男子200メートル競走世界記録の推移

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以下の表はIAAFにより承認された男子200メートル競走世界記録の推移(だんし200メートルきょうそうせかいきろくのすいい)である。現在の記録である19.19秒は2009年世界陸上競技選手権大会ウサイン・ボルトが打ち立てたものである。

男子200m競走の世界記録推移

IAAFは1976年まで直線コースと曲線コースで200メートルの記録を別々に保持していたが、前者は放棄された。IAAFは1951年に曲線コースでの200メートルの記録を最初に承認した。"y"は220ヤード(201.17 メートル)のタイムを示している。

2018年現在、IAAFはこの種目で24の世界記録を承認している[1]

1951年から1976年の記録 編集

タイム 風速 自動 選手 場所 日付
20.6y アンディ・スタンフィールド   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国フィラデルフィア 1951年5月26日[2]
20.6 アンディ・スタンフィールド   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国ロサンゼルス 1952年6月28日[2]
20.6 0.0 セイン・ベーカー   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国ベーカーズフィールド 1956年6月23日[2]
20.6 20.75 ボビー・モロー   アメリカ合衆国 オーストラリアメルボルン 1956年11月27日[2]
20.6 マンフレート・ゲルマー   西ドイツ ドイツヴッパータール 1958年10月1日[2]
20.6y −1.6 Ray Norton   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国バークレー 1960年3月19日[2]
20.6 Ray Norton   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国フィラデルフィア 1960年4月30日[2]
20.5y ピーター・ラドフォード   イギリス イギリスウルヴァーハンプトン 1960年5月28日[2]
20.5 0.0 20.75 ストーン・ジョンソン   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国スタンフォード 1960年7月2日[2]
20.5 0.0 Ray Norton   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国スタンフォード 1960年7月2日[2]
20.5 20.65 リビオ・ベルッティ   イタリア イタリアローマ 1960年9月3日[2]
20.5 20.62 リビオ・ベルッティ   イタリア イタリアローマ 1960年9月3日[2]
20.5y −1.1 20.67 ポール・ドレイトン   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国Walnut 1962年6月23日[2]
20.3y −0.1 ヘンリー・カー   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国テンペ 1963年3月23日[2]
20.2y 0.5 ヘンリー・カー   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国テンペ 1964年4月4日[2]
20.0y 0.0 トミー・スミス   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国サクラメント 1966年6月11日[3][2]
19.8A 0.9 19.83A トミー・スミス   アメリカ合衆国 メキシコメキシコシティ 1968年10月16日[2]
19.8A 0.9 19.86A ドン・クォーリー   ジャマイカ コロンビアサンティアゴ・デ・カリ 1971年8月3日[2]
19.8+ 1.3 ドン・クォーリー   ジャマイカ アメリカ合衆国オレゴン州、ユージーン 1975年6月7日[2]

(+)は200mより長いレースにおけるルートタイムを示す

「タイム」列は承認された記録を示す。「風速」列はメートル/秒単位の追い風を示し、2.0 m/sが現在の許される最大値である。負の値は向かい風を示す。「自動」列は完全に自動化したタイムで、公式記録に手動の記録が使われた場合も種目に記録された。また、その時その場所のルールに従い1/10または1/100に丸められた。

John CarlosはEcho Summitで行われた1968年のアメリカオリンピックトライアルで19.7A秒(自動19.92A)(風速1.9m/s)を記録した。しかし、公式の履物として認可を受けていない「ブラシ」スパイク付きの靴を履いていたため、この記録は世界記録として承認されなかった。

ヘンリー・カーの1964年東京オリンピック(10月17日)の勝利タイムは手動タイムは20.3秒であった。電子タイムは20.36秒で、当時最速の自動タイムであった。トミー・スミスは1967年、Provoで220ヤードを20.26秒で走った。200メートルに合わせるために0.12秒を引き算することで、200メートルを20.14秒で走ったと推定される[4]:45

1977年以降の記録 編集

1975年の始め、IAAFは400メートルまでの競技について、別の自動電子計時記録を認めた。1977年1月1日から、IAAFはこれらの競技で100分の1秒単位の完全自動計時を要求した[2]

トミー・スミスの1968年のオリンピックの金メダルは、そのときまでに記録された最速の完全電子200メートルスプリントであった。

タイム 風速 自動 選手 場所 日付
19.83 A 0.9 トミー・スミス   アメリカ合衆国 メキシコメキシコシティ 1968年10月16日[2]
19.72 A 1.8 ピエトロ・メンネア   イタリア メキシコメキシコシティ 1979年9月12日[2]
19.66 1.7 マイケル・ジョンソン   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国アトランタ 1996年6月23日[2]
19.32 0.4 19.313 マイケル・ジョンソン   アメリカ合衆国 アメリカ合衆国アトランタ 1996年8月1日[2]
19.30 −0.9 19.296 ウサイン・ボルト   ジャマイカ 中華人民共和国北京 2008年8月20日[2]
19.19 −0.3 19.190 ウサイン・ボルト   ジャマイカ ドイツベルリン 2009年8月20日[1][5][6]

低高地での自動タイムの記録(1964年にカーが記録した20.36以降)は、1971年ヘルシンキでワレリー・ボルゾフが記録した20.30、1972年ミュンヘンでラリー・ブラックが記録した20.28、20.00(ボルゾフ、1972年ミュンヘン)、19.96(メンネア、1980年)、19.75(カール・ルイス、1983年)、19.75(ジョー・デローチ、1988年)、19.73(マイク・マーシュ、1992年)、19.66(マイケル・ジョンソン、1996年)である[4]:46–47

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ a b IAAF World Championships: IAAF Statistics Handbook. Daegu 2011.” (PDF). Monte Carlo: IAAF Media & Public Relations Department. pp. Pages 595, 596 (2011年). 2012年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 12th IAAF World Championships In Athletics: IAAF Statistics Handbook. Berlin 2009.” (pdf). Monte Carlo: IAAF Media & Public Relations Department. pp. Pages 546, 547 (2009年). 2011年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月2日閲覧。
  3. ^ original source has the correct year--1966, not 1968
  4. ^ a b IAAF World Records Progression” (pdf). International Association of Athletics Federations. 2019年3月11日閲覧。
  5. ^ Clarey, Christopher (2009年8月20日). “Bolt Needs Little Urging to Crush His 200 World Record”. New York Times. https://www.nytimes.com/2009/08/21/sports/21track.html 
  6. ^ “World records set at Berlin World Championships have been ratified”. IAAF. (2009年9月20日). http://www.iaaf.org/news/kind=101/newsid=54523.html 2010年5月2日閲覧。