済州島

座標: 北緯33度22分 東経126度32分 / 北緯33.367度 東経126.533度 / 33.367; 126.533

済州島
済州島の衛星画像
面積 1,845 km²
海岸線長 - km
最高標高 1,950 m
所在海域 黄海東シナ海日本海
所属国・地域 韓国の旗 韓国済州特別自治道
済州島
位置
済州島の位置
各種表記
ハングル 제주도
漢字 濟州島
日本語読み: さいしゅうとう
現地語読み: チェジュド
ローマ字転写 Jeju-do

済州島(チェジュとう、さいしゅうとう)は、大韓民国(韓国)済州特別自治道に属する火山島。人口は約55万人、面積は1,845km²15世紀初めごろまでは耽羅という独立した王国があった。なお韓国語では「島」と「道」は同じ音なので、「済州島」と「済州道」の区別に注意が必要である。2011年に新・世界七不思議 自然版(世界7大自然景観)に選ばれた。

地理・気候

韓国の最南端(高知県福岡県と同緯度)に位置する火山島であり、付近を暖流である対馬海流が流れているため、大陸性気候により冬の寒さが厳しい韓国の中では最も気候が温暖で、韓国国内では「韓国のハワイ」とも呼ばれる。しかし、実際には、冬になると半島部と同様の北西季節風の影響や島の中央に漢拏山(標高1950m、韓国最高峰)がそびえる地形的要因により、非常に風が強く島の南北の気温差が大きい。漢拏山の北側にある済州市東京と同じくらいの寒さで(風が強いため、体感気温はさらに低い)、関東地方と同程度(年に1、2回以上)のまとまった降雪もある。一方、南部に位置する西帰浦市は1月の平均気温は6.8度とより温暖な気候で、日中の気温は10度以上になり、日本の高知県宮崎県北部の気候に匹敵する。

韓国で唯一のミカンの産地であるが、ミカン畑も南部の西帰浦市に偏在している。日本では長崎県の五島列島に一番近く、約180キロメートルの距離がある。また韓国で唯一の自然湖である火口湖がある。

