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{{otheruseslist|西洋の鐘の一種|投資銀行|カリヨン (投資銀行)|エドワード・エルガーの楽曲|カリヨン (エルガー)}}
[[Image:Carillon, Washington Park.JPG|thumb|right|200px|ワシントン公園のカリヨン。]]
<!--[[Image:bellcontrols.jpg|thumb|right|200px|カリヨンのバトン鍵盤。]]-->
[[Image:Carillonneur.jpg|thumb|right|200px|フランス・ペルピニャンのサン=ジャン=バプティスト教会でのブライアン・スウェイガーによるカリヨン演奏。]]
 
'''カリヨン'''({{lang-fr-short|carillon}}、{{IPAc-en|US|ˈ|k|ær|ə|l|ɒ|n}} {{respell|CARE|ə|lon}} or {{IPAc-en|UK|k|ə|ˈ|r|ɪ|l|j|ən}} {{respell|kə|RILL|yən}};{{sfn|"Carillon." ''Oxford English Dictionary''}} {{IPA-fr|kaʁijɔ̃|lang}})は、複数の[[調律]]した[[鐘]]と[[鍵盤]]を組み合わせて旋律を演奏できようにしたものをいう。有音程[[鐘楼打楽器]]建築物に設置され、最低23鐘2[[オクターブ]]以上、バトン式あり[[鍵盤 (楽器)|鍵盤]]で演奏する<ref name="carillon">{{citationwebarchive|url=https://web.archive.org/web/20160307042707/http://www.cs.yale.edu/homes/douglas-craig/bells/Basic/what-is-a-carillon.pdf |title=What is a carillon? |author=Marietta Douglas |yeardate=20022016-03-07}} Marietta Douglasによるカリヨンの解説。2002/06</ref>[[体鳴楽器]]。日本語]]では'''組み鐘'''と訳される<ref name="Itami">{{Cite web|url=https://www.city.itami.lg.jp/SOSIKI/SHIMIN/KOKUSAIHEIWA/1383653184806.html |title=フランドルの鐘(カリヨン) |website=伊丹市ホームページ|date=2021-03-31|accessdate=2021-05-27}}</ref>。音色を揃え調律した青銅製の鐘を複数組み合わせ、メロディーと[[和声]]を演奏する。現在の形態に近いものは15世紀の[[オランダ]]で開発されており<ref name="Itami" />、現代では世界中に分布している。
 
== 概要 ==
カリヨンは通常[[鐘楼]]などの塔状の建築物として設置される巨大な楽器であり、その多くは[[教会]]、[[学校]]、[[地方自治体]]などの団体が保有している。台車に乗るよう小型化した移動式のカリヨンもある。演奏にはバトン式鍵盤とペダルを用いる。カリヨンはタワーベルと同じくスイングベルから派生し、カリヨンの練習用の楽器から派生して[[グロッケンシュピール]]が作られた。また、カリヨンの持つ自動演奏の仕掛けは[[オルゴール]]の元となった<ref ="orgel">{{Cite web|url=http://www.musemuse.jp/Musemuse_Comment/illustration_carillon.html|title=カリヨンのしくみ|website=オルゴールの小さな博物館|accessdate=2021-05-25}}</ref>。1999年にはベルギー、フランスの古いカリヨンが当時の技術、景観、あるいは重要な建築であると評価され、[[ベルギーとフランスの鐘楼群]]が世界遺産に登録されている。
 
カリヨンを含めて、調律した鐘を並べて演奏する楽器には多彩なバリエーションがある。カリヨンと演奏方法やアクション機構が同じでも鐘が23個以下のものはカリヨンではなくチャイムと呼ばれる<ref name="GCNAabout" />。また、鍵盤がなく自動演奏のみ可能なもの、鍵盤を叩いた力を機械式に伝達しないものは非伝統的カリヨンと呼ばれ、伝統的カリヨンあるいは単にカリヨンと区別されている<ref name="GCNAabout">{{Cite web|url=https://www.gcna.org/about-carillons|title=About Carillons|accessdate=2021-05-25}}</ref>。中には両方の特徴を持つ楽器もあり、文献、団体などによって境界が異なる<ref name="TowerBellIntro">{{Cite web|url=http://www.towerbells.org/TowerBells.html#Section1|title=Carillons, Tower Bells - Introduction |accessdate=20210-5-29}}</ref>。本記事では北アメリカ大陸カリヨン連盟(GCAN)の定義に従い、単にカリヨンと記載した際には「2オクターブ以上の鐘を、人が演奏可能なバトン式鍵盤を持ち、機械式のアクションで人力を伝達して演奏する鍵盤楽器」を中心に記載する。
 
世界にはカリヨンが約700ある<ref name="PFINGST2012">{{Cite web|url=https://www.hkw.de/media/texte/pdf/2012_1/programm_5/pfingst_carillon_programm.pdf |title=PFINGST-CARILLON 2012|accessdate=2021-05-27}}</ref>。日本国内にはカリヨンと呼ばれる楽器あるいはモニュメントが1993年時点で300箇所以上ある{{sfn|レア, et.al.|1994|p=5}}が、この項目でいうカリヨンに当てはまるものは5つ、そのうち3つが世界カリヨン協会にカリヨンとして登録されている<ref name="CarillonIJapan">{{Cite web |url=http://www.carillon.org/eng/fs_carillon.htm |title=Asia, World list of carillons |accessdate=2021-05-29 }}</ref>。それ以外の日本国内のカリヨンと呼ばれるものは鍵盤が無く自動演奏のみが可能、または鍵盤をたたく力で鐘を鳴らさず、動力を電気的に伝えるなどする非伝統的カリヨンとなっている。
 
楽器の数が限られているため、必然的に演奏者の数も少ない。カリヨンの演奏は、ベルギーやオランダにあるカリヨン専門の学校、または北アメリカの大学のカリヨン奏者育成コースで学ぶことがきる。認定カリヨン奏者となるには専門の学校を卒業するか、北アメリカカリヨンギルドによるギルド試験に合格するなど、幾つか方法がある。2021年時点で日本出身で認定を受けたカリヨン奏者は数人のみ知られている。日本では2019年に日本カリヨン協会、<ref name="ACAJ home">{{Cite web|url=https://japan-carillon-association.jimdosite.com/|title=日本カリヨン協会|accessdate=2021-06-13}}</ref>2020年に日本カリヨン演奏家協会<ref name="JCCS">{{Cite web|url=https://jpncarillon.com//|title=日本カリヨン演奏家協会|accessdate=2021-06-13}}</ref>が設立されている。
 
== 名称と語源 ==
カリヨンという語は、18世紀ごろに古[[フランス語]]の {{Lang|fro|carignon}} (または {{Lang|fro|quarregon}} と綴る。「4個組みのベル」の意)から造られた。{{Lang|fro|quarregon}} はラテン語の {{Lang|la|quaternionem}}(クワテルニオ、"4個組"を意味する)、これはさらにラテン語の{{Lang|la|quater}}("4回"を意味する)から来ている{{sfn|"Carillon." ''Online Etymology Dictionary''}}。最も初期のカリヨンは、4つの鐘を組み合わせてウエストミンスターの鐘のようなメロディーを奏でていたためこう呼ばれた。 ''carillon'' という語はかつて楽器ではなく、複数の鐘で演奏するメロディーを指していた可能性がある{{sfn|"Carillon." ''Oxford English Dictionary''}}。ドイツ語では、フランス語の {{Lang|fr|carignon}} を使うかドイツ語で {{Lang|de|Glockenspiel}} ("鐘の演奏"を意味する)と呼ぶ。これは楽器名の[[グロッケンシュピール]]({{Lang|de|glockenspiel}})と同じ綴りだが区別する必要がある<ref>{{cite web |title=Was ist ein Carillon? |trans-title=What is a Carillon? |language=de |website=Deutsche Glockenspielvereinigung e.V. |url=https://glockenspieler.de/was-ist-ein-carillon |access-date=2021-04-27 |url-status=live |archivedate=2021-02-25 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210225212429/https://glockenspieler.de/was-ist-ein-carillon}}</ref>。
 
カリヨンの演奏者をカリヨン奏者と呼び、英語圏ではフランス語から {{Lang|fr|carillonneur}}、日本語でもこれを英語風に読んでカリヨネアと呼ぶことがある。カリヨン、カリヨネアは18世紀の[[スペイン継承戦争]]後にこの楽器がイギリス軍に紹介されて、英語話者の間で使われるようになった{{sfn|Price|1983|p=222|ps=: "The player of this unique keyboard is known in Flemish as a ''beiaardier'' and in French as a {{Lang|fr|carillonneur}} , which last term was also adopted in English after the campaigns of [[ジョン・チャーチル (初代マールバラ公)|Marlborough]] brought British troops on to Flemish soil and gave a British march to be chimed from Flemish towers."}}。フランス語の {{Lang|fr|carillonneur}} はカリヨンを演奏する男性にのみ使われる言葉であるが、フランス語で女性のカリヨン奏者を表す{{Lang|fr|carillonneuse}} は英語圏、日本語圏では使われていない。英語圏では他にカリヨン奏者を表す言葉として {{Lang|en|carillonist}}も使われている。{{Lang|en|carillonist}} のほうがスペルがわかりやすく発音も明快であるため、一部のカリヨン奏者は {{Lang|en|carillonneur}} を {{Lang|en|carillonist}} で置き換えることを望んでいる{{sfn|Ng|Lewis|2020|p=1}}。
 
== 特徴 ==
=== 鍵盤 ===
[[File:Clavier du carillon.jpg|thumb|alt=カリヨン演奏に使用する木製のバトン式鍵盤とペダル|フンンス、[[メーヌ=エ=ロワール県]]の聖心教会のカリヨンコンソール]]
 
カリヨンは[[鍵盤楽器]]であり、人間が演奏可能なバトン状の鍵盤を持つ。鍵盤の形状はピアノやオルガンとは大きく異なるものの、鍵盤の配列はよく似ている{{sfn|Lehr|2005|p=90}}。他の鍵盤楽器のキーに当たるものは丸みを帯びた木の棒(=バトン)で作られており、長さは20cm弱、太さ2cm弱の独特の形状をしている。鍵盤の構成は他の鍵盤楽器同様、ピアノの白鍵にあたる[[全音階]]のバトンが横一列に並び、その5cm〜10cmほど上にピアノの黒鍵に相当する半音階のバトンが並ぶ{{sfn|Lehr|2005|p=90}}。サイズはピアノやオルガンの鍵盤よりも大きく、隣り合うバトン同士は5cmほど離れている。奏者は手を握り、拳の小指側でバトンを叩くようにして演奏する{{sfn|Gouwens|2017|p=3}}。そのため基本的には片方の腕で出せる音は一度に1音のみとなり、両手両足を用いても一度に4音となる。低音側の1.5オクターブから2オクターブはペダルにも割り当てられ、鍵盤でもペダルでも音を出すことができる。ペダルと鍵盤は接続されており、ペダルを踏むと同じ音の鍵盤側のバトンも下がる挙動となる{{sfn|Lehr|2005|p=80}}。カリヨンのペダルはオルガンほど長くはなく、短く太く、間隔が広く作られている{{sfn|Courter, et.al.|2006|p=2}}<ref group="注釈" name="WCF pedal">WCF keyboard 2006 の規格ではナチュラルのペダルの長さはB1の音で129mm, 太さ 30mm、ペダル間隔は85mm</ref>。
 
