籠の中の乙女』(かごのなかのおとめ、ギリシア語: Κυνόδοντας英語: Dogtooth)は、2009年ギリシャのドラマ映画。監督はヨルゴス・ランティモス

籠の中の乙女
Κυνόδοντας
監督 ヨルゴス・ランティモス
脚本 ヨルゴス・ランティモス
エフティミス・フィリップ
製作 ヨルゴス・ツルヤニス
製作総指揮 イラクリス・マヴロイディス
撮影 ティミオス・バカタキス
編集 ヨルゴス・モヴロプサリディス
製作会社 Boo Productions
Greek Film Center
Horsefly Productions
配給 ギリシャの旗 Feelgood Entertainment
日本の旗 彩プロ
公開 フランスの旗 2009年5月18日CIFF
ギリシャの旗 2009年11月11日
日本の旗 2012年8月18日
上映時間 96分
製作国 ギリシャの旗 ギリシャ
言語 ギリシャ語
興行収入 $384,147[1]
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第62回カンヌ国際映画祭で上映され、ある視点賞を受賞したほか、第83回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。

ストーリー 編集

ギリシャのとある裕福な家庭の父母は、3人の子供たちを家から一歩も外出させず、社会から隔絶させて育てていた。子供たちに名前すら付けず、外の世界は恐ろしいと洗脳し、更に外の世界に関わる言葉については嘘の意味を教えるなど徹底した管理の中、父親は母親を含めた家族全員に対して絶対的な地位に君臨していた。やがて長男が思春期に突入すると父親は性欲処理用に女を雇うことにする。その女として選ばれたクリスティナは長男との関係に飽き足らず、長女にまで手を出す。一方、性に目覚めた3人の子供たちは無邪気に性的な関係を結ぶようになる。

クリスティナに性的な関係を求められている長女は、その代償としてクリスティナが持っていたビデオを手に入れると、録画された内容から外の世界に興味を抱くようになる。ビデオの存在を知った父親は長女を激しく折檻し、更にクリスティナの家で、彼女をビデオデッキで叩きのめすと、呪いの言葉とともにクビにする。

両親の結婚記念日を祝った夜、長女はかねてより両親から言われていた「犬歯が生え変わったら外の世界に出られる」との言葉を信じ、嬉々として自ら犬歯を折ると、父親の車のトランクに隠れる。長女の姿が消えたことで慌てた家族だったが、諦めた父親は翌朝、長女がトランクに入ったままの車で仕事に出かける。父親の職場の駐車場に止められた車のトランクが大写しにされ続け、何も変化を見せないまま物語は終了する。

キャスト 編集

  • 父 - クリストス・ステルギオグル
  • 母 - ミシェル・ヴァレイ
  • 長女 - アンゲリキ・パプーリァ
  • 次女 - マリー・ツォニ
  • 長男 - クリストス・パサリス
  • クリスティナ - アナ・カレジドゥ

受賞とノミネート 編集

部門 候補 結果
アカデミー賞[2] 外国語映画賞 『籠の中の乙女』 ノミネート
英国インディペンデント映画賞 外国映画賞 『籠の中の乙女』 ノミネート
オンライン映画批評家協会賞 外国語映画賞 『籠の中の乙女』 ノミネート
カンヌ国際映画祭 ある視点 『籠の中の乙女』 受賞

参考文献 編集

  1. ^ Dogtooth” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年10月25日閲覧。
  2. ^ Nominees for the 83rd Academy Awards”. 映画芸術科学アカデミー. 2012年10月25日閲覧。

外部リンク 編集