牟田口通照
明治時代の司法官
牟田口 通照（むたぐち みちてる、1854年（安政元年）[1] - 1905年（明治38年）3月30日[2]）は、明治時代の司法官。箕作麟祥らとともに民法草案の作成に関与したことで知られる。通称・幸太郎。従三位勲三等[3]。
経歴 編集
元は佐賀藩士で、はじめは同郷の古賀定雄のもとで品川県判県事（のち大参事）を務め、ついで若松県参事となる。まもなく大蔵省に出仕し、明治7年より左院、明治8年より正院を経て、明治9年より司法省に転じる[1]。司法省では箕作麟祥のもとで民法草案の作成に携わり[4]、その後大審院判事へと転じて、宮城控訴院長、広島控訴院長を歴任した[1]。判事退職後、第3回・第4回衆議院議員総選挙で広島第1区より立候補を模索するも断念し[5]、弁護士となった[6]。
履歴 編集
- 明治元年8月8日 - 判県事[7]（所轄は明治2年2月より品川県となる区域）
- 明治2年8月3日 - 品川県大参事[8]
- 明治4年11月2日 - 若松県参事[9]
- 明治5年3月5日 - 租税権助[10]
- 明治6年1月15日 - 大蔵省六等出仕[11]
- 明治6年9月7日 - 補六等出仕[12]
- 明治7年2月12日 - 補左院六等出仕[13]
- 明治7年2月17日 - 四等議官（明治8年4月14日廃官）[14]
- 明治8年5月17日 - 権少内史[15]
- 明治8年5月20日 - 少内史（9月22日廃官）[16]
- 明治9年1月25日 - 五等判事[17]
- 明治9年3月2日 - 司法権大丞（兼二等法制官、明治10年1月18日まで）[18]
- 明治10年1月11日 - 司法権大書記官[19]
- 明治10年1月26日 - 兼太政官権大書記官（明治13年3月5日まで）[20]
- 明治12年7月21日 - 司法大書記官[21]
- 明治13年8月11日 - 大審院判事[22]
- 明治17年12月11日 - 宮城控訴裁判所長[23]（のち宮城控訴院長）[1]
- 明治23年10月30日 - 広島控訴院長[24]
- 明治26年12月29日 - 退職[25]
家族 編集
脚注 編集
- ^ a b c d 佐々木隆「「大木喬任関係文書」所収司法・検察関係者書翰翻刻」『参考書誌研究』第66号、2007年、doi:10.11501/3051567。
- ^ a b 大植四郎 編『国民過去帳 明治之巻』尚古房、1935年、916頁。
- ^ 退職判事牟田口通照外四名陞叙ノ件 国立公文書館デジタルアーカイブ
- ^ 小早川欣吾『明治法制叢考 続』山口書店、1944年、222-224頁。
- ^ 『大呉市民史 明治篇』呉新興日報社、1943年、305-306頁。NDLJP:1908953/1/158。
- ^ 「判事牟田口通照君弁護士と為る」『判例彙報』第2巻、1894年、NDLJP:795034/1/304。
- ^ 「八月八日」『鎮将府日誌』。NDLJP:1366876/50。
- ^ 「任解日録」明治2年8月3日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治4年11月2日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治5年3月5日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治6年1月15日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治6年9月7日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治7年2月12日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治7年2月17日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治8年5月17日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治8年5月20日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治9年1月25日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治9年3月2日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治10年1月11日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治10年1月26日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治12年7月21日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「任解日録」明治13年8月11日 - 宮内庁宮内公文書館
- ^ 「官廳彙報」『官報』第442号、明治17-12-16、8頁、NDLJP:2943647/1/5。
- ^ 「叙任及辞令」『官報』第2204号、明治23-11-01、9頁、NDLJP:2945457/5。
- ^ 「叙任及辞令」『官報』第3154号、明治27-01-06、18頁、NDLJP:2946418/2。
- ^ 『日本婦人の鑑』婦人評論社、1934年、102頁。NDLJP:1235521/1/666。
参考文献 編集
- 大植四郎 編『国民過去帳 明治之巻』尚古房、1935年。
- 小早川欣吾『明治法制叢考 続』山口書店、1944年。
| 公職 | ||
|---|---|---|
| 先代 堤正巳 |
 広島控訴院長1890年 - 1893年 |
次代 奥山政敬 |
| 先代 小畑美稲 宮城控訴裁判所長 |
宮城控訴院長 1886年 - 1890年 宮城控訴裁判所長 1884年 - 1886年 |
次代 大塚正男 |
| 先代 古賀定雄 知事 |
品川県大参事 1871年 |
次代 （廃止） |