20世紀以降、カリヨンの鍵盤とペダルには、北アメリカカリヨンギルド (GCNA) による規格と、北ヨーロッパ規格の二つが存在していた。二つの規格は外側のペダルが内側に向けて曲がっているかどうか、キーのストロークなど幾つかの点で違いがあった{{sfn|Courter, et.al.|2006|p=3}}。2006年に世界カリヨン協会がこれらをまとめたWCF Keyboard 2006を作成し、それ以降カリヨンを新たに作るか、既存のキーボードを改修する際の基準として使うよう推奨している<ref>{{cite web |title=Carillon Keyboard Standards |website=World Carillon Federation |url=https://www.carillon.org/eng/dynamic_frame_eng.htm?https://www.carillon.org/eng/actueel/gdansk_3.htm |access-date=2021-04-27 |url-status=live |archivedate=2021-04-27 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210427185924/https://www.carillon.org/eng/dynamic_frame_eng.htm?https%3A%2F%2Fwww.carillon.org%2Feng%2Factueel%2Fgdansk_3.htm}}</ref>。
 
=== アクション機構 ===
[[File:Vredesbeiaard aarschot.jpg|thumb|left|alt=塔内に吊り下げられている複数の鐘とワイヤーによるアクション機構|ベルギー、[[アールスホット]]にある49の鐘を持つピース・カリヨンの鐘とアクション機構]]
 
鍵盤のそれぞれのキーは、[[ステンレス]]製のワイヤーによる伝達システムに接続している。キーを押した力でワイヤーを引っ張り、その力を滑車を経由して他のワイヤーに伝達し、最終的にクラッパー(鐘の舌)を鐘にむけて揺れる動きに変換する。クラッパーは静止時には鐘から5cmほどの距離で停止する{{sfn|"Playing Mechanism." ''Guild of Carillonneurs in North America''}}。音の低い大きな鐘では、クラッパーは音を出した後重力によって元の位置に戻る。音の高い小さな鐘では、クラッパーを元の位置に戻すための戻りバネ (return spring) を取り付けており、一度の打鍵で何度も鳴らないようになっている{{sfn|Lehr|2005|p=84}}。鍵盤のすぐ上には、ターンバックル(引き締めネジ)と呼ばれるワイヤーの調節機構を持ち、温度変化で伸び縮みするワイヤーを調節できる{{sfn|Lehr|2005|p=80}}。
 
=== 鐘の収容 ===
カップ型をした青銅製の鐘は、塔の頂上部の鋼鉄や木製の梁に吊り下げられる。鐘の配置は設置する空間、塔の高さと構造、鐘の数とサイズ、重さによって異なる配置となる。特に大きく重い鐘の場合は、音のバランスを確保するために演奏室の下に配置されることが多い{{sfn|Rech, "How the Carillon Works." Essential Vermeer}}。
 
ほとんどのカリヨンでは、演奏時にはクラッパーだけが動いて音を出し、鐘は動かない{{sfn|Rice|1914|p=23}}。一部の楽器にのみ、一番重い鐘を揺らして[[スイングベル]]のように音を出す機構を持つものがある{{sfn|"Playing Mechanism." ''Guild of Carillonneurs in North America''}}。
 
=== 自動演奏機構 ===
[[File:The_Belfry_Ghent.jpg|thumb|right|alt=金属の筒に杭を打ち込んだ大型の自動演奏用シリンダー|ドイツ、[[ゲント]]の鐘楼にある自動演奏のためのシリンダー]]
 
{{Double image aside|destra|Salzburg Glockenspiel 01.jpg|160|Salzburg Glockenspiel 02.jpg|160|[[ザルツブルグ]]の自動演奏カリヨンのシリンダー。音を出す箇所を指定するために杭を打ち込む穴が7940個開けられている}}
 
カリヨンには、単純な曲や[[ウェストミンスターの鐘]]の自動演奏機構を備えているものがある{{sfn|"Playing Mechanism." ''Guild of Carillonneurs in North America''}}。ヨーロッパでは多くのカリヨンが時計に接続した大きな金属製のシリンダー状の演奏ドラムを使用している{{sfn|Lehr|2005|pp=87–88}}。演奏ドラムの表面には金属製の杭を打ち込んであり、そのすぐ脇に鐘を鳴らすハンマーに接続したレバーを並べて設置している。時刻が来てドラムを回転させると、杭がレバーに引っかかり、さらに回転すると杭からレバーが外れ、その力でハンマーが鐘を鳴らす構造となっている{{sfn|Lehr|2005|p=88}}。杭は一時間おき、あるいは15分おきに簡単な曲を演奏するように配列されている。この機構の時計をゼンマイに、シリンダー部分を小型化、鐘をくし型の金属板にしたものが現代のシリンダー型の[[オルゴール]]である。
 
北米のカリヨンでは演奏ドラムのシステムはあまり一般的ではなく、代わりに紙テープと空気圧による演奏システムを持つものがある{{sfn|Lehr|2005|pp=97–98}}。
 
=== 調律 ===
<!--{{Further|鐘史学|鐘の鋳造}}-->
カリヨンに使用する鐘は、通常の銅よりも大きな剛性と共鳴音を得るために[[ベルブロンズ]]({{仮リンク|ベルメタル|en|Bell metal}})と呼ばれる[[銅]]と[[スズ]]の特殊な合金で作られている{{sfn|Rombouts|2014|p=45}}。鐘の音色と音質は、鐘の重さと輪郭、形状によって決まる。鐘の形状に応じてそれぞれ調和したりしなかったりする[[倍音]]と部分音の構成が変化して{{sfn|Price|1983|p=210}}、心地よい、調和のとれた一連の音色を生み出すには鐘の輪郭を注意深く調整する必要がある。鐘の製作者は通常5つの主要な音程に焦点を合わせて調整を行う。特に、ティアス (tierce) と呼ばれる[[短三度]]の倍音は、カリヨンの独特の音を生み出すことが知られており、現在も研究の対象となっている{{sfn|Rech, "How the Carillon Works." Essential Vermeer}} 。
 
鋳造だけでは完全に調律した鐘を造ることができないため、鐘はやや厚めに鋳造し、[[旋盤]]で表面を削りとって調律を行う。音色の調整が完了すると、以後鐘の音色が変わることはほとんどなく、設置後に鐘を劣化させるのは火事と大気汚染だけであると言われている{{sfn|"Carillon Bells." ''Guild of Carillonneurs in North America''}}。 古いヨーロッパのカリヨンは[[中全音律]]に調律されていた。現代のカリヨン、特に北米のカリヨンは[[平均律]]に調整されている{{sfn|Brink|2017}}。
 
{{Listen
| header = カリヨンの音声サンプル
| type = music
| filename = Twinkle Twinkle Little Star on the Netherlands Carillon.ogg
| title = 北米のカリヨン{{nowrap|(3 min 53 s)}}
| description = リサ・ロニーの演奏する {{仮リンク|ネーデルランド・カリヨン|en|Netherlands Carillon}} 2012年
| filename2 = Luksemburgo, katedralo dNS, kariljono, 1.ogg
| title2 = ルクセンブルガーカリヨン {{nowrap|(1 min 6 s)}}
| description2 = [[ノートルダム大聖堂_(ルクセンブルク)]]のカリヨン, 2018年
| filename3 = O Canada and God Save the King instrumental 1927.ogg
| title3 = カナダのカリヨン{{nowrap|(3 min 20 s)}}
| description3 = パーシバル・プライスが演奏する {{仮リンク|ピース・タワー|en|Peace Tower}}カリヨン 1927年
}}
 
=== 音量と重量 ===
カリヨンにはピアノと同等か、それ以上の[[ダイナミックレンジ]]を持つ楽器が存在する。演奏時のタッチによって、演奏者は幅広い音量の表現ができる。大きな鐘(低い音)のダイナミックレンジは小さい鐘(高い音)よりも広いものとなる。小さな鐘は質量が少ないため、大きな鐘のごく一部の音量しか表現することができない。
 
[[パイプオルガン]]と並んで、カリヨンは世界で最も重い楽器の一つである。カリヨンの重量は鐘のみでも4.5トン〜15トンほどであり、最も軽いものでも1トン、最も重い[[ニューヨーク]]、[[リバーサイド教会]]にある{{仮リンク|ローラ・スペルマン・ロックフェラー|en|Laura Spelman Rockefeller}}記念カリヨンのものでは91トンにもなる。一組のカリヨンの中で最も大きく重い鐘は{{仮リンク|ブルドン (鐘)|en|Bourdon (bell)}}と呼ばれる。ローラ・スペルマン・ロックフェラー記念カリヨンのブルドンは、カリヨン用に調律された鐘のなかで最も重いキャスティング(鐘の音が出る金属部分)であり、他のカリヨンの一番低い音よりもさらに一オクターブ低い音を出すことができる{{sfn|Rombouts|2014|p=310}}<ref>{{cite web |title=Carillon |website=Music at Riverside |publisher=The Riverside Church in the City of New York |url=https://www.trcnyc.org/music/ |access-date=2021-02-06 |url-status=live |archivedate=2020-12-03 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201203204255/https://www.trcnyc.org/music/}}</ref>。ロックフェラー記念カリヨンの鐘以外の発音部分、固定鐘、スングベル、クラッパー、梁などの重量を加えると227トン前後の重量になる<ref>{{cite report |title=The Riverside Church |publisher=[[New York City Landmarks Preservation Commission]] |year=2000|date=2000-05-16 |page=7 |url=http://s-media.nyc.gov/agencies/lpc/lp/2037.pdf |accessdate=2021-05-05 |url-status=live |archivedate=2021-03-16 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210316010628/http://s-media.nyc.gov/agencies/lpc/lp/2037.pdf}}</ref>。
 
=== 音域 ===
カリヨンの音域はカリヨンが持つ鐘の数に比例し、鐘の数は主に楽器を造る際の資金で決まる。多くの鐘を鋳造するにはより多くの資金が必要となり、大きな鐘の鋳造コストは小さいものよりも高くなる。カリヨンと呼ぶには、少なくとも23個(2オクターブ)以上の鐘を持つことが条件となり、それ未満の楽器はチャイム({{Enlink|Chime (bell instrument)|en}})と呼ばれる{{sfn|Rice|1914|p=23}}{{sfn|Rombouts|2014|p=310}}{{sfn|Brink|2017}}{{sfn|"Organization." ''World Carillon Federation''}}{{sfn|"A Musical Instrument." ''Guild of Carillonneurs in North America''}}{{sfn|"Carillon." ''Encyclopaedia Britannica''}}。カリヨンの音域に標準的な規格はなく{{sfn|Brink|2017}}、主に鐘の個数によって幾つかの小分類が使用されている。
 
