胡蝶定理(こちょうていり、: butterfly theorem)は、ユークリッド幾何学における古典的な結果である。この定理は次のように述べられる。[1]:p. 78

胡蝶定理 ― PQ の中点を M とし、M を通る二つの弦 AB, CD をひき、AD, BCPQ と交わる点をそれぞれ X, Y とする。このとき MXY の中点である。

証明 編集

 

形式的な証明を以下に述べる。

XX', XX'' をそれぞれ X から AM, DM に下ろした垂線とし、同様に YY', YY'' をそれぞれ Y から BM, CM に下ろした垂線とする。

∠MX'X = ∠MY'Y = 90° かつ ∠X'MX = ∠Y'MY (対頂角)であるから △MXX'△MYY'相似。従って次式が成り立つ。

 

同様に △MXX''△MYY'' も相似であるので、次式が成り立つ。

 

∠AX'X = ∠CY''Y = 90° かつ ∠XAX' = ∠YCY''円周角の定理) であるから △AXX'△CYY'' は相似。従って次式が成り立つ。

 

同様に △DXX''△BYY' も相似であるので、次式が成り立つ。

 

以上の式より

 
 
  (∵方べきの定理
 
 

となり、ゆえに

 

であるから、MX = MY 即ち MXY の中点であることが従う。

このほか射影幾何学を用いた証明も存在する。[2]

脚注 編集

  1. ^ Johnson, Roger A., Advanced Euclidean Geometry, Dover Publ., 2007 (orig. 1929).
  2. ^ [1], problem 8.

外部リンク 編集

  • Weisstein, Eric W. "Butterfly Theorem". mathworld.wolfram.com (英語).