蓬餅(よもぎもち)はヨモギを混ぜた餅菓子。団子(ねり餅)にヨモギを混ぜたものは「草だんご」とも呼ばれる。

蓬餅

概要 編集

蓬餅はヨモギの若葉を加えた緑色の餅菓子である[1]。蓬餅の形態には甘味を加えないものと餡を包んだものがある[1]

蓬餅の製法も二つに大きく分けられる。

  • 蒸したもち米に茹でたヨモギの若葉を加えて、普通の餅と同様につき、切り餅やあん餅にしたもの[1]。この方法で菱餅が作られることもある[1]
  • 上新粉などをこねて蒸し、茹でて刻んだヨモギの若葉を加えて、普通の餅と同様についたもの[1]。内側に餡を包んだり、外側に餡をまぶしたりする[1]

ヨモギの若芽には特有の爽やかな香りがあり、それが珍重され春先の和菓子を代表するものの一つとなっている(ヨモギは餅草とも呼ばれる)。また、若芽を摘んでからゆでて乾燥させたものも出回っており、季節外れにはこれが使われる。

「ヨモギモチイ」の名称は、『日本歳時記』(17世紀末)、『本草食鑑』(17世紀末)、『年中定例記』(18世紀中頃)に見られる。草餅は、当初、ハハコグサが用いられていたが、ヨモギに邪気を払う力があり、食すと寿命が延びるという中国思想から3月3日の節供に用いられるようになった[2]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f アサマNEWSパートナーNo.199 (38)餅菓子の文化と微生物”. アサマ化成. 2022年11月30日閲覧。
  2. ^ 『世界大百科事典 31 ユシ - リョ』 平凡社 1973年版(初版1972年) p.204.

関連項目 編集