* 23個 - 27個の鐘を持つものは2オクターブカリヨン、35個から39個の鐘を持つものは3オクターブカリヨンと呼ばれる。これらのカリヨンで演奏するには、狭い音域向けに書かれた楽譜を使用する。
* 45個 - 50個の鐘を持つカリヨン(4オクターブ)はコンサートカリヨン、またはスタンダードカリヨンと呼ばれる{{sfn|Lehr|2005|p=54}}。
* 50個以上の鐘を持つものはしばしばグレートカリヨンやグランドカリヨンなどと呼ばれる。<ref group="注釈" name="grateCarillonExamples">例:
* {{cite magazine |last=Rodriguez |first=Susan T. |title=Metz Bicentennial Grand Carillon, Indiana University |work=Architect Magazine{{Enlink|Architect Magazine|en}} |date=2020-10-09 |url=https://www.architectmagazine.com/project-gallery/metz-bicentennial-grand-carillon-indiana-university_o |archivedate=2021-01-19 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210119023909/https://www.architectmagazine.com/project-gallery/metz-bicentennial-grand-carillon-indiana-university_o |url-status=live |access-date=2021-05-17}}
* {{cite press release |last=LaRocca |first=Aaron |title=Netherlands Carillon to be Restored and Elevated to 'Grand Carillon' Status |date=2019-10-21 |publisher=[[National Park Service]] |url=https://www.nps.gov/gwmp/learn/news/netherlands-carillon-to-be-restored-and-elevated-to-grand-carillon-status.htm |access-date=2021-05-17|archivedate=2021-06-21 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210613192848/https://www.nps.gov/gwmp/learn/news/netherlands-carillon-to-be-restored-and-elevated-to-grand-carillon-status.htm |url-status=live }}
* {{cite web |title=Millennium Carillon in Moser Tower & Visitor Center |website=Naperville Park District |url=https://www.napervilleparks.org/facilities/millenniumcarillon |access-date=2021-05-17|archivedate=2021-05-17 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210517125213/https://www.napervilleparks.org/facilities/millenniumcarillon |url-status=live }}
* {{cite news |last=Harhen |first=Nora |title=Wait, the Campanile’s Bells Aren’t Automated? |work=The Daily Californian{{Enlink|The Daily Californian|en}} |date=2014-11-17 |url=https://www.dailycal.org/2014/11/07/wait-campaniles-bells-arent-automated/ |access-date=2021-05-17|archivedate=2021-03-17 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210517125213/https://www.dailycal.org/2014/11/07/wait-campaniles-bells-arent-automated/ |url-status=live }}</ref>
* 23個以下の鐘を持つカリヨンのうち、1940年以前に作られたものは、世界カリヨン協会では歴史的カリヨンと呼んでいる{{sfn|"Organization." ''World Carillon Federation''}}。
 
鐘の個数では、[[ミシガン州]][[ブルームフィールドヒルズ]]にあるカーク・イン・ザ・ヒルズ長老派教会にあるカークカリヨンと、[[韓国]]の[[大田広域市]]にある大田科学技術大学のカリヨンがいずれも77個の鐘を持ち、世界最大となっている。
 
カリヨンは他の楽器と合奏することがほとんどないため、最低音の鐘(ブルドン)はどの音でも大きな問題はない。そのため、設置する場所、あるいは資金の都合で最低音となる鐘が選ばれる{{sfn|Lehr|2005|p=53}}。楽譜の記載と演奏を容易にするため、カリヨンの鍵盤にはCの基準位置を示すことが一般的となっており、古い楽器や、小さいサイズのカリヨンの多くは移調楽器となっている{{sfn|"A Musical Instrument." ''Guild of Carillonneurs in North America''}}。転置は、[[完全四度]]下から1オクターブ上までどこでも可能である。 米国ではカリヨンを本格的なコンサート楽器として確立するために、コンサートピッチ調律されている新しいカリヨンが増えている{{sfn|Rombouts|2014|p=310}}。
 
楽器によって音域や鐘、それを演奏する鍵盤のサイズが異なり、鍵盤全体が移調されている楽器もあり、演奏時に必要な動作やタッチが楽器ごとに大きく変わるなどの事情から、多くのカリヨンでは鐘楼ごとに専属のカリヨン奏者を抱えている。
 
== 歴史 ==
=== 起源 ===
[[ラテン語]]の“四個で一組”が語源。フランドル地方(ベルギー、[[オランダ]])の伝統楽器で、[[14世紀]]ごろ、時刻を知らせる[[教会]]や物見塔、鐘楼の大鐘が鳴ることを事前に知らせるための「前打ち」と呼ばれる小さな鐘が付け加えられたことに始まる。[[15世紀]]から[[16世紀]]にかけて競い合うように前打ちの鐘の数が増え、[[17世紀]]に全盛期を迎えたが、中全調律から平均律への移行に伴い、調性の問題から民衆に好まれる演奏曲が減少したこと、また、カリヨン鋳造家の衰退も相まって、[[19世紀]]には機械式時計の発達と合わせ衰退するが、[[20世紀]]初頭になりカリヨンの魅力が見直され、1922年にベルギー・メッヘレンにカリヨン学校が創立され([[:en:Royal_Carillon_School_"Jef_Denyn"|Royal Carillon School "Jef Denyn"]])、北米でも1934年に北米カリヨンギルド[https://www.gcna.org The Guild of Carillonneur in North America])が設立され、鋳造、調律技術、奏者の育成が図られている。
[[File:Earliest Carillonneur Picture.png|thumb|alt=初期のカリヨン。天井にぶら下げたたくさんの鐘に接続したロープとそれに繋がった鍵盤を演奏する人。|人が演奏するカリヨンを描いた最も古い絵 ''De Campanis Commentarius'' (1612) より。 [[Angelo Rocca]]作{{sfn|Rombouts|2014|p=76}}<ref>{{cite book|title=De Campanis Commentarius|url={{Google books|gULg5jHyrpQC|De Campanis Commentarius|page=T11|plainurl=yes}}}} p. 挿絵11</ref>]]
カリヨンはいくつかの伝統の組み合わせから生まれた。中世のヨーロッパでは、人々に時刻や教会の礼拝開始を知らせたり、その他のイベント、火事や嵐、戦争などを知らせるためにスイングべルが用いられていた。14世紀に、鐘と時計を繋ぐ重量で回転するペグドラム(杭を打ったドラム)が開発された。ドラムを回転させ引っ掛けたワイヤーの力でハンマーが鐘を叩いて音を出していた{{sfn|Gouwens|2013|p=15}}。時報を告げる鐘は次第に進化し、時刻の鐘の前にウエストミンスターの鐘のような簡単な曲を演奏するようになっていった。この、鐘による音楽演奏の興味関心は[[ネーデルラント]](現代の[[ベルギー]]、[[オランダ]]、また[[フランス]]の[[ノール=パ・ド・カレー地域圏]])で特に高まり、ネーデルラントでは鐘の鋳造技術もヨーロッパの他地域と比較して著しく発達した{{sfn|"Carillon." ''Encyclopaedia Britannica''}}。
 
[[File:27225 Oudenaarde Stadhuis 20.jpg|thumb|175px|1510年に最も初期のカリヨンを設置した[[アウデナールデ]]市庁舎と鐘楼]]
== バトン式鍵盤 ==
鐘を鍵盤に相当するもので演奏した最も古い記録は、15世紀末から16世紀初頭にさかのぼることができる。1482年12月30日、[[アントワープ]]市は、{{仮リンク|聖ミカエル修道院 (アントワープ)|en|St. Michael's Abbey, Antwerp}}が備えていた小規模な鐘のセットを「縄と棒」を用いた機構で演奏するためにエリシャ (Eliseus) という男を任命した記録がある。1510年には、ヤン・ファン・シュピーラーという有名な時計職人が[[アウデナールデ]]の{{仮リンク|アウデナールデ市庁舎|en|Oudenaarde Town Hall}}に9つの鐘を持つ「鐘のためのキーボード」を設置している{{sfnm|Rombouts|2014|1p=60–61|Gouwens|2013|2p=16}}。
カリヨンには、手動演奏のための手鍵盤と足鍵盤が備えられており、鍵盤と鐘はワイヤーで繋がっている。カリヨンそのものが非常に重量のあるものであるために、演奏には多大な力を必要とされ、指で簡単に演奏できる仕組みが不可能である。したがって、バトン(リレーで手渡す棒「バトン」と同義語)と呼ばれる丈夫な棒で鍵盤ができており、その一つ一つを奏者が拳で力を込めて叩きながら演奏する。拳によって大きな力エネルギーを鐘へと伝える必要があり、片手ごとに1音しか同時に演奏できないため、足鍵盤を併設して共に多くの音が発せされるスタイルが定着した。
 
=== 開発 ===
[[日本]]においては、カリヨネアが少ないこともあり、鍵盤を有しない自動演奏のカリヨンが多い。
16世紀から17世紀にかけて、ネーデルラントの好条件下で新しい楽器の開発が進んだ。この地域は、[[アムステルダム]]と[[アントワープ]]の港を通じて、鐘の鋳造に必要な財政的手段と技術的優位性を獲得して鋳造の技術が発達した{{sfn|Swager|1993|p=14}}。さらに[[オーストリア]]の[[マルグリット・ドートリッシュ]]と[[カール5世_(神聖ローマ皇帝)|カール5世_]]による政治情勢では、都市に相対的な富と権力をもたらした。カリヨンはすぐに市民の誇るシンボルとして流行した。都市や町はお互いに最も高品質で最も大きな鐘を持つ楽器を所有することを競い合った。都市部では一つの街で複数のカリヨンを造るところがいくつもあり、田舎の小さな村でもカリヨンを作るための資金・資材を捻出するところがあった{{sfn|Rombouts|2014|pp=71–74}}。この需要により、鐘の鋳造家が産業としても成功し、ワグヘブンズや{{仮リンク|ファン・デン・ヘイン|en|Vanden Gheyn}}などの成功者が生まれた{{sfn|Gouwens|2013|p=16}}。16世紀から17世紀にかけて彼らが作ったカリヨンは50個にのぼる{{sfn|Swager|1993|p=12}}。1600年頃には、初期のカリヨンがこの地域の特徴として確立した{{sfn|Swager|1993|p=12}}。
 
[[File:Beiaard Lebuïnuskerk.JPG|thumb|alt=窓から内部の鐘が見えるカリヨン|オランダ、[[デーフェンテル]]の{{仮リンク|聖レビヌス大聖堂|en|Lebuïnuskerk, Deventer}} の鐘楼に釣られる{{仮リンク|ヘモニー兄弟|en|Pieter and François Hemony}}によるカリヨン。この鐘は1647年に[[ズトフェン]]で鋳造されている。<ref>{{cite web |title=NLDVNTSL |website=Towerbells.org |url=http://www.towerbells.org/data/NLDVNTSL.HTM |access-date=2021-05-19|archivedate=2021-05-19 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210519142436/http://www.towerbells.org/data/NLDVNTSL.HTM |url-status=live }}</ref>]]
== カリヨネア ==
カリヨン奏者を[[フランス語]]では男性なら{{lang|fr|carillonneur|}}、女性なら{{lang|fr|carillonneuse|}}と言う。日本語では{{lang|fr|carillonneur|}}を英語風に読んだ「カリヨネア」とも呼ばれる。
 
