生ける屍』(英語: Redemption, 「贖罪」の意)は、1930年製作・公開、フレッド・ニブロ監督によるアメリカ合衆国の長編劇映画である。

生ける屍
Redemption
監督 フレッド・ニブロ
脚本 ドロシー・ファーナム
戯曲 アーサー・ホプキンス
台詞 エドウィン・ジャスタス・メイヤー
原作 レフ・トルストイ
製作総指揮 アーサー・ホプキンス
アーヴィング・タルバーグ ノンクレジット
出演者 ジョン・ギルバート
ルネ・アドレー
撮影 パーシー・ヒルバーン
編集 マーガレット・ブース
製作会社 MGM
配給 アメリカ合衆国の旗 MGM
日本の旗 MGM日本支社
公開 アメリカ合衆国の旗 1930年5月2日
日本の旗 1930年
上映時間 75分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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略歴・概要 編集

1900年前後、ロシア帝国(現在のロシア)のレフ・トルストイが執筆し、死後発表された戯曲『生ける屍』を、1918年(大正7年)にアーサー・ホプキンスが同作の英語版をアメリカで初演した[1]。この舞台をもとに、ホプキンス自身がプロデュースして映画化したのが、本作である。本作の原題は、1918年の舞台の題名と同一である。

本作のスクリーンサイズは「1.20:1」とイレギュラーであるが、ウェスタン・エレクトリックトーキーシステムにより、フィルムの光学音声トラックの幅が現在よりも広いからである。

スタッフ 編集

キャスト 編集

ストーリー 編集

ロシアの士官であるフェージャ(ジョン・ギルバート)は、奔放な生活を送る放蕩者である。ジプシー(ロマ)と交わり、その自由な生活を自分のものとしようとする。

フェージャはある日、友人のヴィクター(コンラッド・ネーゲル)とともにいる婚約者のライザ(エリナー・ボードマン)と偶然に出会った。ライザとフェージャの間には道ならぬ恋が芽生えてしまった。ライザは母親が止めても聞く耳を持たず、フェージャを愛しながらヴィクターと結婚することこそが、道ならぬ行為だと主張した。フェージャはヴィクターに、婚約者を奪う非礼を詫び、ライザを幸せにすると誓う。

フェージャとライザは結婚するが、2年目には早くもフェージャの悪い癖が首をもたげる。ヴィクターとの約束を破る自分にフェージャは苦しみ、ライザとも口論になる。

フェージャは失踪し、ジプシーの世界に戻った。ジプシーの娘マーシャ(ルネ・アドレー)との享楽の世界に浸るフェージャに、ある夜、ヴィクターが会いにくる。ヴィクターが手にしていたのは、ライザからの手紙であった。ライザは手紙で帰ってきて欲しい旨を伝えるが、フェージャの回答は、マーシャとの抱擁する姿であった。

マーシャの母親は、娘がフェージャに誘惑されたと金銭目当てに訴えを起こす。ライザはそのための金を支払った。マーシャはライザの行為に愛の強さを感じて悲しんだ。フェージャはフェージャで、ライザもマーシャも苦しめる自分を憎み、自殺を試みる。マーシャは、自殺の偽装をフェージャに勧める。ヴィクターとライザは、フェージャの死を知り、結婚する。

数年の歳月が経つ。しかしフェージャは生きている屍として存在する。ヴィクターとライザは重婚罪で告発され、法廷に立たされる。フェージャは証人として召喚される。刑が宣告される瞬間、法廷の廊下で銃声が聞こえる。フェージャは今度こそは本当に死んだのだった。

関連事項 編集

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外部リンク 編集