胡屋中継局(ごやちゅうけいきょく)は沖縄県沖縄市仲宗根町の沖縄市役所屋上にあるテレビの中継局および同市のコミュニティ放送であるFMコザの送信所である。ここでは、胡屋局の前身である嘉間良テレビ中継局についても記す。また、胡屋局は通称コザとよばれる市街地周辺を放送エリアとしているが、地形の問題から近くに設置されている高原テレビ中継局についてもあわせて記す。

沖縄市役所。屋上左側に胡屋中継局の鉄塔がある

概要 編集

もともと1970年代末に嘉間良テレビ中継局が現中継局の近くに開局。沖縄市街地周辺をエリアとしていたが、この付近は地形的に高低差があり親局の送信所がある豊見城市からも直接受信しにくく、かつ0.1Wと弱いため、より放送エリアを広範囲にする必要があったことに加え、米軍放送であるAFNのテレビ放送(US8ch、周波数帯で日本式の場合は5chと6chの間に相当しており一般家庭では6chにあわすところが多い)が40kWと膨大な電波を近くの米軍基地から送信しておりその電波障害が少なからずあったのだと思われ、1992年に沖縄市役所の現庁舎完成と同時に嘉間良中継局を移転する形で現在の胡屋中継局が完成した。出力は10Wと嘉間良中継局時代の100倍に増力した。これにより嘉間良中継局は廃止となった。

その後1995年琉球朝日放送開局と同時に同局の中継局が開局、1997年には沖縄県で最初のコミュニティFM局である沖縄市コミュニティFM放送(FMチャンプラ)が開局し、送信所を当中継局内に併設した。FMチャンプラは2004年に現在のFMコザに改称された。

胡屋テレビ中継局 編集

デジタルテレビ放送 編集

リモコン
キーID
放送局名 チャンネル
番号
空中線
電力
ERP 放送対象地域 放送区域
内世帯数
運用開始日
1 NHK
沖縄総合
36 1W 1.7W 沖縄県 64,690世帯 2009年
12月1日
2 NHK
沖縄教育
25 全国
3 RBC
琉球放送
30 1.65W 沖縄県
5 QAB
琉球朝日放送
33
8 OTV
沖縄テレビ放送
31
  • 所在地: 沖縄市仲宗根町(沖縄市役所屋上)
  • 放送区域: 沖縄市全域及びうるま市、北谷町、中城村、北中城村の各一部[1]
  • 2009年10月8日に予備免許が交付され[2]、11月中に試験電波を発射、11月30日に本免許が交付され[1]12月1日に本放送を開始した。

アナログテレビ放送 編集

チャンネル
番号
放送局名 空中線
電力
ERP 放送対象地域 放送区域
内世帯数
運用開始日
18 QAB
琉球朝日放送
映像10W/
音声2.5W
映像20W/
音声5W
沖縄県 55,750世帯 1995年
10月1日[注 1]
20 OTV
沖縄テレビ放送
1992年
10月1日[4][5]
22 RBC
琉球放送
24 NHK
沖縄総合
映像22W/
音声5.5W
26 NHK
沖縄教育
全国
  • 所在地: デジタルテレビ放送に同じ
  • 2011年7月24日をもってすべて廃止された。

FMコザ放送所 編集

周波数 放送局名 呼出符号 空中線
電力
ERP 放送対象地域 放送区域
内世帯数
運用開始日
76.1MHz FMコザ JOZZ0AS-FM 10W 8.4W 沖縄市 - 2004年
4月1日
  • 所在地: 沖縄市仲宗根町(沖縄市役所屋上)
  • 2004年3月31日に本免許が交付され[6]、4月1日に本放送を開始した。

嘉間良テレビ中継局 編集

アナログテレビ放送 編集

チャンネル
番号
放送局名 空中線
電力
ERP 放送対象地域 放送区域
内世帯数
運用開始日
46 NHK
沖縄総合
映像100mW/
音声25mW
- 沖縄県 - 1978年
11月28日[7][8]
48 OTV
沖縄テレビ放送
50 RBC
琉球放送
1978年
11月27日[9]
52 NHK
沖縄教育
全国 1978年
11月28日[7]

