (日本)
大学設置 1967年
創立 1924年
学校種別 私立
設置者 学校法人洗足学園
本部所在地 神奈川県川崎市高津区久本2-3-1
北緯35度35分39.0秒 東経139度36分52.0秒 / 北緯35.594167度 東経139.614444度 / 35.594167; 139.614444座標: 北緯35度35分39.0秒 東経139度36分52.0秒 / 北緯35.594167度 東経139.614444度 / 35.594167; 139.614444
キャンパス 溝の口キャンパス(神奈川県川崎市)
学部 音楽学部
研究科 音楽研究科
ウェブサイト https://www.senzoku.ac.jp/music/
テンプレートを表示

学校法人洗足学園が経営。系列校として洗足こども短期大学、また同一敷地内に幼稚園から高等学校までを設置している(後述)。

いわゆるミッション系大学キリスト教主義学校)ではないが、創設者の前田若尾日本基督教会の教会員で、敬虔なクリスチャンであったことから、新約聖書の『ヨハネによる福音書』13章にあるイエス・キリストが弟子の足を洗ったことに因んで[注釈 1]洗足」の名が付けられている[1]

前身は、1924年東京市(現:東京都品川区戸越に設立された「平塚裁縫女学校」である。1926年洗足(現在の東京都目黒区)へ移った際に「洗足裁縫女学校」と改名した。1946年(昭和21年)6月に川崎市久本に移転した。

建学の精神は「理想高遠 実行卑近」。

音楽学部を設置している国内の大学の中で、最大の学生数と最多のコースを有している。

洗足学園上空

概要 編集

多様なアンサンブル編成のオーケストラ(洗足学園音楽大学管弦楽団、レパートリーオーケストラ、ベーシックオーケストラ)、吹奏楽 (洗足ウインド・シンフォニー、ブルー・タイ ウインド・アンサンブル、グリーン・タイ ウインド・アンサンブル、フレッシュマン・ウインド・アンサンブル)、合唱室内楽などの楽団や演奏活動が存在し、専攻分野内外の領域を横断的な音楽交流が可能である。また、前衛的な楽曲編成を用いるアンサンブル研究や同種楽曲のアンサンブルを表現する楽団として、ブリティッシュ ブラスファンファーレ オルケストサクソフォーン オーケストラ、フルート オーケストラ、打楽器アンサンブル、ストリング オーケストラ等がある。

これまでに、秋山和慶(芸術監督・特別教授)、ウラディーミル・アシュケナージ(名誉客員教授)、ヘルベルト・ブロムシュテット(名誉客員教授)、シャルル・デュトワ、ロバート・チャイルズ(客員教授)、ヤン・ヴァン=デル=ロースト(客員教授)、ダグラス・ボストック(客員教授)、ジェイムズ・バーンズ、ティモシー・レイニッシュ、ベルト・アッペルモント、ジェリー・ジャンキン、ケヴィン・セダトール、青島広志(客員教授)、真島俊夫澤和樹(客員教授)、汐澤安彦井上道義下野竜也藤岡幸夫山下一史大井剛史 等の国内外の著名な指揮者や、作曲家本人により直接指導を受ける。

