牛人」(ぎゅうじん)は、中島敦短編小説で、「古俗」と題された作品群の中の一遍。「盈虚」と共に1942年(昭和17年)『政界往来』昭和17年7月号(第13巻7号、昭和17年7月8日政界往来社発行 170~174ページ)に掲載された。同年11月、今日の問題社から刊行された単行本『南島譚』に収められている。

牛人
作者 中島敦
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出政界往来
1942年7月号(第13巻7号)
出版元 政界往来社
刊本情報
収録 第二創作集『南島譚』
出版元 今日の問題社
出版年月日 1942年11月15日
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示

下書きや原稿は残されてはおらず、製作年代は不明である。

春秋左氏伝』の昭公4年(紀元前538年)の記事をもとに書かれている(同様の内容は『韓非子』内儲説篇上七術にも見える)。

登場人物 編集

叔孫豹中国語版(しゅくそんひょう)
の人。大夫三桓氏の内の一。
豎牛(じゅぎゅう)
若い頃庚宗で一夜妻とした女との間に出来た、叔孫豹の子。叔孫豹の豎(小姓)に加えられた。黒い顔をした傴僂で、叔孫豹の夢に出た牛男に似ている。
孟丙中国語版(もうへい)
叔孫豹と斉の大夫国氏の娘との間に出来た子。豎牛の異母弟で、叔孫豹の嫡男。
仲壬 (魯国)中国語版(ちゅうじん)
孟丙の弟。
杜洩(とせつ)
叔孫豹の家令
昭公(しょうこう)
魯の公。仲壬を気に入り、玉環を与える。

備考 編集

中島敦の代表作の一つである「弟子」は、「牛人」と同時代・同地域の作品であり、物語直後の魯で孔丘が仕官している。弟子作中にて、昭公が亡命先で死んだ事が書かれている。

参考文献 編集

  • 中島敦『中島敦全集2』ちくま文庫、1993年3月。ISBN 978-4480027528 
  • 中島敦『山月記・李陵 他九篇』岩波文庫、1994年7月。ISBN 978-4003114513 

外部リンク 編集