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:友人Kの「治安の良い国は70点から90点のものがどこでも食える、しかし危険なところには20点か5万点のどちらかしかない」という言葉を受け、取材旅行や趣味の釣行で向かった先々で「5万点」の食体験を探し求める。
; 友人K
: ジュンタローの釣友。ジュンタロー以上に様々な外国を訪れており、彼の「治安の悪い場所の料理は美味いと思いませんか?」という発言が本作執筆のきっかけとなった<ref name="Alu20210723"/>
; ロブ
: アメリカ・[[シカゴ]]在住の釣り人。生粋のシカゴリアンで、「シカゴ・フィッシング・クラブ」の代表でもある。シカゴへの初旅行のために情報収集をしていたジュンタローと[[Facebook]]を通じて知り合い、彼の初めての外国人の友達となった。愛車は白い[[シボレー]]。
 
== 作風とテーマ ==
{{multiple image
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| direction =vertical
| header 作中で登場した料理の一例
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| image1 = Lomo al trapo.jpg
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| caption1 = {{仮リンク|ロモアールトラポ|label=ロモアールトラボ(拷問焼き)|es|Lomo al trapo}}(第1話)
 
| image2 =Italian Beef (13593589295).jpg
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| caption2 =[[イタリアンビーフ]](第2話)<ref name="anan20220424"/>
 
| image3=ElvisSandwich.jpg
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| caption3 =[[エルヴィスサンド]](第5話)<ref name="DailySincho20220321P2"/>
}}
本作は世界中の危険地帯で親しまれる美食を題材とした漫画である<ref name="Nlab">{{Cite web |title=“マフィアの拷問焼き”っておいしいの? 治安の悪い場所で激ウマ料理を味わう異色グルメ漫画『鍋に弾丸を受けながら』 |url=https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2201/08/news001.html |website=ねとらぼ|date=2022-01-08|access-date=2024-04-27 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20240427144612/https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2201/08/news001.html|archivedate=2024-04-27}}</ref>。
 
作中に出てくる料理については、青木が初めて知ったものもあれば、事前に調べていたものもある。たとえば、第1話に登場する {{仮リンク|ロモアールトラポ|label=ロモアールトラボ(拷問焼き)|es|Lomo al trapo}}はラテンアメリカやスペインではよく知られた調理法ではあるものの、青木は実際に見るまでは知らなかった<ref name="anan20220424">{{Cite web |title=マフィアの拷問焼き!? 美食の概念を一変させる、カオスな旅グルメのルポマンガ |url=https://ananweb.jp/news/412653/ |website=ananニュース|publisher= マガジンハウス |access-date=2024-04-28 |author=2022-04-24|author=三浦天紗子}}</ref>。一方、第2話に登場する[[イタリアンビーフ]]は青木が旅行前にYoutubeで調べ、シカゴに住む友人のロブに頼んで実現した<ref name="anan20220424"/>。
 
また、日本で味わうことができない理由が記されている食材や料理もある<ref name="ddnavi20230704">{{Cite web |url=https://ddnavi.com/review/1146793/a/ |title=出てくるのは全て実在の料理! 世界の危険地帯で食す、怪しくも魅惑的なグルメレポートコミック『鍋に弾丸を受けながら』 |access-date=2024-04-27 |date=2023/7/4 |website=ダ・ヴィンチ |author=月乃雫}}</ref>。たとえば、第3話で取り上げられた[[パイナップル]]の場合、そのジュースは「鮮烈な甘さの中に乳飲料のようなまろやかさがある」「キンモクセイのような香りがする」といった表現がされている一方、腐る一歩手前まで完熟させたため、日本に輸入できないとされている<ref name="ddnavi20230704"/>。
 
本作の主人公である原作者・青木が「'''長年の二次元コンテンツの過剰摂取により脳が壊れ、自分はおろか周囲すべての人間が美少女に見えてしまう'''」という設定から、原則として登場人物が美少女で描かれており、それがポップさを出しているという意見もある<ref name="DailySincho20220321P3">{{Cite web |title=メキシコで“マフィアの拷問焼き”を頂く…ルポ漫画「鍋に弾丸を受けながら」 原作者に聞く危険地帯グルメの魅力(全文)(3ページ目) |url=https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03210559/?all=1&page=3|website=デイリー新潮 |date=2022-03-21 |access-date=2024-04-28 |language=ja}}</ref>。
 
「危険地帯の美食」というテーマを扱った作品としては、テレビ番組『[[ハイパーハードボイルドグルメリポート]]』(テレビ東京)があるが、同作は人に重きが置かれているのに対し、本作では食に重きが置かれている<ref name="DailySincho20220321P2">{{Cite web |title=メキシコで“マフィアの拷問焼き”を頂く…ルポ漫画「鍋に弾丸を受けながら」 原作者に聞く危険地帯グルメの魅力(全文)(2ページ目) |url=https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03210559/?all=1&page=2|website=デイリー新潮 |date=2022-03-21 |access-date=2024-04-28 |language=ja}}</ref>。
 
