英国王給仕人に乾杯!』(えいこくおうきゅうじにんにかんぱい、原題:Obsluhoval jsem anglického krále, 英題:I Served the King of England)は、2006年制作のチェコ映画。監督はイジー・メンツェル

英国王給仕人に乾杯!
Obsluhoval jsem anglického krále
監督 イジー・メンツェル
脚本 ボフミル・フラバル
イジー・メンツェル
製作 ルドルフ・ビールマン
出演者 イヴァン・バルネフ
オルドジフ・カイゼル
ユリア・イェンチ
音楽 アレシュ・ブジェジナ
撮影 ヤロミール・ショフル
編集 イジー・ブロジェク
公開 チェコの旗 2006年12月19日
日本の旗 2008年12月20日
上映時間 120分
製作国  チェコ
スロバキアの旗 スロバキア
言語 チェコ語
ドイツ語
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概要 編集

ボフミル・フラバルの小説『わたしは英国王に給仕した英語版』を映画化したもの。原作は1971年作だが、本国では1989年に公刊されるまでは、地下出版で読まれていた。メンツェル監督によるフラバル作品の映画化は、本作で6度目(オムニバス映画に提供したものも含む)となる。

日本公開時の字幕は松岡葉子が担当。

ストーリー 編集

1963年に刑務所から出所した小男、ヤン・ジーチェは、ズデーテン地方の廃村に移り、かつてビアガーデンだった廃屋に住む。そこでヤンは、「教授」と称する男と、マルツェラという少女に出会う。そして、若き日を回想するヤン。

1930年代のある日、駅でソーセージを売るヤンは、ある紳士に払うべきお釣りを渡しそびれる。そして、田舎町のホテルの見習い給仕として働いた頃、あの時お釣りを渡しそびれた相手である、百万長者のヴァルデンから、百万長者になるための人生哲学を学ぶ。その後、「チホタ荘」「ホテル・パリ」といった高級ホテルの給仕を歴任。「ホテル・パリ」の給仕長スクシーヴァネクは、本人曰く「私は英国王に給仕した」とのことで、ヤンはスクシーヴァネクを尊敬していた。やがて、ヤンは「ホテル・パリ」の主任給仕に昇格。ある日、エチオピア皇帝が「ホテル・パリ」で正餐会を行い、ヤンはかいがいしく仕事をする。皇帝は、スクシーヴァネクに勲章を授けようとするが、ちょっとした理由から、ヤンに勲章が与えられることとなった。

1938年にドイツがズデーテン地方を併合すると、チェコ人の間ではドイツ人に対する反感が強まる。ヤンはある日、チェコの若者達に絡まれていた、リーザという背の低い女性を助ける。彼女はズデーテン出身のドイツ人だった。スクシーヴァネクを始め、ホテル・パリの人々は断固としてドイツ人を拒絶するが、ヤンはホテルを辞めてリーザと結婚。2人はナチス・ドイツ管轄の研究所で働く。そこはかつて「チホタ荘」だった建物であった。リーザは、「新たな欧州の新たな人間」を産み出すべく、ヤンとセックスをするが、リーザはヤンと向き合わず、ヒトラーの肖像画ばかり見つめていた。

結局、リーザは妊娠せず、兵士として出征。彼女を見送りに行ったヤンは、ユダヤ人を移送する貨物列車を見る。その中には、ヤンにとって懐かしい人物もおり、ヤンはショックを受ける。そしてリーザは、ユダヤ人達から奪い取った切手を隠し持って、ヤンの元に帰る。しかし、研究所は爆撃され、リーザは死んでしまう。戦後、ヤンは切手を売った金でホテルのオーナーとなる。夢が叶ったかに見えたが、1948年、人民委員会によってヤンの財産は没収され、15年の刑期を言い渡された。

教授もマルツェラも去った後、年老いたヤンは切手の入った鞄を開け、切手を空に飛ばしてしまう。そしてヴァルデンと再会し、若き日に渡さなかったソーセージのお釣りを返して、2人でビールを飲んだ。

キャスト 編集

受賞歴 編集

外部リンク 編集