蒲原沢(がまはらざわ)は、長野県北安曇郡小谷村新潟県糸魚川市との境界となっている姫川支流にあたり[1]、その合流部には蒲原温泉が位置していた[2]

1976年(昭和51年)に撮影された国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。ステレオグラム(交差法)。蒲原沢。画像中央より右上方向へ下る。右上は旧国道148号と姫川本流。

歴史 編集

 
蒲原沢にかかる国界橋(旧道)

蒲原沢の地形は急勾配で知られている[1]。沢には国界橋(こっかいばし)という名の橋が架かる。国道148号旧道(千国街道)にかかる国界橋は、1936年(昭和11年)12月に完成した橋長48メートルのスパンドレルアーチ橋である[3]。しかし、交通量の増加や車両の大型化に対応するため、下流側に新国界橋(方杖ラーメン橋)が架橋され、1994年(平成6年)11月に供用を開始した[3]。ところが新橋は翌1995年(平成7年)7月11日の長野県北部の豪雨に伴う土石流で流失し、旧橋も上流側下弦材の破断などの被害を受けた[3]7.11水害)。

1996年(平成8年)12月6日には前日からの大雨で土石流が発生し、国界橋上流の堰堤工事や7.11水害の復旧工事に従事していた150人以上の作業員が巻き込まれ、14人が亡くなった(蒲原沢土石流災害[1]

1998年(平成10年)に三代目となる国界橋が竣工し、土石流対策として橋の下に空間を確保する下路アーチが採用された[4]

脚注 編集

  1. ^ a b c 糸魚川市地域防災計画 総則編”. 糸魚川市. 2023年12月6日閲覧。
  2. ^ 水山高久監修、財団法人砂防フロンティア整備推進機構 森俊勇、坂口哲夫、井上公夫編著『日本の天然ダムと対応策』古今書院https://www.sff.or.jp/content/uploads/full.pdf 
  3. ^ a b c 上路アーチ橋の損傷補修と安全照査(国界橋)”. 日本橋梁建設協会. 2023年12月6日閲覧。
  4. ^ 今尾恵介. “【第33回】崩壊地を貫く小谷村の大糸線、復活した国界橋”. 信濃毎日新聞. 2023年12月6日閲覧。

関連項目 編集