== 制作背景 ==
本作のもとになった企画がうまれたのは、青木が担当編集者の編田あつむと出会う前の2019年ごろで、連載が決まったのは2021年1月である<ref name="Alu20210723">{{Cite web |title=『鍋に弾丸を受けながら』狂気の食リポマンガ誕生秘話。原作者×編集者インタビュー|url=https://alu.jp/series/%E9%8D%8B%E3%81%AB%E5%BC%BE%E4%B8%B8%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%89/article/PVD0f9VPq2cfVeqljJS5 |website=アル {{!}} マンガの新刊・無料情報メディア |access-date=2024-04-27 |date=2021-07-23|archiveurl=https://web.archive.org/web/20231217234911/https://alu.jp/series/%E9%8D%8B%E3%81%AB%E5%BC%BE%E4%B8%B8%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%89/article/PVD0f9VPq2cfVeqljJS5|archivedate=2023-12-17}}</ref>。
 
作画担当者である森山慎は青木とは10年来の知り合いで、2人とも[[アイドルマスターシリーズ]]のファンだったことから、自分たちの好きな要素をうまく取り入れた作品を作りたいと考えていた。当初は青木の趣味である釣りを題材とした漫画になる予定だった<ref name="Alu20210723"/>。青木は釣り漫画の代表的な作品である『[[釣りキチ三平]]』を男同士の仲の良さを主題としていると受け止めており、女の子同士の関係性でもできると考えていた<ref name="Alu20210723"/>。ところが、釣り道具は描きにくいうえ、釣りの楽しみは内向的であることから万人受けするとは言えず、連載には至らなかった<ref name="Alu20210723"/>。その矢先、青木は友人Kから「治安の悪い場所の料理は美味い」という話を聞き、本作を制作するきっかけとなった<ref name="Alu20210723"/>。加えて、主人公を青木自身にしたうえで、「脳が壊れているから、すべての人間が美少女に見える」という設定のノンフィクションを提言したところ、森山も興味を示した<ref name="Alu20210723"/><ref name="DailySincho20220321P1"/>。
 
このアイデアもなかなか編集会議で通らない中、青木は漫画編集を専門とする円伎堂株式会社の代表・編田あつむと出会う<ref name="Alu20210723"/>。編田が担当していた別作品『フードコートで、また明日。』で作者が自由にしていたことに加え、編田自身が[[バ美肉]]を実践していたことから、青木はTwitterのダイレクトメッセージで編田に接触した<ref name="Alu20210723"/>。また、編田も青木の別作品『[[℃りけい。]]』を気に入っており、この企画も面白そうだと思った<ref name="Alu20210723"/>。「[[コミックNewtype]]」編集部としては、コロナウイルスの流行による外出制限下において旅ものをやる利点や、リアリティのあるレポートとして仕上がっているところを前面に押すこととした。さらに、前述の『[[ハイパーハードボイルドグルメリポート]]』が当時放送されていたことから、このようなテーマが受け入れられる余地があるとして、連載が決まった<ref name="Alu20210723"/>。
 
編田はカオスさを大事にするという方針を立てており、たとえば前述の第1話の導入部はメキシカンマフィアによる処刑の手順が語られており、校正担当者から誤解を招くという指摘が寄せられた際はある程度の誤解を許容する判断を示した<ref name="Alu20210723"/>。
 
連載を始めたのが、コロナウイルスが流行していた時だったため、物語の大半はそれ以前の出来事である<ref name="Alu20210723"/>。
 
なお、青木はブラジルのファビュラをはじめとする危険地帯を取材しているが、現地の友人が同行していたことや、相手が武器を出してくることはなかったので怖い思いまではしていないと、デイリー新潮とのインタビューの中で話している<ref name="DailySincho20220321P1">{{Cite web |title=メキシコで“マフィアの拷問焼き”を頂く…ルポ漫画「鍋に弾丸を受けながら」 原作者に聞く危険地帯グルメの魅力(全文) |url=https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03210559/ |website=デイリー新潮 |date=2022-03-21 |access-date=2024-04-28 |language=ja}}</ref>。
 
== 単行本 ==
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:;声の出演
::*語り手:[[ありがとう (お笑いコンビ)|怪談家ぁみ]]
 
== 反響 ==
編田は第1話が面白いと感じていたものの、実際公開した時の読者の反応からやはり頭のおかしい漫画だと思い知らされたと語っているのに対し、あまり自信を持てなかった青木は想像以上に大きな反響をもらえてうれしかったと振り返っている<ref name="Alu20210723"/>。
 
また、読者の中には作中に出てきた料理を実際に作った者もいた<ref name="Alu20210723"/>。
 
=== 評価 ===
産経新聞の本間英士は、本作の漫画としての表現や旅の着眼点が斬新だとしている<ref>{{Cite web |title=【令和4年 私の3冊】漫画『ゴールデンカムイ』『ブルーロック』『鍋に弾丸を受けながら』 |url=https://www.sankei.com/article/20221225-ZNJOQZQTWFOB5CYOIKXECORCQM/ |website=産経新聞:産経ニュース |date=2022-12-25 |access-date=2024-04-28 |author=本間英士}}</ref>。
 
== 脚注 ==
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=== 出典 ===
{{Reflist}}
 
{{Manga-stub}}
 
== 外部リンク ==