済州市(1981−2010)の気候資料
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) 8.3
(46.9)
9.4
(48.9)
12.8
(55)
17.5
(63.5)
21.6
(70.9)
24.8
(76.6)
29.0
(84.2)
29.8
(85.6)
25.8
(78.4)
21.3
(70.3)
16.0
(60.8)
11.0
(51.8)
18.9
(66)
日平均気温 °C (°F) 5.7
(42.3)
6.4
(43.5)
9.4
(48.9)
13.8
(56.8)
17.8
(64)
21.5
(70.7)
25.8
(78.4)
26.8
(80.2)
23.0
(73.4)
18.2
(64.8)
12.8
(55)
8.1
(46.6)
15.8
(60.4)
平均最低気温 °C (°F) 3.2
(37.8)
3.6
(38.5)
6.1
(43)
10.2
(50.4)
14.4
(57.9)
18.7
(65.7)
23.3
(73.9)
24.3
(75.7)
20.4
(68.7)
15.1
(59.2)
9.8
(49.6)
5.3
(41.5)
12.9
(55.2)
降水量 mm (inches) 65.2
(2.567)
62.6
(2.465)
88.6
(3.488)
89.6
(3.528)
96.4
(3.795)
181.4
(7.142)
239.9
(9.445)
262.5
(10.335)
221.6
(8.724)
80.3
(3.161)
61.9
(2.437)
47.7
(1.878)
1,497.6
(58.961)
湿度 65.3 64.9 64.9 66.5 70.4 76.8 78.3 76.5 73.7 66.9 65.1 65.1 69.6
平均降水日数 (≥ 0.1 mm) 12.6 10.3 11.2 10.0 10.4 11.8 12.5 13.5 10.8 7.0 9.3 10.8 130.2
日照時間 70.4 105.4 158.9 194.4 211.9 170.9 195.6 195.6 161.7 178.5 126.0 84.8 1,854.1
出典: Korea Meteorological Administration [1]
西帰浦市 (1981−2010)の気候資料
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) 10.7
(51.3)
11.6
(52.9)
14.4
(57.9)
18.5
(65.3)
22.0
(71.6)
24.6
(76.3)
28.3
(82.9)
30.1
(86.2)
27.4
(81.3)
23.4
(74.1)
18.2
(64.8)
13.2
(55.8)
20.2
(68.4)
日平均気温 °C (°F) 6.8
(44.2)
7.8
(46)
10.6
(51.1)
14.8
(58.6)
18.6
(65.5)
21.7
(71.1)
25.6
(78.1)
27.1
(80.8)
23.9
(75)
19.3
(66.7)
14.1
(57.4)
9.3
(48.7)
16.6
(61.9)
平均最低気温 °C (°F) 3.6
(38.5)
4.4
(39.9)
7.1
(44.8)
11.3
(52.3)
15.3
(59.5)
19.2
(66.6)
23.5
(74.3)
24.6
(76.3)
21.1
(70)
15.9
(60.6)
10.6
(51.1)
5.9
(42.6)
13.5
(56.3)
降水量 mm (inches) 61.0
(2.402)
77.1
(3.035)
131.2
(5.165)
174.9
(6.886)
205.8
(8.102)
276.9
(10.902)
309.8
(12.197)
291.6
(11.48)
196.6
(7.74)
81.6
(3.213)
71.4
(2.811)
45.1
(1.776)
1,923.0
(75.709)
湿度 62.8 62.1 62.4 64.5 69.9 78.2 84.1 79.0 72.5 63.9 63.2 62.2 68.7
平均降水日数 (≥ 0.1 mm) 10.3 9.5 11.0 10.5 10.7 12.9 14.3 14.2 10.3 6.1 7.4 8.1 125.3
日照時間 152.2 152.6 174.0 190.9 199.0 144.2 142.1 184.2 176.1 207.1 170.5 161.8 2,054.7
出典: Korea Meteorological Administration [1]
漢拏山
トルハルバン
三姓穴

歴史

およそ200万年前、火山の噴火によってできたと考えられている。その結果、主に玄武岩から成っている。三国志に現れる3世紀の州胡を済州島人(耽羅民族)に比定する説がある。その後耽羅国が成立し、4世紀頃には、百済朝貢していた。新羅朝鮮半島統一後は、主に新羅に朝貢するようになったが、日本へも何度か朝貢するなど、独自の外交を見せた。耽羅国の言語は韓族とは言語系統が異なるものであったとするのが通説である。

高麗時代の1105年に耽羅州として直轄領として組み込まれ、1214年から済州と呼ばれるようになるが、在地支配層は依然健在で、高い独立性を維持し続けた。に対して抵抗した三別抄の残党は、済州島を最後の拠点として立てこもった。反乱は元・高麗軍によって平定され、済州島は元の直轄地に組み込まれた。元が済州に牧場を設けたため、以後の済州は馬産地になり、また元からの移住者およびその子孫は牧子と呼ばれた。

朝鮮王朝の時代には朝鮮八道の1つ、全羅道に組み込まれ、在地勢力は次第に力を失っていった。朝鮮時代には江華島と並ぶ流刑地の一つでもあり、主に政争で負けた王族や両班が流刑にされている。15世紀の済州には船に居住して海産物を採る海民がいて、本土の海岸まで出ていくものがあり、一部は海賊化した。19世紀の後期には日本漁船の島の周辺海域への進出とそれに伴う漁民間の衝突が日朝間の政治問題となった(朝鮮出漁)。