高原テレビ中継局 編集

1980年代初めに沖縄市照屋5丁目の県立コザ高校敷地内(弓道場横)に設置(ただし、QABは1999年に設置)。

デジタルテレビ放送 編集

リモコン
キーID
放送局名 チャンネル
番号
空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域
内世帯数
運用開始日
1 NHK
沖縄総合
36 10mW 74mW 沖縄県 580世帯 2010年
7月24日
2 NHK
沖縄教育
25 76mW 全国
3 RBC
琉球放送
30 沖縄県
5 QAB
琉球朝日放送
33 74mW
8 OTV
沖縄テレビ放送
31 76mW
  • 所在地: 沖縄市照屋(コザ高校の弓道場橫)
  • 放送区域: 沖縄市の一部(桃原・照屋・大里の各地区の一部)
  • 2010年6月23日予備免許が交付され[10]、7月上旬に試験電波を発射、7月23日に本免許が交付され[11]、7月24日に本放送を開始した。

アナログテレビ放送 編集

チャンネル
番号
放送局名 空中線
電力
ERP 放送対象地域 放送区域
内世帯数
運用開始日
43 QAB
琉球朝日放送
映像100mW/
音声25mW
映像890mW/
音声220mW
沖縄県 約350世帯 1999年
3月23日[12]
47 NHK
沖縄総合
1981年
12月25日[13]
49 OTV
沖縄テレビ放送
1981年
12月23日[14]
51 RBC
琉球放送
1981年
12月24日[15]
53 NHK
沖縄教育
全国 1981年
12月25日[13]
  • 所在地: デジタルテレビ放送に同じ
  • 2011年7月24日をもってすべて廃止された。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 琉球朝日放送の本放送開始日。試験放送としては1995年8月18日から運用開始[3]

出典 編集

  1. ^ a b 地上デジタルテレビジョン放送局に免許-胡屋、宜野湾、具志川の中継局(2009年11月30日報道資料、総務省沖縄総合通信事務所)
  2. ^ 地上デジタルテレビジョン放送局に予備免許-胡屋、宜野湾、具志川の中継局(2009年10月8日報道資料、総務省沖縄総合通信事務所)
  3. ^ 琉球朝日放送10年史編纂委員会『琉球朝日放送10年史』琉球朝日放送、2008年、31頁。 
  4. ^ NHK沖縄放送局史編集事務局『NHK沖縄放送局史 ~NHK・OHK70年のあゆみ~』NHK沖縄放送局、2012年、263頁。 
  5. ^ 琉球放送株式会社50年史編纂委員会『琉球放送50年史』琉球放送、2005年、年表1992年頁。 
  6. ^ (株)FMコザに超短波放送局の免許を付与(2004年3月31日報道資料、総務省沖縄総合通信事務所)
  7. ^ a b 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'79』日本放送出版協会、1979年、365頁。 
  8. ^ 日本民間放送連盟『日本放送年鑑 昭和55年度』洋文社、1980年、513頁。 
  9. ^ 日本民間放送連盟『日本放送年鑑 昭和55年度』洋文社、1980年、512頁。 
  10. ^ 地上デジタルテレビジョン放送局に予備免許-高原、北中城、辺土名の中継局(2010年6月23日報道資料、総務省沖縄総合通信事務所)
  11. ^ 地上デジタルテレビジョン放送局に免許-高原、北中城の中継局(2010年7月23日報道資料、総務省沖縄総合通信事務所)
  12. ^ 琉球朝日放送10年史編纂委員会『琉球朝日放送10年史』琉球朝日放送、2008年、32頁。 
  13. ^ a b 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'82』日本放送出版協会、1982年、399頁。 
  14. ^ 沖縄テレビ放送総合企画室『沖縄テレビ30年史』沖縄テレビ放送、1989年、161頁。 
  15. ^ 琉球放送株式会社50年史編纂委員会『琉球放送50年史』琉球放送、2005年、年表1981年頁。 

関連項目 編集