17世紀に、{{仮リンク|ヘモニー兄弟|en|Pieter and François Hemony}}と[[ヤコブ・ファン・エイク]]が協力することで、現代のカリヨンにつながる重要な開発が行われた。ヘモニー兄弟は正確な鐘の調律技術で有名になった鋳造家だった。ヤコブ・ファン・エイクは[[ユトレヒト]]で活動した盲目のカリヨン奏者で、オランダの幾つかの都市で時計台のチャイムやカリヨンの改善をするよう任命されていた。彼は鐘の音に特に強い興味を抱いており、1633年に鐘のもつ5つの部分音を分離して記述する技術を確立した。また、鐘の厚さを調節することで、それぞれの[[部分音]]を互いに調和するよう調律できることを発見した{{sfnm|Price|1983|1p=219|Gouwens|2013|2p=19–21}}。ヘモニー兄弟は、ヤコブ・ファン・エイクを顧問として、[[ズトフェン]]にある {{Llang|nl|Wijnhuistoren}} の塔に19個の鐘を持つカリヨンの製作を行った。ヤコブ・ファン・エイクの助言に従って鐘を鋳造し、初めて現代の定義でいうカリヨンに相当する調律した楽器を製作した{{sfn|Swager|1993|pp=16–20}}。鐘の品質が非常に良く印象的だったため、ヤコブ・ファン・エイクは2オクターブ(=23個)の鐘を鋳造するよう進言した。この時から、標準的なカリヨンを構成する最小の鐘の数は23個と考えられるようになった{{sfn|Gouwens|2013|p=20}}。ヘモニー兄弟はその後36年間で51組のカリヨンを製作し{{sfnm|Price|1983|1p=219|Rombouts|2014|2p=94–95}}、それから18世紀にかけてカリヨン文化の最盛期となった{{sfn|"Carillon." ''Encyclopaedia Britannica''}}。
[[オルガン]]奏者がカリヨンを演奏することもあるが、オランダとベルギーにはカリヨン学校があり、専門のカリヨネアを育成している。塔によって設置される鐘の数が異なることや、塔のサイズによって鐘の大きさが規定されるという事情のため、カリヨンごとに音域が異なり、鍵盤自体が移調されているものもある。このため、それぞれのカリヨン塔に専属のカリヨネアを抱えていることが多い。日本にもオランダないしベルギーのカリヨン学校で正規の教育を受け、卒業試験を経てディプロマを取得した数名の日本人カリヨネアが存在し、また、北米のカリヨンギルド(The Guild of Carillonneur in North America)のギルド試験に合格した日本人カリヨネアも2019年に誕生している。
 
=== 衰退 ===
== 派生した楽器グロッケンシュピール ==
1789年から巻き起こった[[フランス革命]]により、ネーデルラントとカリヨンは広範囲に被害を被った。[[オーストリア領ネーデルラント]]はフランスに征服され、1975年に併合された。[[ネーデルラント連邦共和国]]は[[バタヴィア共和国]]、[[ホラント王国]]を経て1810年にフランスに併合された。[[フランス第一共和政]]の2年目に<!--年代要調査-->[[公安委員会 (フランス革命)|公安委員会]]は鐘を鋳つぶして銅を供出する指示を発布した{{sfn|Swager|1993|pp=39–40}}。カリヨンの所有者達は、新政府に要望書を出して「文化的に重要」と認めさせるか、鐘を取り外して埋めるなどして抵抗した{{sfn|Rombouts|2014|pp=141–44}}。当時110のカリヨンがあったが、そのうち約50個は戦争、火災、人為的破壊などの被害により破壊され、大部分は[[フランス革命戦争]]に使用する大砲を作るために鋳つぶされた{{sfn|Swager|1993|pp=39–40}}。
カリヨネアの練習用や、もっと手軽に鐘の音楽が得られるために、カリヨンではなく金属棒を叩いて奏する[[グロッケンシュピール]](グロッケンは[[ドイツ語]]で「鐘」のこと)が発明された。当初は鍵盤によって演奏される形であったが、後に鍵盤が排除され、直接ばちで金属棒を叩く鉄琴が発明され、それが現在のグロッケンシュピールである。現在、グロッケンシュピール(鉄琴)というと、鍵盤のない金属打楽器のことを指し示すが、本来は鍵盤のついたものを指していたことが永い間忘れ去られていた。
 
1750年から19世紀にかけて、戦争意外の点においても人々のカリヨンへの関心は大幅に低下してしまった。多くの世帯で{{仮リンク|振り子式置き時計|en|Grandfather clock}}が使えるようになり、[[懐中時計]]を持つ人も増えたため、カリヨンによる時報の需要が大きく低下していた。さらに、当時あったカリヨンの多くは[[中全音律]]に調律されており、新しい[[半音階]]の音楽様式の演奏には不向きだったため{{sfnm|Swager|1993|1p=41–42|Rombouts|2014|2p=149–50}}、楽器としても時代に大きく取り残されていた。カリヨンのための曲が新たに作られることはなくなり{{sfn|Van Ulft|2020|p=33}}、カリヨン演奏の質も大幅に低下したため、1895年に音楽出版社の{{Llang|en|Schott frères}}{{enlink|Schott frères|en}} が {{仮リンク|マティアス・ファン・デン・ギュイエン|en|Matthias Vanden Gheyn}}の『ピアノのための11のカリヨン前奏曲』を出版した際に「現代のカリヨン奏者はこれらをカリヨンで演奏する方法を知らない」と不満を記している{{sfn|Price|1983|p=224}} 。さらに、カリヨン製作が減少したことにより、ヘモニー兄弟が確立した調律技術のうち、ヤコブ・ファン・エイクの発見に依らない部分の技術は失われてしまった。そのため、この時代に作られたカリヨンはそれ以前の物よりも品質がよくなかった{{sfn|"Carillon." ''Encyclopaedia Britannica''}}。
古い例では、[[ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル|ヘンデル]]の[[オラトリオ]]『[[サウル (ヘンデル)|サウル]]』や[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]]の『[[魔笛]]』で、古来の鍵盤式のグロッケンシュピールが使用された例が残っているが、鍵盤式のグロッケンシュピールが廃れてしまっていたため、打楽器としてのグロッケンシュピールによって代用されて演奏されてきた。ピリオド楽器を使用することが重要視される近年に至って、ようやく、本来のグロッケンシュピール、つまり現代でいうところの鍵盤付グロッケンシュピールが復興され、演奏にも使用されるようになった。
 
=== 復興 ===
現在の練習機には、グロッケンシュピールの代わりにMIDIのセンサーと接続し、デジタル採録された音源を再生できる電子式のものもある。
1890年代初頭に、イギリスの[[律修司祭]]でチェンジリンガーだったアーサー・シンプソンが、鐘の調律に関する一連の記事を出版した。彼は当時の鐘鋳造家達が、鐘の貧弱な調律に無頓着であることを訴え、その解決方法を提案していた。{{仮リンク|ファン・デン・ヘイン|en|Vanden Gheyn}}の鐘の調律技術を再現しようとしていた{{仮リンク|ジョン・ウイリアム・テラー|en|John William Taylor}}はシンプソンと協力し、1世紀以上ぶりの1904年に調律した鐘の鋳造に成功した{{sfn|Rombouts|2014|pp=173–76}}。この技術の復活により、カリヨンの建造も復活し始めた{{sfn|"Carillon." ''Encyclopaedia Britannica''}}。
 
ベルギーの[[メッヘレン]]では{{仮リンク|ジェフ・デニン|en|Jef Denyn}}が楽器としてのカリヨン復活の中心的役割を担った。1887年に、彼の父親が盲目になり、デニンは{{仮リンク|聖ロンバウツ大聖堂|en|St. Rumbold's Cathedral}}の都市カリヨンの演奏を引き継ぐことになった。演奏を始めてすぐに彼は演奏性の向上を訴えた。また、彼の父親が開発し、大聖堂に設置しかけていたタンブラー・ラック・システムを設置し、それにより音量コントロールの自由度を増し、速いパッセージ、トレモロを演奏できるようになった{{sfn|Rombouts|2014|pp=179–80}}。トレモロによって、ロマン派時代のカリヨンでは表現できなかった、長い間持続する音を表現できるようになった。
== カリヨンの設置例 ==
[[ベルギー]]と[[フランス]]の56の鐘楼が「[[ベルギーとフランスの鐘楼群]]」として[[世界遺産]]に登録されている。世界最多鐘数のカリヨン(世界カリヨン連盟に登録)は[[アメリカ合衆国]][[ミシガン州]]ブルームフィールド郡区にある Kirk in the Hills のカリヨン(77鐘)であったが<ref>{{citation|url=http://www.kirkinthehills.org/ministries/music/instruments/carillon|title=The Kirk Callion|publisher=Kirk in the Hills}}</ref>、[[大韓民国]][[大田広域市]]の大田科学技術大学校の鐘が78鐘に増えて世界最多になった<ref>{{citation|url=http://www.dst.ac.kr/eng/0103|title=Message from President|publisher=Daejeon Institute of Science and Technology}}</ref>。ヨーロッパでは主に都市の真ん中に設置され、その街の象徴の役割を果たすものが多いが、北米のカリヨンは街の象徴としてのカリヨンの他に、大学や植物園などに設置されているものが多いのが特徴である。例としてイェール大学、シカゴ大学、フロリダ大学、ミシガン大学、カリフォルニア州立バークレー校、カナダではトロント大学などがある。植物園に設置されている例としてはフロリダの[https://boktowergardens.org Bok Tower]などが有名である。カナダは国会議事堂の建物の中央部 [[:en:Peace_Tower|Peace Tower]]がカリヨンとなっている。
 
[[File:Comparison of two carillon transmission systems.svg|thumb|alt=カリヨンの鐘と鍵盤間の接続方法の改良前と改良後を示したもの|(a)旧方式(ブリーチ・システム)での接続と、(b){{仮リンク|ジェフ・デニン|en|Jef Denyn}}が採用した新システム(タンブラー・ラック・システム)の比較{{sfn|Swager|1993|pp=48–49}}]]
=== オランダ ===
オランダのマーストリヒト市庁舎は歴史的な建造物で、塔には49鐘のカリヨンがあり、毎週土曜日12時30分に鳴り響く<ref>『るるぶオランダ・ベルギー 2017年版』JTBパブリッシング、44頁</ref>。
 
