特殊空挺連隊 (とくしゅくうていれんたい、英語: Special Air Service Regiment) はオーストラリア陸軍特殊作戦コマンド英語版指揮下の特殊部隊オーストラリアSASもしくはSASRとも呼称される。

現在、3個中隊および3個支援中隊によって編成されている。

モットーはイギリスのSASと同じく「Who Dares Wins (挑む者に勝利あり/危険を冒す者が勝利する/敢えて挑んだ者が勝つ)」。

概要 編集

1957年、オーストラリアの宗主国であるイギリスのSAS (特殊空挺部隊) に倣って設立された。オーストラリア軍には (第二次世界大戦時代の「Z部隊」を起源に持つ) 第1コマンドー連隊[1]が存在していたが、大人数での作戦を行うコマンドー連隊とは違い、小編成のチームで偵察と監視や特殊作戦を行うように構成されている。

SASRは通常、5 - 6人のオペレーターからなる小規模な分隊で活動し、敵地に潜入、敵の活動と能力に関する情報を提供する。作戦中はSASRはなるべく敵と直接対峙せずに施設などを破壊し、空爆を含む火力支援を指示する。また、国内の対テロ任務のためにシージャックハイジャック対策も行う。

主な任務 編集

  • 対テロ作戦
  • ゲリラ戦などの不正規戦闘
  • 特殊偵察
  • 襲撃などの直接行動
  • 奪還任務
  • 要人警護
  • 敵重要人物の捕獲
  • 諜報活動 (HUMINT-ヒューミント)

年表 編集

編成 編集

  • 第1中隊
  • 第3中隊
  • 第4中隊
  • 特技支援中隊
  • 作戦支援中隊
  • 第152通信中隊
  • 第2中隊 (2020年11月に解散)

また、国内のテロ事案に対する臨時部隊TAG-W (西部戦術強襲グループ) は、SASRの4個中隊のうち1中隊を一年ずつローテーションすることで編成されている (もう一つのTAG-E (東部戦術強襲グループ) は第2コマンドー連隊の各中隊および特殊部隊選抜に合格した海軍の掃海潜水員 (RAN-CDT) で編成)。

脚注 編集

  1. ^ 陸軍予備役傘下の部隊、のちにオーストラリア連隊第4大隊を起源に持つ第2コマンドー連隊が編成される。
  2. ^ “オーストラリア精鋭部隊員、アフガンで民間人39人殺害=軍報告書”. BBC. (2020年11月19日). https://www.bbc.com/japanese/54997952 

関連項目 編集

  • 第1コマンドー連隊第2コマンドー連隊 - オーストラリア陸軍の特殊部隊。SASRと同じく特殊作戦コマンドの指揮下にある。主な任務は襲撃などの直接行動。
  • 掃海潜水チーム - オーストラリア海軍の特殊作戦能力を保有した部隊。正式には特殊部隊として認識されていないが、海軍では特殊部隊として扱われている。主な任務は機雷除去や爆発物処理のほか、上陸作戦前の隠密偵察や、沿岸部の重要施設や船舶の襲撃、隠密略奪任務などを行う。