1910年の韓国併合で日本の領土となり、1945年まで朝鮮総督府によって統治されていた。

1948年4月3日には済州島四・三事件が発生し、少なくとも3万人の島民が韓国軍などによって虐殺された。それから逃れる為に日本に渡って来た在日韓国・朝鮮人も多い。

大宅壮一の著書「炎は流れる」の朝鮮編には、「済州島民は朝鮮半島本土と違い、性格は温厚で生活様式が日本に近い」とある。

シンボル

トルハルバン(石じいさん):もともと朝鮮時代の行政区域である3つの郡・県のそれぞれの東・西・南門の入口に立てられた、村の災厄を追い払う守護神(道祖神)であったが、現在は済州島のシンボルとして各地に立てられ、土産物としてトルハルバンを模した置物が製作・販売されている。

耽羅国三姓神話

済州島には、「三姓神話」という、韓国本土とは違った耽羅民族の独自の建国神話があり、高麗史世宗実録におよそ次のような内容で表されている。

瀛州(ヨンジュ)と呼ばれ、未だ人の住まない太古の濟州に「高、梁、夫」の3つの姓を持った3人の神人(3神が高乙那・良乙那・夫乙那と描かれるものも[2])が、漢拏山の北山麓の地の穴(三姓穴)から現れたのが現在の済州の人々の先祖であるという。ある日、漢拏山から遠くの海を眺めていた彼らは、日本海の方から流れてくる木の箱を発見した。開けてみると、箱の中には東国の碧浪国(日本と取る学者もいる。)から来たという紅帯紫衣の使者と美しい3人の姫と駒と馬と五穀が入っており[2]、神人は、彼女達を妻として迎え、年齢順に住処を定めて暮らすようになった。その後神人の子孫達は、産業と五穀の栽培を始めて集落を作るようになり、約900年後に皆の人望を集めた高氏を王として、初めて「タクラ」という王国が成立したとされる。

「三多」と「三無」

済州島の特徴を言い表すのに、「三多」と「三無」という言葉がある。

三多とは、「石と風と女の3つが多い」という意味。火山島であるため、火山の噴火により流出した火山岩が多く、台風が度々通過する上、季節風の吹く地域であり、またかつては漁労のため海に出て遭難するなど男性の死亡率が高かったことに由来している。

三無とは、「泥棒と乞食と(泥棒を防ぐ)大きな門の3つがない」という意味。かつての済州島は、厳しい自然環境を克服するため協同精神が発達しており、この3つがなかったことに由来しているという。その為に韓国本土に住む人々の気性の激しさとは対照的に性格も温和で純朴だと言われる。

自然

この3つは「済州の火山島と溶岩洞窟群」として2007年世界遺産に登録された。

交通

済州国際空港へは、成田国際空港関西国際空港福岡空港中部国際空港北京首都国際空港より大韓航空アシアナ航空が就航している。

便数は成田が週7便(大韓航空・JALのコードシェア便)、関西が週10便(大韓航空・済州航空)、福岡が週3便(アシアナ航空)、名古屋が週5便(大韓航空)である。

他、釜山木浦との間にフェリーが就航している。

社会

観光

ゴルフ場カジノなどの観光・娯楽施設が多数あるほか、海産物なども豊富なため、韓国国内のみならず、日本などからも大勢の観光客が訪れる。 済州島エリア観光地紹介-韓国観光公社公式サイト

治安

殺人、強盗、強姦、窃盗、暴力の5大犯罪の発生率が韓国全土で最も高く人口1万人当たり167.9件となっている[3]

軍事

韓国海軍は2006年現在、済州島に新たに海軍基地を建設中である。基地建設後は、独島級揚陸艦と計画中の最新鋭潜水艦をそこに集中配備し、済州島に機動艦隊用前進基地を建設する予定。

関連人物

出身者

在日韓国人二世

関連項目

脚注

  1. ^ a b 평년값자료(1981−2010) 제주(184)”. Korea Meteorological Administration. 2011年5月1日閲覧。
  2. ^ a b 韓国済州島 高野史男著 ISBN 978-4121013262 p.13
  3. ^ 全国の5大犯罪発生件数、5年間で約20%増加 聯合ニュース 2009/07/31

外部リンク