カリヨン奏者としての技術向上と、改良したカリヨンによって、デニンの演奏は人々を魅了するようになった。市議会からの提案により、彼は毎週月曜日の夜に行う定期コンサートを設立し{{sfn|Swager|1993|pp=50–51}}、彼が1892年8月1日に行った最初のコンサートは、歴史上初めてのカリヨンによるコンサートとなった{{sfn|Rombouts|2014|p=181}} 。このステップは、カリヨンは公共のBGMを提供するものから、音楽を提供する楽器として前面に押し出し、それによってカリヨンがコンサート楽器としての評価を獲得した。
=== 日本 ===
[[1970年]]の[[日本万国博覧会]](オランダ館)で日本に初めて紹介された28鐘のカリヨンは、数個の鐘のみモニュメントとして[[大阪港#南港|大阪南港]]のポートタウンショッピングセンターに設置されている。設置数が少ないこともあり日本国内の演奏者は数少ない。
 
=== 王立カリヨン学校の設立 ===
デニンはコンサートを開催したことで、アメリカ合衆国のニューヨーク州と政府の役人だった{{仮リンク|ウィリアム・ゴーラム・ライス|en|William Gorham Rice}}との面識を得る。ライスは[[ハーグ]]を旅してカリヨンを知り、カリヨンの本を執筆するために定期的にこの地を訪れて、カリヨン演奏家達を取材して回っていた。1913年8月18日のデニンのコンサートの後、デニンとライスはカリヨンの社会的影響力と教育的価値について意見を交換した{{sfn|Rombouts|2014|p=188}}。ライスは著書 ''Carillons of Belgium and Holland; tower music in the Low Countries''<ref name="Rice">{{Cite book|last=Rice|first=William Gorham|title=Carillons of Belgium and Holland; tower music in the Low Countries|date=1914-12|url=https://archive.org/details/carillonsbelgium00riceiala/mode/2up}}</ref>を1914年12月に出版し、3度再販した。<!--この本は、特に{{仮リンク|ベルギーの略奪|en|rape of Belgium}}に光を当て、アメリカで広く受け入れられる理想的状況を描いた{{sfnm|Rombouts|2014|1p=197–98|Thorne|2018}} 。(訳注・英語版にある記述だがカリヨンとの関連が不明のためコメントアウト)-->この本は成功し、1915年と1925年にも出版する動機となった{{sfn|Rombouts|2014|pp=198}}。ライスはアメリカ合衆国内でカリヨンの権威となり、1912年から22年までの間に書籍の出版だけではなく、複数の都市で35の講演、雑誌への記事掲載、ラジオ番組への出演、カリヨンに関する展示資料の提供を行った{{sfn|Rombouts|2014|p=208}}。1922年にライスは、[[ハーバート・フーヴァー]]と[[ジョン・ロックフェラー2世]]から資金援助を得て、ジェフ・デニンと共に[[メッヘレン]]にカリヨン専門の学校を作り、初代校長といて活動した。のちにその学校は{{仮リンク|王立カリヨン学校ジェフ・デニン|en|Royal Carillon School "Jef Denyn"}}と名付けられた{{sfnm|Price|1983|1p=227–28|Rombouts|2014|2p=208|Gouwens|2013|3p=43}}<ref>{{Cite web|url=https://beiaardschool.mechelen.be/|title=Koninklijke Beiaardschool Mechelen|accessdate=2021-06-06}}学校名はKoninklijke Beiaardschool Jef Denyn Mechelen となっている。</ref>。
 
=== 世界大戦による破壊 ===
[[File:Stolen Bells during WWI.jpg|thumb|alt=盗んだ鐘でいっぱいの部屋と、そこを監視する軍服を着た二人の男性|{{仮リンク|オーストリア=ハンガリー帝国陸軍|en|Austro-Hungarian Army}}によって盗まれた鐘[[ウクライナ]]、[[リヴィウ]]、1916年]]
 
[[第一次世界大戦]]、[[第二次世界大戦]]の間にもまたカリヨンが破壊され、ベルギーとオランダの同盟国では独特で民主的な楽器の消滅として広く報道された。第二次世界大戦ではイギリスの調査団が、ナチス・ドイツはベルギーでは全ての鐘の3分の2を、オランダでは全ての鐘を押収したと主張している。1938年から1945年の間に175,000個の鐘が盗まれ、鐘の墓地({{Lang-de|Glockenfriedhöfe}})に集められた。そのうち150,000は鋳造所に送られ、銅の材料として使われた{{sfn|Thorne|2018}}。
 
戦争の後、カナダ最初の州カリヨン奏者 (Dominion Carillonneur) で、アメリカ大陸での最初期のカリヨン奏者{{sfn|Gouwens|2017|p=139}}{{仮リンク|パーシバル・プライス|en|Percival Price}}が残った鐘の調査と、その返還を手伝うため派遣された。プライスは、またとない機会を利用してヨーロッパの鐘の理想的な音色の性質について研究し、発表している{{sfn|Thorne|2018}}。
 
=== 国際的認知 ===
1999年に、[[ユネスコ]]は、建築の多様性と重要性を認めて、ベルギーにある32の鐘楼を世界遺産に指定した。2005年にはフランスにある23塔、ベルギーのジャンブルーの塔を追加指定して[[ベルギーとフランスの鐘楼群]]となった<ref name="WHS">{{cite web |title=Belfries of Belgium and France |website=[[UNESCO]] World Heritage Centre |publisher=[[United Nations]] |url=https://whc.unesco.org/en/list/943/ |access-date=2021-04-13 |url-status=live |archivedate=2021-03-23 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210323203523/https://whc.unesco.org/en/list/943/}}</ref>。2014年には、ベルギーとオランダのカリヨン文化を無形文化遺産としても登録し、[[フランドル]]の文化大臣 Sven Gatz <small>([[:en:Sven Gatz|英語版]])</small>は「ユネスコは、カリヨン奏者やこの文化的形態が今日の地域社会に関連するものであることを確かにしている人々の創造性を認識している」と述べている<ref>{{cite news |author=<!--Not stated--> |title=Belgische beiaardcultuur erkend als erfgoed |trans-title=Belgian Carillon Culture Recognized as Heritage |date=2014-11-25 |work=VRT NWS |language=nl |url=https://www.vrt.be/vrtnws/nl/2014/11/25/belgische_beiaardcultuurerkendalserfgoed-1-2159300/ |access-date=2021-04-13 |url-status=live |archivedate=2021-04-13 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210413223831/https://www.vrt.be/vrtnws/nl/2014/11/25/belgische_beiaardcultuurerkendalserfgoed-1-2159300/}}</ref><ref>{{cite news |author=<!--Not stated--> |title=Bespelen klokkenspel wordt cultureel erfgoed |trans-title=Playing Carillons Becomes Cultural Heritage |date=2014-08-21 |work=de Volkskrant{{Enlink|de Volkskrant|en}} |language=nl |url=http://www.volkskrant.nl/vk/nl/2664/Nieuws/article/detail/3722604/2014/08/21/Bespelen-klokkenspel-wordt-cultureel-erfgoed.dhtml |access-date=2021-04-13 |url-status=dead |archivedate=2016-03-04 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160304140846/http://www.volkskrant.nl/vk/nl/2664/Nieuws/article/detail/3722604/2014/08/21/Bespelen-klokkenspel-wordt-cultureel-erfgoed.dhtml}}</ref>。
 
2008年に映画『[[シュティの国へようこそ]]』でカリヨンを紹介している。この映画は{{as of|2021|lc=y|post=.}}フランス映画として売り上げが最も高い作品となっている<ref>{{cite web |title=Welcome to the Sticks |website=[[Box Office Mojo]] |publisher=[[IMDb]] |url=https://www.boxofficemojo.com/release/rl3703866881/rankings/?ref_=bo_rl_tab#tabs |access-date=2021-04-19|archivedate=19 April 2021 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210419223832/https://www.boxofficemojo.com/release/rl3703866881/rankings/?ref_=bo_rl_tab#tabs |url-status=live }}</ref>。
 
== 使用法とレパートリー ==
=== 音楽 ===
カリヨンのレパートリーは、同様に長い歴史を持つ[[オルガン]]と比べて大きく近代に偏っており、1900年以前の作品は現代では15個しか知られていない{{sfn|Rombouts|2014|p=129}}。カリヨンの演奏は、初期のパイプオルガンの様に即興演奏に依存する時代が長く続いた。初期のカリヨン奏者たちは、特に引退が近づくと非常に多くのことを他の人に伝える必要があったことを示す証拠が記録に残されている{{sfn|Gouwens|2017|p=127}}。[[バロック音楽|バロック]]後期から[[ルネサンス音楽|ルネサンス]]初期にかけて、鍵盤楽器向けの楽譜は特定の楽器向けではなく、どの鍵盤楽器でも演奏できるように書かれていた。そのため、初期のカリヨン向けの楽譜は[[チェンバロ]]、[[オルガン]]、[[ピアノ]]などと同じものだった可能性がある。その数少ない証拠として、現代まで生き残った1746年出版のJoannes de Gruyttersによる ''De Gruytters carillon book'' がある{{sfn|Van Ulft|2020|p=32}}。この本に記されている曲は、明らかにカリヨンのために作曲されたものではなく他の楽器から編曲されており、他の鍵盤楽器でも簡単に演奏することができる。バロックの鍵盤楽器向けの曲はカリヨン向けの編曲に適したものが多く、[[アントニオ・ヴィヴァルディ|ヴィヴァルディ]]、[[フランソワ・クープラン|クープラン]], [[アルカンジェロ・コレッリ|コレッリ]]、[[ヨハン・セバスチャン・バッハ|バッハ]]、[[ジョージ・フレデリック・ヘンデル|ヘンデル]]、[[ウォルフガング・アマデウス・モーツアルト|モーツアルト]]などが特に適している。{{sfn|"Carillon." ''Encyclopaedia Britannica''}}
 
[[File:BIG 117025309040611.jpg|thumb|left|alt=カリヨンの鍵盤とその上部に置かれているカリヨン向けの楽譜|カリヨンの曲は[[大譜表]]に書かれる。ト音記号は手で演奏し、ヘ音記号は足で演奏する{{sfn|Brink|2017}}。]]
 
鍵盤楽全般向けではなく、カリヨンで演奏するために書かれた最も古い曲は{{仮リンク|マティアス・ファン・デン・ギュイエン|en|Matthias Vanden Gheyn}}による11の前奏曲である。彼の作品の構造は、彼が長い間カリヨンで各種のキーボード汎用の曲を演奏していた上で、カリヨンでの音楽演奏を一般的なものにしたいと考えていたことを示唆している{{sfn|Van Ulft|2020|p=33}}。1900年代初頭以降、技術面で挑戦的な彼の前奏曲はカリヨン奏者の標準的なレパートリーとなっている{{sfn|Rombouts|2014|p=115}}。
 
