牛テール(ぎゅうテール)またはオックステール英語: oxtail, ox tail, ox-tail)は、ウシの食材としての名称である。「オックステール」はかつてはオックス(農耕去勢牛)の尾のみを意味したが、今日ではその他のウシの尾も指す[1]。牛テールの重さは典型的には3.5 kgぐらいであり、売るために皮を剥いで、より短い長さに切り分けられる。

生の牛テール
アメリカ南部の牛テールスープ

解説 編集

牛テールはゼラチンが豊富なであり、大抵はシチュー[2]または蒸し煮としてじっくり調理される。牛テールは牛テールスープ英語版のための伝統的なストック英語版ベースである。伝統的な調理法はじっくりとしたものであるため、現代的なレシピでは圧力鍋を使って調理時間を短縮する。牛テールはイタリア料理コーダ・アッラ・ヴァッチアーナ英語版(牛テールのトマト煮込み。ローマの伝統料理)の主な食材である[3]イギリスアイルランドの粉末、インスタント、プリメイド缶入りスープの風味として人気がある。牛テールはロシアオードブル料理アスピックの人気のあるベースの1つでもあるが(他には豚足、ウシの脛など)、カシュルートとなり得るためロシアのユダヤ人英語版の間で好まれる食材である[要出典]

日本では、仙台で牛テールスープが牛タンと共に供される[4]。焼肉店で薄切りにした牛テールが「テールスライス」として提供されることがある。

種類 編集

牛テールスープは南米、西アフリカ、中国、スペイン[5]朝鮮インドネシアで人気のある伝統料理である。中国料理では牛尾汤と呼ばれるスープが大抵作られる。朝鮮料理では、牛テールを使ったスープはコリコムタンと呼ばれる。コリコムタンは塩味の濃いスープであり、米と一緒に食される。トッククを作るためのストックとして使うことができる。バタービーンを使った、あるいは米を使った主菜としての牛テールシチューはジャマイカやその他の西インド諸島で一般的に食される。牛テールは南アフリカでも非常に人気があり、ポイキと呼ばれる伝統的な小鍋で調理されることが多い。牛テールはジンバブエのようなその他のアフリカ南部地域でも食され、ウガリや葉野菜と共に供される。

キューバ料理では、牛テールからrabo encendidoと呼ばれるシチューを作ることができる。フィリピンでは、カレカレと呼ばれるピーナッツベースのシチューに調理される。イランでは、じっくり調理され、baghla-poli-mahichehと呼ばれる主菜のために脛肉の代わりに供される。

出典 編集

  1. ^ oxtail | Origin and meaning of oxtail by Online Etymology Dictionary
  2. ^ Blumenthal, Heston (2003年11月14日). “The twist in the tail”. The Guardian (London). https://www.theguardian.com/weekend/story/0,,1084124,00.html 2012年8月16日閲覧。 
  3. ^ Dickie, John (8 January 2008) (英語). Delizia!: The Epic History of the Italians and Their Food. Simon and Schuster. ISBN 978-1-4165-5400-4. https://books.google.com/books?id=nB6NtvQhYDYC&q=oxtail+butcher&pg=PA118 
  4. ^ 牛タンはどうして仙台名物になったの?”. NHK (2022年7月8日). 2023年2月12日閲覧。
  5. ^ Barrenechea, Teresa (2009). The Cuisines of Spain: Exploring Regional Home Cooking. Random House Digital, Inc. 

関連項目 編集

外部リンク 編集

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