稲田の後光(いなだのごこう)は、太陽を背にして露のある草原や水面などを見るとき、見る人など影の周囲に見られる光輪大気光学現象の一つ。ドイツ語における呼称から「ハイリゲンシャイン (Heiligenschein)」(「光背」の意)ともいう。微小水滴による太陽光線の回折現象。船から水面に影を映したときにも、同様の御光が見られる。「山の御光」、「海の御光」、「稲田の御光」、「露の後光」などとも呼ばれる。

稲田の御光がバルーンの周りに見える

説明 編集

ほぼ、球状の露が太陽の光を集めることによる。この光の一部分がバックスキャッターとして働き、光を集め、光の暈を作る。稲田の御光を観察するとその中に色は付いていない。稲に限らず、芝草でもかたばみの葉でも、とにかく露のたくさんある草原に頭の影を映せば、多少の違いがあるが大概この現象を見ることができる[1]

参考文献 編集

脚注 編集

  1. ^ 藤原咲平 『大気中の光象 』(こうしょう)日本現代気象学名著選集 第4巻 2010年 大空社 ISBN 978-4-283-00812-0 p.24「稲田の後光」