ジェフ・デニンは、カリヨンでどのような音楽を演奏するべきかについて発言を行い、今がその音楽を書くときだ、と何人かの作曲家を説得した。その中には、彼の生徒だった Staf Nees{{Enlink|Staf Nees|nl}}、{{仮リンク|レオン・ヘンリー|en|Léon Henry}}、Jef Rottiers{{Enlink|Jef Rottiers|nl}}や、{{仮リンク|ジェフ・ファン・ホーフ|en|Jef van Hoof}}のような他分野の作曲家達がいた{{sfn|Gouwens|2017|p=134}}。カリヨン学校では1925年にカリヨンの楽譜出版を開始した{{sfn|Price|1983|p=230}}。学校はカリヨン音楽において、高度な装飾音符、素早いパッセージ、トレモロ、バロック、ロマン派的要素などで構成する初期のメッヘレン様式あるいはフランドル様式と呼ばれるスタイルの提案者でもあった{{sfn|Van Ulft|2020|pp=33–34}}。
 
1950年代、1960年代には[[カンザス大学]]から明らかに異なるアメリカ様式のカリヨン演奏が生み出された。大学のカリヨン奏者{{仮リンク|ロナルド・バーンズ (カリヨン奏者)|en|Ronald Barnes (carillonist)}}が彼の仲間に、カリヨンのために作曲することを勧めたことにより数多くの曲が作られた{{sfn|Rombouts|2014|p=289}}。バーンズの展開した運動のうち、{{仮リンク|ロイ・ハムリン・ジョンソン|en|Roy Hamlin Johnson}}による、[[8音音階]]で作曲したカリヨン向けの一連の曲は最も成功したものである{{sfn|Keldermans|1996|pp=164}}。ジョンソンによるカリヨン向けの曲の多くは名作として知られている{{sfn|Gouwens|2017|p=140}}。バーンズはレパートリー拡大のためにオリジナル曲を56、数百の編曲を製作した。
 
20世紀にカリヨン向けの作曲をした主要な作曲家として、Albert Gerken, Gary C. White, Johan Franco, and {{仮リンク|ジョン・ポズドロ|en|John Pozdro}}などがいる{{sfn|Keldermans|1996|pp=163–65}}。アメリカ様式のカリヨンはメッヘレン様式の対局を成す形で発展した。メッヘレン様式の躍動的で素早いパッセージやトレモロに満ちた演奏者の芸の披露に対して、ゆっくりとしたパッセージ、希薄な和声、鐘の自然な音色に聴衆の注意を引きつける印象的なテーマなどを特徴としている。
 
北アメリカでカリヨンの楽譜が最初出版されたのは、1934年にG. Schirmer, Inc{{Enlink|G. Schirmer, Inc.|en}}から[[カーティス音楽学校]]の学生だった[[サミュエル・バーバー]]、[[ジャン=カルロ・メノッティ]]、[[ニーノ・ロータ]]jによる学会の短期出版シリーズのものだった{{sfn|De Turk|1999|p=53}} 。北米カリヨンギルドが楽譜の出版を始める1961年まで{{sfn|Gouwens|2017|p=143}}、北アメリカでは散発的に楽譜が出版されている{{sfn|Rombouts|2014|pp=290–91}}。
 
1968年には{{仮リンク|ボック・タワー・ガーデンズ|en|Bok Tower Gardens}}に、世界最大級のカリヨン音楽と関連するリソースを収めた{{仮リンク|アントン・ブリーズカリヨン図書館|en|Anton Brees Carillon Library}}が設立された<ref>{{cite web |title=Library & Archives: Anton Brees Carillon Library |website=Bok Tower Gardens{{Enlink|Bok Tower Gardens|en}} |url=https://boktowergardens.org/library/ |access-date=2021-03-30 |archivedate=2021-06-02 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210602213237/https://boktowergardens.org/library/ |url-status=live }}</ref>。
 
=== 組織 ===
1970年代に当時あった国や地域単位のカリヨン組織を連合したカリヨン演奏者と愛好家の中心的な組織として、世界カリヨン連盟(The World Carillon Federation)が設立された{{sfn|Rombouts|2014|p=312}}。{{As of|2021|post=,}}、14の組織で構成されている。
 
{{div col|colwidth=30em}}
* British Carillon Society (イギリスカリヨン協会)
* Brotherhood of Bell Ringers and Carillonists of Catalonia (カタルーニャ、ベルリンガー&カリヨン奏者友愛会)
* Carillon Society of Australia(カタルーニャ、ベルリンガー&カリヨン奏者友愛会)
* Dutch Carillon Association(オランダカリヨン協会)
* Flemish Carillon Association(フランドルカリヨン協会)
* German Carillon Association(ドイツカリヨン協会)
* Guild of French Carillonneurs(フランスカリヨン奏者ギルド)
* Guild of Carillonneurs in North America(北アメリカカリヨン奏者ギルド)
* Lithuanian Carillonist Guild(リトアニアカリヨン奏者ギルド)
* Nordic Society for Campanology and Carillons(ノルウェー鐘史学&カリヨン協会)
* Polish Carillon Association(ポーランドカリヨン協会)
* Russian Carillon Foundation(ロシアカリヨン協会)
* Swiss Carillonneurs and Campanologists Guild(スイスカリヨン奏者&鐘史学者ギルド)
* [[Wallonia|Walloon]] Campanaire Association(ワロン鐘奏者協会)
{{div col end}}
 
メンバー組織の多くは地域でのカリヨンの情報や会員の更新を知らせるために、会報を定期刊行している{{sfn|Rombouts|2014|p=313}}。連盟は3年おきにメンバー組織の母国で国際カリヨン会議 (World Carillon Congress) を開催している。会議では、カリヨンに関する講義、ワークショップ、委員会を開催し、ニュース、個別指導、研究開発などのテーマを扱う{{sfn|Rombouts|2014|p=313}}。
 
== カリヨン奏者の教育 ==
カリヨンの演奏はオルガン奏者が行うこともあるが、カリヨンの演奏者となるための訓練を受けられる機関が世界に複数あり、専門のカリヨン奏者の育成を行っている。ベルギー、メヘレン市にある王立カリヨン学校ジェフ・デナインは最も人気があるカリヨン演奏者育成のための教育プログラムの一つである{{sfn|Rombouts|2014|p=313}}。またベルギーの[[ルーヴェン]]にあるLCUA芸術大学では修士課程にカリヨンのコースを持ち、オランダの[[アメルスフォールト]]にある[[ユトレヒト芸術学校]]にはカリヨン専門の学科があり学士、修士課程を備える<ref>{{cite web |title=Utrecht School of the Arts, Faculty of Music |url=http://www.hku.nl/web/English/English/Bachelors/BachelorOfMusic/Carillon.htm |url-status=dead |archivedate=2012-10-18 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20121018141634/http://www.hku.nl/web/English/English/Bachelors/BachelorOfMusic/Carillon.htm|accessdate=2021-06-17}}</ref>。イギリス<ref>{{cite web |title=Carillonneur: Trevor Workman |website=Bournville Carillon |url=https://www.bournvillecarillon.co.uk/trevor-workman |access-date=2021-02-02 |url-status=live |archivedate=2020-10-24 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201024123258/https://www.bournvillecarillon.co.uk/trevor-workman}}</ref> 、フランス、デンマーク<ref>{{cite web |title=Løgum Kloster Kirkemusikskole |publisher=Locus Dei |url=http://www.locus-dei.dk/kms/ |access-date=2021-05-02 |url-status=dead |archivedate=2007-07-31 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070731135548/http://www.locus-dei.dk/kms/}}</ref>にも学校が存在する。
 
北アメリカカリヨンギルドは、毎年定期的に行う会議の会期中にカリヨン演奏者の試験を行っている。合格者はギルドのカリヨン会員として認められる。このプログラムは2012年に王立カリヨン学校ジェフ・デニンが北米に開設した関連学校の北アメリカカリヨン学校 (North American Carillon School) と提携して行われている{{sfn|Rombouts|2014|p=313}}{{sfn|"Learn to Play." ''Guild of Carillonneurs in North America''}}。
 
アメリカ合衆国のいくつかの大学にはカリヨン演奏の教育プログラムがある{{sfn|Rombouts|2014|p=313}}。[[カリフォルニア大学バークレー校]]<ref>{{cite web |title=Carillon Study |website=Berkeley Music |publisher=[[カリフォルニア大学バークレー校]] |url=https://music.berkeley.edu/performance-opportunities/carillon-study/ |access-date=2021-02-03 |url-status=live |archivedate=2020-08-10 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200810083229/https://music.berkeley.edu/performance-opportunities/carillon-study/}}</ref>、[[カリフォルニア大学サンタバーバラ校]]<ref>{{cite web |title=Carillon |website=Department of Music |publisher=[[カリフォルニア大学サンタバーバラ校]] |url=https://www.music.ucsb.edu/ensembles/carillon |access-date=2021-02-03 |url-status=live |archivedate=2020-11-26 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201126045729/https://music.ucsb.edu/ensembles/carillon}}</ref>、[[ミシガン大学]]<ref>{{cite web |title=Carillon Studio |website=U-M School of Music, Theatre & Dance |publisher=[[ミシガン大学]] |url=https://smtd.umich.edu/current-students-3/carillon-studio/ |access-date=2021-02-03 |url-status=live |archivedate=2020-12-11 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201211010454/https://smtd.umich.edu/current-students-3/carillon-studio/}}</ref>、[[フロリダ大学]]<ref>{{cite web |title=Carillon Studio |website=College of the Arts |publisher=[[フロリダ大学]] |url=https://arts.ufl.edu/sites/carillon-studio/welcome/ |access-date=2021-02-03 |url-status=live |archivedate=2021-08-11 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200811183906/https://arts.ufl.edu/sites/carillon-studio/welcome/}}</ref>、[[デンバー大学]]<ref>{{cite web |title=Carillon Studio |website=Lamont School of Music |publisher=[[デンバー大学]] |url=https://liberalarts.du.edu/lamont/academics/carillon-studio |access-date=2021-02-03 |url-status=live |archivedate=2021-02-03 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210203150355/https://liberalarts.du.edu/lamont/academics/carillon-studio}}</ref>では、カリヨン演奏についての全過程を学ぶことができる。[[クレムゾン大学]]<ref>{{cite web |title=Carillon |website=Department of Performing Arts |publisher=[[クレムゾン大学]] |url=https://www.clemson.edu/caah/departments/performing-arts/students/Music/Keyboard/carillon.html |access-date=2021-02-03 |url-status=live |archivedate=2020-05-19 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200519142440/http://www.clemson.edu/caah/departments/performing-arts/students/Music/Keyboard/carillon.html}}</ref>、[[カンザス大学]]<ref>{{cite web |title=Carillon Recitals |website=School of Music |publisher=[[カンザス大学]] |url=https://music.ku.edu/organ/carillon/recitals |access-date=2021-02-03 |url-status=live |archivedate=2020-09-19 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200919001456/http://music.ku.edu/organ/carillon/recitals}}</ref>、[[アイオワ州立大学]],<ref>{{cite web |title=Edgar W. and Margaret MacDonald Stanton Memorial Carillon |website=Department of Music and Theatre |publisher=[[アイオワ州立大学]] |url=https://www.music.iastate.edu/carillon |access-date=2021-02-03 |url-status=live |archivedate=2020-11-27 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201127055813/https://www.music.iastate.edu/carillon}}</ref> 、{{仮リンク|マーケット大学|en|Marquette University}}<ref>{{cite web |title=Carillon Discovery Course |website=Diederich College of Communication |publisher=マーケット大学 |url=https://www.marquette.edu/communication/carillon-discovery-course.php |access-date=2021-02-03 |url-status=live |archivedate=2020-11-26 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201126220237/https://www.marquette.edu/communication/carillon-discovery-course.php}}</ref>、[[インディアナ大学]]<ref>{{cite web |title=Applied Carillon Study at the Jacobs School of Music |website=IU Jacobs School of Music |publisher=[[インディアナ大学]] |url=https://blogs.iu.edu/jsomorgan/applied-carillon-study/ |access-date=2021-04-22 |url-status=live |archivedate=2021-04-22 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210422021804/https://blogs.iu.edu/jsomorgan/applied-carillon-study/}}</ref>では、カリヨン演奏に関する限定したプログラムを受けることができる。また、大学で雇用されているカリヨン奏者や、大学以外の施設が持つカリヨンでは、個人レッスンを提供しているところがある{{sfn|"Learn to Play." ''Guild of Carillonneurs in North America''}}。学校でカリヨンを持っていてもカリヨンのコースを持たない学校では、多くの場合クラブ活動や、{{仮リンク|イェール記念カリヨン|en|Yale Memorial Carillon}}のイェール・カリヨン演奏者ギルドのように学生が自主的に行う教育プログラムがある。
 
