特殊部隊ジャッカル』(とくしゅぶたいジャッカル)は、1986年コナミが稼働した業務用縦スクロールアクションシューティングゲーム。北米:では『Top Gunner』(トップ・ガンナー)、欧州では『Jackal』(ジャッカル)のタイトルで稼働された。

特殊部隊ジャッカル
ジャンル アクションシューティング
対応機種 アーケード (AC)
開発元 コナミ開発1課
発売元 コナミ
プロデューサー 廣下宏治
プログラマー 辻本英之
美術 中村健吾
人数 1 - 2人(同時プレイ)
メディア 業務用基板
(624.50キロバイト
稼働時期 アメリカ合衆国 198606271986年6月27日
日本 198610151986年10月15日
デバイス 8方向レバー
2ボタン
CPU MC6809 (@ 2 MHz)×3
サウンド YM2151 (@ 3.580 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
縦モニター
240×224ピクセル
60.00Hz
パレット512色
その他 型式:GX631
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制作はコナミ開発1課で、プロデューサーは「ツインビー」の廣下宏治、プログラマーは後に「魂斗羅」を手掛ける辻本英之、キャラクターデザインは「グラディウス」の中村健吾が担当した。

欧州ではAmstrad CPCコモドール64ZX Spectrumに移植され、北米ではPC/AT互換機に移植された。日本国内ではディスクシステムiアプリに移植され、『ファイナルコマンド 赤い要塞』のタイトルで発売された。

ゲーム内容 編集

全5面エンドレス。プレイヤーはジープを操作し、捕虜が収容されている施設を破壊し捕虜をジープに乗せる。救出した捕虜を味方ヘリコプターで脱出させ、再び捕虜救出に向かう、これを繰り返していく。

自機の攻撃方法は手榴弾と機銃の2つがあり、手榴弾は光る捕虜を救出することにより弾速の速いミサイル、更に一定距離を飛ぶか敵に当ると攻撃判定のある爆風を出すミサイルへとパワーアップする。 敵兵士は通常攻撃の他、ジープで跳ね飛ばし倒すこともできるが、敵戦車などに接触するとミスとなる。 面ごとの区切りが無く、ボスは最終面にのみ存在。

ストーリー 編集

19XX年、とある平和な国の政府に不吉な情報がもたらされた。ある他国が独裁政治を企て、軍事関係者を人質として誘拐したと報告された。政府は人質救出と敵本部を壊滅させるために、過酷な訓練を積んだ4人の男たちで結成された特殊部隊を敵国へと送り込んだ。

移植版 編集

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 Jackal   1987年
Amstrad CPC
コモドール64
ZX Spectrum
コナミ コナミ フロッピーディスク - -
2 Jackal   1988年
PC/AT互換機 Banana Development コナミ フロッピーディスク - -
3   ファイナルコマンド 赤い要塞
  Jackal
  198805021988年5月2日
  1988091988年9月
  ディスクシステム
  NES
コナミ開発2課 コナミ   ディスクカード両面
  ロムカセット
  KDS-AKA
  NES-JK-USA
-
4 ファイナルコマンド 赤い要塞   2009年7月29日[1]
FOMA900i/703iシリーズ以降
iアプリ
コナミ KDE ダウンロード
(コナミネットDX)
- - 日本国外版のオリジナルステージを追加したリメイク版

ファミリーコンピュータ版 編集

アーケード版からの変更点

ファイナルコマンド 赤い要塞』のタイトルで、1988年ファミリーコンピュータ ディスクシステム用ゲームとして発売された。なお、NES版のタイトルは「JACKAL」となっている。業務用との相違点は以下の通り。

  • 縦画面から横画面への変更。
  • ジープに捕虜を何人でも乗せられる(業務用は8人まで)。
  • ステージ毎にボスが登場する。
  • 最終面にオリジナルボスが登場する。
  • 業務用で使用されなかったBGMが使われる。
  • ジープ2台で進行する通常の2人同時プレイに加え、ジープの運転と攻撃を別々に受け持つ2人プレイモードの追加。
北米・欧州版との違い

日本版以外の北米や欧州版である「JACKAL」は、日本版から仕様が追加されている。

  • 画面が左右にもスクロールする。
  • ステージ1及び6の前半が長い。
  • ステージ間デモ及び全体マップの紹介がある。
  • ステージ6の要塞の色が異なる他、「赤い旗」が立てられている。

スタッフ 編集

アーケード版
  • スタッフ:廣下宏治、おおさわまさと、岡崎博道、辻本英之、田坂真二、中村健吾、たばたまさみ、みずたにきよこ、うのようすけ、いだかみつひら
ファミリーコンピュータ版
  • プログラム:H.HORI、H.YANAGISAWA
  • キャラクター・デザイン:M.FUJIWARA、吉本陽一、丸尾純子
  • 音楽:坂元信也、藤尾敦
  • ビジュアル・デザイン:霜出健治、さとうなおき、やまもととも

評価 編集

評価
レビュー結果
媒体結果
Computer and Video Games4/10点 (CPC)[2]
4/10点 (ZX)[3]
ファミ通28/40点 (FC)[4]
Aktueller Software Markt5.8/12点 (CPC)[2]
5.8/12点 (C64)[5]
5.8/12点 (ZX)[3]
ACE450/1000点 (CPC)[2]
487/1000点 (ZX)[3]
ファミリーコンピュータMagazine17.00/25点 (FC)[6]
ユーゲー肯定的 (FC)[7]
ファミリーコンピュータ版
  • ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは、7・8・7・6の合計28点(満40点)となっている[4]。レビュアーの意見としては、最初はのようなゲームである印象があったが仲間の救助や空から攻撃したり要素が豊富で新鮮、アクションゲームの原点に戻ったような作品、難易度は難し過ぎず簡単過ぎずちょうどいい、ジープで敵を引き殺していくのが面白く快感であり危なくもあるとした[4]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.40 3.40 3.40 3.60 - 3.20 17.00
  • ゲーム誌『ユーゲー』では、「『赤い要塞』はディスクでも5本の指に入る大傑作である」、「主人公が兵士ではなく、ジープであるところが本作ならではの個性である」、「重厚かつ深刻なコナミサウンドをバックにザコ兵士を轢き殺すと気分爽快」と評している[7]

脚注 編集

  1. ^ 井上晃宏 (2009年7月29日). “名作レトロゲーム『ファイナルコマンド赤い要塞』がケータイアプリになって本日配信開始!”. iNSIDE. イード. 2019年3月20日閲覧。
  2. ^ a b c Jackal for Amstrad CPC (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月1日閲覧。
  3. ^ a b c Jackal for ZX Spectrum (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月1日閲覧。
  4. ^ a b c 「新作ゲームクロスレビュー」『ファミコン通信』第3巻第10号、アスキー、1988年5月20日、12頁。 
  5. ^ Jackal for Commodore 64 (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月1日閲覧。
  6. ^ a b 「5月24日号特別付録 ファミコンディスクカード ゲームボーイ スーパーファミコン オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第10号、徳間書店、1991年5月24日、67頁。 
  7. ^ a b RD「総力特集 フォーエバー DISK SYSTEM」『ユーゲー 2003 Vol.09』第7巻第18号、キルタイムコミュニケーション、2003年10月1日、20頁、雑誌17630-10。 

外部リンク 編集