「明治大学和泉キャンパス」の版間の差分

明治大学では[[1923年]]（大正12年）の[[関東大震災]]で[[明治大学駿河台キャンパス|駿河台校舎]]が全焼したことから、狭隘な駿河台を離れて郊外に移転すべきだとの理事会からの提案を受け、[[箱根土地|箱根土地株式会社]]との間で[[北多摩郡]][[小平市|小平村]]に移転するとの契約を締結した。しかし、震災復興資金の集まりが悪かったのと、商議委員や校友、教員、学生からの異論が噴出したことにより、[[1925年]]（大正14年）9月30日の商議委員会で「本大学敷地案撤回の件」が承認され、箱根土地との契約は破棄された<ref name="kodaira" >{{harvnb|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=39-42頁}}</ref><ref>郷土こだいら編集委員会 [https://dl.ndl.go.jp/pid/2991391/1/106 『郷土こだいら』] 小平市教育委員会、1967年、181-184頁</ref>。

その後、駿河台では[[明治大学記念館|記念館]]などの再建が進んだものの、教室の狭小問題が根本的に解決されたわけではなかったため、[[1930年]]（昭和5年）1月28日の商議員会で[[大学予科|予科]]校舎の[[和田堀町]]和泉新田旧火薬庫跡地への移転を決定した<ref name="meiji50" >[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1452678/41 『明治大学五十年史』] 1931年、48-49頁</ref>。同地は[[江戸時代]]から武庫司所管の「[[火薬庫#日本における火薬庫|御焔硝蔵]]」があった場所で、維新後も陸軍省の「火薬庫敷地」として利用されていた<ref name="meiji100_4_129" >{{harvnb|『明治大学百年史』 第四巻 通史編Ⅱ、|p=129頁}}</ref>。なお、同地の買収の際に[[京王電鉄|京王電気軌道]]社長[[井上篤太郎]]（明大推薦校友で1934年から明大専務理事）<ref name="meiji100_4_129" />の尽力があったことが知られており、[[1935年]]（昭和10年）には予科校舎の最寄り駅として[[明大前駅]]が移転開業し<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=130頁</ref>}}、[[京王電鉄#帝都電鉄（小田原急行鉄道時代も含む）|帝都電鉄]]とともに[[連絡運輸|連帯運輸]]を開始した<ref>京王電気軌道株式会社 [https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1242947/87 『京王電気軌道株式会社三十年史』] 京王電気軌道、1941年、132頁</ref>。

買収後は和泉総合グランド（または予科グランド、和田堀グランド）<ref>[https://www.meiji.ac.jp/history/exhibition/pdf/izumi03.pdf 明治大学和泉小史展.pdf]</ref>として先行使用され、[[明治大学硬式野球部|野球部]]の合宿所も駒沢から移転した<ref>[http://meiji-bbc.net/introduction/chronology/1926/ 昭和時代 | 概要・年表 | 野球部紹介 | 明治大学野球部公式サイト]</ref>。[[1934年]]（昭和9年）3月24日に予科校舎が竣工し、翌月の新学期から予科の授業は始まった<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=130-131頁</ref>}}。その後、[[1939年]]（昭和14年）までに武道場、講堂、図書館も順次整備されていったが<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=131-134頁</ref>}}、戦時中には軍の徴用によって予科は再び駿河台校舎に移転することになり、[[1945年]]（昭和20年）4月26日と5月25日の空襲では駿河台よりも甚大な被害を受けるという苦難にも見舞われた<ref name="meiji100_4_362-363" >{{harvnb|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=362-363頁}}</ref>。

*[[1923年]]（大正12年） - [[関東大震災]]で[[明治大学駿河台キャンパス|駿河台校舎]]が壊滅<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第三巻 通史編I、Ⅰ|p=823-828頁</ref>}}。

*[[1934年]]（昭和{{0}}9年） - 予科校舎竣工。「予科移転祭兼体育デー」<ref name="pictorial record" >明治大学 {{harvnb|『図録明治大学百年』 1980年、|p=123-125頁}}</ref>を開催（今日の明大祭の源流）。

*[[1939年]]（昭和14年） - 予科講堂および図書館竣工<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=134頁</ref>}}。

*[[1944年]]（昭和19年） - 予科校舎が東京師団経理部に徴用され、予科は駿河台に移転<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=362頁</ref>}}。

*[[1945年]]（昭和20年） - 空襲により予科講堂など全焼<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=363頁</ref>}}。

*[[1956年]]（昭和31年） - 体育館（のちの第4校舎）竣工<ref name="meiji100_4_586" >{{harvnb|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=586頁}}</ref>。