{{as of|2021|lc=y|post=.}}、日本においては日本カリヨン協会が、会員である修士を収めた日本人カリヨン演奏家によるオンラインレッスンを中心に個人レッスンをおこなっている。国内においては、現在カリヨン公式証明書を取得できる学校は存在しない。
 
== 楽器の分布 ==
世界的にカリヨンの数を集計している機関が幾つか存在する。一部の機関は特定の種類のカリヨンのみの集計を専門としており、例えば戦争記念・平和カリヨン登録機関(War Memorial and Peace Carillons registry)では、[[戦争記念施設]]や世界平和を志して造られたカリヨンのみを集計している<ref name="WMPC">{{cite web |title=World map of peace carillons |website=War Memorial and Peace Carillons |url=https://www.peacecarillons.org/world-map-of-peace-carillons/ |access-date=2021-02-04 |url-status=live |archivedate=2020-12-19 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201219035606/https://www.peacecarillons.org/world-map-of-peace-carillons/}}</ref>。世界カリヨン連盟では、伝統的カリヨン、すなわちバトン式鍵盤を使い、コンピューターや電子的なメカニズムを使用せずに演奏するものを集計している<ref name="WCF carillon list">{{cite web |title=Carillons |website=World Carillon Federation |url=http://www.carillon.org/eng/fs_carillon.htm |access-date=2021-01-30 |url-status=live|archivedate=2021-01-11 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210111190849/https://www.carillon.org/eng/fs_carillon.htm }}</ref>。TowerBellsでは伝統的カリヨンも非伝統的なカリヨンも合わせて集計しており、地図や技術仕様、仕様の要約を公開している<ref name="TowerBells About">{{cite web |title=More About Carillons and Other Tower Bell Instruments |website=TowerBells.org |url=http://www.towerbells.org/data/Data_Top.html |access-date=2021-02-04 |url-status=live |archivedate=2020-11-26 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201126034723/http://towerbells.org/data/Data_Top.html}}</ref>。
 
TowerBellsと世界カリヨン連盟によると、世界には約700の伝統的カリヨンが存在している。[[南極大陸]]を除くすべての大陸に3つ以上のカリヨンが存在しているものの、20を超えるカリヨンを持つ国は6カ国しかない。「偉大なカリヨンの国」と呼ばれる{{sfn|Rombouts|2014|p=309}}これらの国のうち、オランダ、ベルギー、アメリカ合衆国の3カ国に世界のカリヨンの2/3が存在する。また、ネーデルラント周辺の西ヨーロッパとアメリカ合衆国にあるカリヨンを合わせると90%以上になる。
 
北米のカリヨンのうち約80%は宗教機関と教育機関が保有しており<ref name="TowerBells NA Owner Type">{{cite web |title=North American traditional carillons by type of institution |website=TowerBells.org |url=http://www.towerbells.org/data/IXNATRinstype.html |access-date=2021-04-28 |url-status=live |archivedate=2020-09-03 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200903024555/http://www.towerbells.org/data/IXNATRinstype.html}}</ref> 、一方ヨーロッパではほぼすべてのカリヨンを地方自治体が保有している<ref>{{cite magazine |last=Lee |first=Roy |title=From the President's Corner |magazine=Carillon News |issue=105 |date=April 2021 |page=3 |publisher=Guild of Carillonneurs in North America |url=https://www.gcna.org/resources/Documents/Carillon-News-2021-04.pdf |access-date=2021-05-05 |url-status=live |archivedate=2021-05-05 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210505144025/https://www.gcna.org/resources/Documents/Carillon-News-2021-04.pdf}}</ref>。
 
現存しているほぼすべてのカリヨンは100年以内に作られたものであり、18世紀以前に造られて現存するカリヨンは15個のみと考えられている{{sfn|Rombouts|2014|p=310}}。TowerBellによると、さらに483の非伝統的カリヨンがアメリカとヨーロッパに存在している。
 
{{Gallery
| align = center
| height = 130px
| width = 50px
| mode = nolines
| File:National Carillon, ACT - Rectilinear projection.jpg
| alt1 = オーストラリアのキャンベラにある大きな白レンガの鐘楼
| [[オーストラリア]]、[[キャンベラ]]にある55個の鐘のカリヨン、{{仮リンク|ナショナル・カリヨン|en|National Carillon}}
| File:Thomas Rees Memorial Carillon.jpg
| alt2 = イリノイ州スプリング・フィールドにあるコンサートカリヨン
| [[アメリカ合衆国]][[イリノイ州]][[スプリング・フィールド]]の67個の鐘のカリヨン、{{仮リンク|トーマス・リース記念カリヨン|en|Thomas Rees Memorial Carillon}}
| File:Parlement d'Ottawa.jpg
| alt3 = カナダ、オタワにある大時計を備えた大きな石レンガの鐘楼
| カナダ、[[オタワ]]にある53個の鐘のカリヨン、{{仮リンク|ピース・タワー|en|Peace Tower}}
| File:150607 Carillon Berlin Tiergarten.jpg
| alt4 = ドイツ、ベルリンにある茶色い正方形の鐘楼
| [[ドイツ]]、[[ベルリン]]にある68個の鐘の{{仮リンク|ティーアガルテンのカリヨン|en|Carillon in Berlin-Tiergarten}}
| File:Mechelen St-Romboutskathedraal 04.JPG
| alt5 = ベルギー、メッヘレンにある凝った装飾レンガによる鐘楼
| [[ベルギー]]、[[メッヘレン]]にある{{仮リンク|聖ロンバウツ教会|en|St. Rumbold's Cathedral}}の鐘楼。49個の鐘のカリヨンを二つ備えている。
| File:Ames iowastate.jpg
|alt6=大学構内の森に建てられたレンガ造り、三角屋根の鐘楼
|[[アイオワ州立大学]]の鐘楼「マクドナルド・スタントン記念カリヨン」''MacDonald Stanton Memorial Carillon''
}}
 
=== 日本国内のカリヨン ===
現在日本国内に設置されているカリヨンのうち、本格的な鍵盤を有するカリヨンは次の4基である。
 
* [[インテックス大阪]]
*:37鐘、3オクターブ、小型の鐘で総重量5トンと軽量なトラベリングカリヨン(移動式床置型)で、[[1984年]]の第2回御堂筋パレードにフロート参加したのちに大阪市に寄贈された<ref name="IntexOsaka">{{cite web |title=施設案内 展示アートギャラリー |trans-title=What is a Carillon? |language=ja |website=Intex Osaka |url=https://www.intex-osaka.com/jp/facilities/art/ |access-date=2021-06-17 |url-status=live |archivedate=2021-02-06 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210206205015/https://www.intex-osaka.com/jp/facilities/art/ }}</ref>。[[大阪城公園]]に運ばれてブラスバンドとのジョイントコンサートや多数の市民が演奏体験したこともある。
* [[ハウステンボス]]
*:「カロヨン」と称する。37鐘、3オクターブあり、屋内にタワー型で設置されている。開園当時は50鐘のトラベリングカロヨン(電動自動車に搭載)が園内を運行していた。
46 ⟶ 229行目:
*:1990年11月9日竣工。カリヨン塔の高さが15メートル、43鐘、4オクターブある。8月15日に平和の鐘カリヨン[[コンサート]]、6月19日頃に国際カリヨンの日を記念したコンサートが開催される。カリヨン塔の5階部分に鐘が設置され、鍵盤は4階部分にある。愛称「フランドルの鐘」<ref>[http://www.city.itami.lg.jp/SOSIKI/SHIMIN/KOKUSAIHEIWA/1383653184806.html フランドルの鐘(カリヨン)] 伊丹市</ref>。日本で公共の場に設置された唯一のカリヨン。
 
また、夙川教会に1926年-1932年にかけて設置されたフランス製の歴史的カリヨンが存在する<ref name="夙川教会">{{Cite web|url=https://kobecco.hpg.co.jp/27012/ |title=清麗な音色で夙川の人々の心を濯ぐ日本最古のカリヨン|夙川 Shukugawa|website=Kobecco 神戸っ子 |language=ja |accessdate=2021-05-28|archiveddate=2021-03-21|archivedurl=https://web.archive.org/web/20210529173747/https://kobecco.hpg.co.jp/27012/}}</ref>。機械式のアクションと演奏できるコンソール、自動演奏機構、スイングベルの機構も持つ。
ほか、日本には、鐘の数は数個から数十個まで様々であるが、デザインに優れた自動演奏のカリヨンが数多くある。[[宇都宮市]]の[[ベルモール]]のカリヨンは、ツリー型で49鐘、[[コンピュータ]]での音量調整機能で室内設置に対応しており、自動演奏はもとよりキーボードで演奏もできる。
 
ほか、伝統的カリヨンではないが、日本にはデザインに優れた様々な非伝統的カリヨンが数多くある。[[宇都宮市]]の[[ベルモール]]のカリヨンは、ツリー型で49鐘、[[コンピュータ]]での音量調整機能で室内設置に対応しており、自動演奏はもとよりキーボードで演奏もできる。[[国立音楽大学]]の講堂前には電子式アクションで鍵盤を使って演奏できる47鐘のグロッケンシュピールがある<ref>{{Cite web|title=前川建築のホールとその響きを探る|url=https://www.saf.or.jp/saitama/pdf/library/library05_20190821.pdf|accessdate=2021-06-17 |archiveddate=2021-06-17|archivedurl=https://web.archive.org/web/20210617145059/https://www.saf.or.jp/saitama/pdf/library/library05_20190821.pdf}} p.15</ref>。
 