芸術監督は秋山和慶特別教授。

冬の音楽祭「FUYUON!」を例年11月下旬〜12月上旬に行っており、多くの来場者を集めている。

アカデミック・アドバイザー(AA)制度があり、各コース選出の教員が学生の履修アドバイジングや相談、クラスミーティングを行う。

在学生用ポータルサイト「SENZOKUポータル」を使い、学校・教員からの連絡や授業資料の配布、授業の出欠席確認等が出来るようになっている。

沿革 編集

 
平塚裁縫女学校(1924年)
  • 1924年 平塚裁縫女学校設立。
  • 1930年 財団法人洗足高等女学校設立。
  • 1951年 学校法人洗足学園に組織変更。
  • 1962年 洗足学園短期大学音楽科設置。
  • 1964年 洗足学園短期大学専攻科音楽専攻設置。
  • 1967年 洗足学園大学音楽学部設置。
  • 1971年 洗足学園大学音楽専攻科設置。
  • 1989年 音楽・音響デザインコースの前身となるシンセサイザー専攻を設置。
  • 1996年 日本の音大で初めてジャズコースを設置(当時:洗足学園短期大学。後に大学に)。
  • 2000年 洗足学園大学大学院音楽研究科設置。
  • 2003年 洗足学園音楽大学と改称。
  • 2006年 ミュージカルコースを設置。
  • 2009年 日本の音大で初めてロック&ポップスコースを新設。ポピュラー音楽の演奏、在り方、音楽業界の仕組みなどを体系的に学ぶことができるようにした。
  • 2013年 シルバーマウンテン(リハーサル棟)、eCube(事務棟) 竣工。
  • 2015年
    • アンサンブルシティ(教室棟)竣工
    • バレエコースを設置。「グローバルクラス(東京シティ・バレエ団)」「谷クラス(谷桃子バレエ団)」「牧クラス(牧阿佐美バレエ団)」の3バレエ団と提携している。1年次より公演に出演する機会を与えられたり、在学時から外部公演への出演も認められており、学生の活動を後押ししている。また他コースとのコラボレーションも多い。
  • 2016年 日本の音大で初めて声優アニメソングコースを設置[2]
  • 2018年
    • 日本の音大で初めてダンスコースを設置。これに伴いダンススタジオ棟「ホワイトキャッスル」を竣工。
    • ワールドミュージックコースを設置[注釈 2]
  • 2019年 音楽環境創造コースを設置。
  • 2024年 メディアアーツコースを設置。

学部 編集

伝統的な音楽専攻としてのクラシック系のコースと、近代以後に商業的にも発展した系譜の音楽専攻としてのコンテンポラリー系のコースが存在し、2つのカリキュラムの方針として分類され認識されている。

専攻科 編集

  • 音楽専攻科

大学院 編集

キャンパス及び併設校 編集

溝の口キャンパスに大学・大学院のほか、以下の系列校がある。

かつては横浜キャンパスもあったが、2009年に溝の口キャンパスに統合された。1981年から2002年までは、富山県魚津市洗足学園魚津短期大学があった(建物は現在、新川学びの森天神山交流館として活用している)。

前田ホール 編集

学内に所在する音楽ホール

  • 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)[地下1階・地上5階]
    • 設計 - 三上祐三 MIDI綜合設計研究所
    • 設計協力・構造 - 武藤構造力学研究所
    • 音響 - 東京大学生産技術研究所 石井・橘研究室
    • 照明 - 永原浄デザイン研究所
    • 客席 - 1階371席・2階418席・3階225席・3階サイド100席(片側50席)/合計 1,114席

対外関係 編集

同じ川崎市内にある日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)クラブの川崎フロンターレと協力関係を持ち、フロンターレの公式戦主催試合では同大学の学生がファンファーレ演奏などで参加する一方、フロンターレが毎年1月に報道陣やサポーターを招いて行う「新体制発表会」の会場として同大学の前田ホールが2005年から2013年の間に過去5回使用されている[3]

放送大学学園と単位互換協定を締結している[4]

撮影協力 編集

歌手平原綾香が『Jupiter」』『誓い』のプロモーションビデオを制作した際、その時点で自らが学生として在籍していた同大学の前田ホールで撮影している。

2006年10-12月にフジテレビ系列にて放送されたテレビドラマのだめカンタービレ』のロケ地として、キャンパス構内やホール等が使われた。

大学関係者 編集

校歌 編集

作詞:前田若尾 / 作曲:柴田すゑ

互いに足を洗えとのりし
 み教え守るここのまなびや
胸にかがやく真澄の鏡
 朝な夕なに照らしうつさん 
 心の鏡を

おのずからなる心の真玉
 倦まず撓まず磨きみがかん
 清く正しく
互いに足を洗えとのりし
 み教え守るここのまなびや

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 「我は主また師なるに、尚なんぢらの足を洗ひたれば、汝らも互に足を洗ふべきなり。(文語訳、ヨハネ13:14)」
    校歌はこの聖句からとられた「たがいに足を洗えとのりし み教え守るここの学びや」(前田若尾 作詞、柴田すゑ 作曲)である。
  2. ^ 学べる楽器の数は以下の27種類。

出典 編集

  1. ^ 校名の由来”. 学校法人洗足学園. 2020年10月16日閲覧。
  2. ^ 【UPDATE 知の現場】洗足学園音楽大学声優アニメソングコース:プロが講師、音楽の基礎も日本経済新聞』朝刊2022年5月18日(大学面)2022年9月4日閲覧
  3. ^ 「2013新体制発表会見in洗足学園音楽大学」参加者募集のお知らせ 川崎フロンターレ公式サイトのリリース(2012年11月26日)2013年2月14日閲覧
  4. ^ 放送大学 平成28年度 単位互換案内

外部リンク 編集