*[[1965年]]（昭和40年） - 第3校舎竣工<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=585頁</ref>}}。

*[[1967年]]（昭和42年） - 第2学生会館竣工<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=938頁</ref>}}。

*[[1982年]]（昭和57年） - 厚生会館竣工<ref name="meiji100_4_947" >{{harvnb|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=947頁}}</ref>。

:[[1964年]]（昭和39年）に[[損害保険ジャパン|安田火災海上保険]]グラウンドを購入。なお戦時中に同グラウンドを軍事教練用に借用したこともあった<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第二巻 史料編II、Ⅱ|p=778－779頁</ref>}}。総合体育館の建設によって以前よりも狭くなった。

:[[1960年]]（昭和35年）竣工。地上3階（一部4階）建て。延床面積：6,646m²<ref name="meiji100_2_1128" >{{harvnb|『明治大学百年史』 第二巻 史料編II、Ⅱ|p=1128頁}}</ref>。[[堀口捨己]]設計。校舎の外壁を巨大な[[斜路|スロープ]]が取り囲んでいるのが特徴で、8つの大教室を設置。「[[DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築]]100選」に選定された（2003年）<ref>[https://www.meiji.ac.jp/140th/project/17/ さよなら和泉第二校舎 | 明治大学140周年記念サイト] 2022年12月25日閲覧。</ref>。

:*1階 - ボクシング室・レスリング室・重量挙室の他に事務室・器材室・講義室・教員室・研究室・更衣室<ref name="light" >[{{cite journal|和書|author=田近清 |year=1956 |url=https://wwwdoi.jstageorg/10.jst.go.jp/article2150/jieij1917/.40/9/40_9_358/_pdf/-char/ja.9_358 |title=明治大学和泉体育館の照明について] |journal=照明学会誌 |ISSN=00192341 |publisher=照明学会 |volume=40 |issue=9 |pages=358-359 |doi=10.2150/jieij1917.40.9_358}}</ref>

明大前駅-[[国道20号|甲州街道]]間の通学路（都市計画道路補助第154号線）はかつては道幅が狭く、通学時間帯になると大混雑が発生していたが<ref>明大画報製作委員会 『明大画報』 1990年、清水書院、156-159頁</ref>、[[2006年]]（平成18年）に拡幅工事が完了し、明大前商店街振興組合連合会によって「明大通り」と名付けられた<ref>[https://www.meiji.ac.jp/koho/meidaikouhou/20060501/0605_1_izumimeidaist.html 明治大学広報│ 第571号（2006年5月1日発行）]</ref>。

[[1930年]]（昭和5年）から[[1960年]]（昭和35年）まで存在した[[明治大学硬式野球部|明治大学野球部]]のグラウンド。[[1937年]]（昭和12年）春から[[1938年]]（昭和13年）秋までの六大学リーグ4連覇<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=228頁</ref>}}、「秋山・土井時代」<ref>{{sfn|『明治大学百年史』 第四巻 通史編II、Ⅱ|p=606頁</ref>}}と呼ばれる黄金期は和泉時代の出来事である。また、戦後まもなく[[神宮球場]]が占領軍に接収されていた時期には[[東京六大学野球]]の公式戦が和泉球場で行われたこともある<ref>『激動の昭和スポーツ史 6 大学野球』 [[ベースボール・マガジン社]]、1989年、70-73頁</ref>。

* {{cite book|和書|author=明治大学百年史編纂委員会 『|title=明治大学百年史』 |series=第二巻 史料編Ⅱ、[[学校法人 |publisher=明治大学]]、 |year=1988 |ref={{harvid|『百年史』第二巻 史料編Ⅱ}}}}

* {{cite book|和書|author=明治大学百年史編纂委員会 『|title=明治大学百年史』 |series=第三巻 通史編Ⅰ、[[学校法人 |publisher=明治大学]]、 |year=1992 |ref={{harvid|『百年史』第三巻 通史編Ⅰ}}}}

* {{cite book|和書|author=明治大学百年史編纂委員会 『|title=明治大学百年史』 |series=第四巻 通史編Ⅱ、学校法人 |publisher=明治大学、 |year=1994 |ref={{harvid|『百年史』第四巻 通史編Ⅱ}}}}

* {{cite book|和書|author=明治大学史資料センター 『|title=明治大学小史』 [[: 「個」を強くする大学130年 |publisher=学文社]]、[[ |year=2010年]]　ISBN |ISBN=9784762020414 |ref={{harvid|『明治大学小史』}}}}