== 移動式カリヨン ==
[[File:Carillon small portable.jpg|thumb|right|250px|alt=多数の鐘を吊り下げ、カリヨンの鍵盤をつけた小さいサイズのフレーム|''Cast in Bronze'' の持つトラベリングカリヨンのうちの一台。2008年6月、コロラドで行われたルネサンス・フェスティバルにて]]
 
塔に鐘を納めるのではなく、小型のフレームに鐘と鍵盤を納め、移動できるようにした移動式カリヨン、あるいはトラベリングカリヨン(Traveling, mobile carillons) と呼ばれる形態のカリヨンは、塔に納めるものに比べて非常に軽く小さい{{sfn|Widmann|2014|p=12}}。移動式カリヨンは1933年から1938年の間にイギリスの{{仮リンク|ノーラ・ジョンストン|en|Nora Johnston}}が考案した。彼女は伝統的なバトン式鍵盤を{{仮リンク|チャイムバー|en|Chime bar}}のシステムに接続したものを、移動可能なフレームに固定して、ラジオのドキュメンタリー番組、オーケストラのコンサート、コマーシャル出演で演奏するためにそれに乗ってアメリカ合衆国を二回訪れた{{sfn|Rombouts|2014|pp=245–46}} 。のちに別の人の手によって、カリヨンの鐘を使ったものが作られた{{sfn|Widmann|2014|pp=15–19}}。
 
世界カリヨン連盟<ref name="WCF mobile carillon list">{{cite web |title=Traveling Carillons |website=World Carillon Federation |url=http://www.carillon.org/eng/fs_reizende.htm |access-date=2021-01-31 |url-status=live |archivedate=2020-12-07 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201207201543/http://www.carillon.org/eng/fs_reizende.htm}}</ref>とTowerBells<ref name="TowerBells Traveling Carillons">{{cite web |title=Traveling Carillons and Chimes Worldwide |website=TowerBells.org |url=http://www.towerbells.org/data/IXtraveling.html |access-date=2021-04-28 |url-status=live |archivedate=2020-07-13 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200713230842/http://www.towerbells.org/data/IXtraveling.html}}</ref>によると、世界に約20の移動式カリヨンがあり、そのうち17が伝統的カリヨンとされている。ほとんどの移動式カリヨンは西ヨーロッパとアメリカにあり、販促用の道具として鐘の鋳造社が保有している。
 
アメリカ合衆国にある二つの移動式カリヨンはいずれも「ベルの精神」を特徴として他の楽器と一緒に鐘を演奏する音楽グループ Cast in Bronze が所有している。Cast in Bronze は楽器の保存と宣伝を使命としており、アメリカ合衆国の大衆にカリヨンを広く紹介したことで知られている{{sfn|Rombouts|2014|p=316}}。
 
日本国内には、ハウステンボス開演時に運行していた電気自動車にカリヨンをのせたトラベリングカロヨン(50鐘)と、ベルギーから大阪市に寄贈されたトラベリングカリヨン(37鐘)がある。いずれも{{as of|2021|lc=y|post=.}}は演奏はされていない。
 
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== 関連項目 ==
* {{仮リンク|アントン・ブリーズカリヨン図書館|en|Anton Brees Carillon Library}}
* [[ベルギーとフランスの鐘楼群]]
* {{仮リンク|チェンジ・リンギング|en|Change ringing}}
* {{仮リンク|チャイム (鐘を用いた楽器)|en|Chime (bell instrument)}}
* {{仮リンク|電子的カリヨン|en|Electronic carillon}}
* Ring of bells
* {{仮リンク|鐘史学|en|Campanology}}
* {{仮リンク|ロシア正教のベルリンギング|en|Russian Orthodox bell ringing}}
-->
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist}}
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist|20em}}
 
== 関連項目参考文献 ==
{{refbegin|indent=yes}}
*[[グロッケンシュピール]]
=== 書籍 ===
*[[鍵盤付きグロッケンシュピール]]
* {{cite book |last=Gouwens |first=John |title=Campanology: A Study of Bells, with an Emphasis on the Carillon |year=2013 |publisher=North American Carillon School |isbn=978-1-4840-3766-9|ref=harv}}
*[[編鐘]]
* {{cite book |last=Gouwens |first=John |title=Playing the Carillon: An Introductory Method |year=2017 |edition=5 |publisher=Guild of Carillonneurs in North America |oclc=765849175|ref=harv}}
* {{cite book |author-last1=Keldermans |author-first1=Karel |author-last2=Keldermans |author-first2=Linda |title=Carillon: The Evolution of a Concert Instrument in North America |year=1996 |publisher=Springfield Park District{{Enlink|Springfield Park District|en}} |isbn=0-9652252-0-8 |ol=1024319M |url=https://openlibrary.org/books/OL1024319M/Carillon |accessdate=2021-02-07 |archivedate=2021-06-13 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210613192847/https://openlibrary.org/books/OL1024319M/Carillon |url-status=live |ref={{harvid|Keldermans|1996}}}}
* {{cite book |last=Lehr |first=André |title=Campanology Textbook: The Musical and Technical Aspect of Swinging Bells and Carillons |language=nl |translator-last=Schafer |translator-first=Kimberly |year=2005 |publisher=Guild of Carillonneurs in North America |oclc=154672090|ref=harv}}
* {{cite book |last=Price |first=Percival |title=Bells and Man |year=1983 |publisher=[[Oxford University Press]] |isbn=978-0-19-318103-8 |ref=harv}}
* {{cite book |last=Rice |first=William Gorham |author-link=:en:William Gorham Rice |title=Carillons of Belgium and Holland: Tower Music in the Low Countries |year=1914 |publisher=John Lane Company{{Enlink|John Lane Company|en}} |hdl=2027/uc2.ark:/13960/t5p84727t}}
* {{cite book |last=Rombouts |first=Luc |author-link= |title=Singing Bronze: A History of Carillon Music |year=2014 |publisher=Leuven University Press{{Enlink|Leuven University Press|en}} |translator=Communicationwise |isbn=978-90-5867-956-7 |url=https://books.google.com/books?id=jQ-RCAAAQBAJ&pg=PA111|accessdate=2021-02-01 |archivedate=2016-06-17 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160617175303/https://books.google.com/books?id=jQ-RCAAAQBAJ&pg=PA111 |url-status=live |ref=harv}}
* {{Cite book|1=和書 |last=レア |first=アンドレ |author2=海老沢 敏 |author3=新宮 晋 |author4=田村 紘三 |authorlink=|year=1994|date=1994-11-25 |title=世界カリヨン紀行 |publisher=新潮社|language=ja |isbn=4-10-602032-7 |asin=4106020327 |ref={{harvid|レア, et.al.|1994}} }}
* {{cite thesis |last=Swager |first=Brian |title=A History of the Carillon: Its Origins, Development, and Evolution as a Musical Instrument |year=1993 |type=DMus |publisher=[[インディアナ大学システム|インディアナ大学]] |oclc=53120808}}
 
=== 外部リンク学術誌 ===
* {{cite journal |last=Barnes |first=Ronald |author-link=:en:Ronald Barnes (carillonist) |title=Carillonist, not Carillonneur |journal=The Bulletin |volume=63 |issue=1 |date=1979-03-29 |publication-date=2014 |pages=41–42 |publisher=Guild of Carillonneurs in North America |url=https://www.gcna.org/bulletin |format=PDF |access-date=2021-04-05 |url-access=subscription |oclc=998832003 |ref={{harvid|Barnes|2014}} |archivedate=2021-02-10 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210210124235/https://www.gcna.org/bulletin |url-status=live }}
{{commonscat|Carillons}}
* {{cite magazine |last=Brink |first=Joey |title=Composing for Carillon |magazine=NewMusicBox{{Enlink|NewMusicBox|en}}] |date=2017-12-19 |url=https://nmbx.newmusicusa.org/composing-for-carillon/ |access-date=2021-04-13 |oclc=1120054332 |url-status=live |archivedate=2021-04-02 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210402155038/https://nmbx.newmusicusa.org/composing-for-carillon/}}
*[http://www.carillon.co.jp/ 株式会社 カリヨン・センター]
* {{cite journal |last=De Turk |first=William |title=Barber, Menotti, Rota: Carillon Composers in Residence |journal=The Bulletin |volume=48 |issue=1 |date=1999 |pages=53–65 |publisher=Guild of Carillonneurs in North America |url=https://www.gcna.org/bulletin |format=PDF |access-date=2021-04-05 |url-access=subscription |oclc=998832003 |archivedate=2021-02-10 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210210124235/https://www.gcna.org/bulletin |url-status=live |ref=harv}}
*[http://www.europebell.net/ ヨーロッパベル販売株式会社:カリヨンの設置会社]
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* {{cite magazine |last=Thorne |first=Stephen J. |title=The Seizing of Europe's Bells |magazine=Legion |date=2018-11-21 |url=https://legionmagazine.com/en/2018/11/the-seizing-of-europes-bells/ |access-date=2021-04-14 |oclc=1120054332 |url-status=live |archivedate=2021-01-26 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210126183404/https://legionmagazine.com/en/2018/11/the-seizing-of-europes-bells/ |ref=harv }}
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* {{cite journal |last=Widmann |first=John |title=World Carillon Federation: Mobile Carillons |journal=The Bulletin |volume=63 |issue=2 |date=2014 |pages=12–19 |publisher=Guild of Carillonneurs in North America |url=https://www.gcna.org/bulletin |format=PDF |access-date=2021-04-16 |url-access=subscription |oclc=998832003 |archivedate=2021-02-10 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210210124235/https://www.gcna.org/bulletin |url-status=live |ref=harv}}
 
=== インターネット上の情報源 ===
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* {{cite web |title=Organization |website=World Carillon Federation |url=http://www.carillon.org/eng/fs_orga.htm |access-date=2021-02-16 |url-status=live |archivedate=2020-12-07 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210309113533/http://www.carillon.org/eng/fs_orga.htm |ref={{sfnRef|"Organization." ''World Carillon Federation''}}}}
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== 外部リンク ==
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* [http://www.carillon.org/ 世界カリヨン連盟 (World Carllon Federation)] {{In lang|en}}
* [https://northamericancarillonschool.com/home 北アメリカカリヨン学校 (Noth American Carillon School)] {{In lang|en}}
* [https://www.youtube.com/watch?v=ouq1vuFRJSQ 世界カリヨン連盟によるカリヨン紹介の短い映像] {{In lang|en}}
* [http://towerbells.org/data/TR_type_ixs.html TowerBellによる世界のカリヨン一覧] {{In lang|en}}
* [http://www.essentialvermeer.com/music/carillon/carillon_a.html Adelheid Rech による古代からのカリヨンの歴史 essentialvermeer.com掲載] {{In lang|en}}
* [https://japan-carillon-association.jimdosite.com 日本カリヨン協会]
* [https://jpncarillon.com/ 日本カリヨン演奏家協会]
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