火星のトロヤ群 (Mars trojans) は、太陽の周りの公転軌道を火星と共有する小惑星のグループである。火星の前方と後方それぞれ60°の2つのラグランジュ点で見られる。火星のトロヤ群の起源は未だ分かっていない。ある仮説では、太陽系が形成された時に、火星のラグランジュ点に捕獲されたものだとするが、スペクトルの研究から、この仮説は誤っていることが示唆される[1][2]。もう1つの仮説では、太陽系の形成後に火星のラグランジュ点まで移動してきたとするものであるが、火星は非常に低質量であることが問題となる。

火星の軌道上にある、L4(薄青色)とL5(緑色)のトロヤ群。火星は赤色で示されている。外側の軌道は、木星である。

2012年11月現在、火星のトロヤ群としては3つの小惑星が知られており[3]、その他にも候補天体がある。

L4(火星の前方)

L5(火星の後方)

候補

出典 編集

  1. ^ Rivkin, Andrew; Trilling, David; Thomas, Cristina; DeMeo, Fancesca; Spahr, Timoth; Binzel, Richard (2007). “Composition of the L5 Mars Trojans: Neighbors, not siblings”. Icarus 192 (2): 434–441. arXiv:0709.1925. Bibcode2007Icar..192..434R. doi:10.1016/j.icarus.2007.06.026. 
  2. ^ Trilling, David; Rivking, Andrew; Stansberry, John; Spahr, Timothy; Crudo, Richard; Davies, John (2007). “Albedos and diameters of three Mars Trojan asteroids”. Icarus 192 (2): 442–447. arXiv:0709.1921. Bibcode2007Icar..192..442T. doi:10.1016/j.icarus.2007.08.002. 
  3. ^ Minor Planet Center”. 2012年11月7日閲覧。

関連項目 編集