蓮台寺柿(れんだいじがき)とは、三重県伊勢市の特産物で、不完全甘品種の1つ。伊勢市の指定天然記念物である[1]

蓮台寺柿
店頭に並ぶ蓮台寺柿
カキノキ属 Diospyros
カキノキ D. kaki
品種群 PVNA (不完全甘柿) 群
品種 Diospyros kaki 'Rendaiji'
開発 三重県伊勢市
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特徴 編集

ごつごつとした多角形で、きめの細かい柔らかな果肉と、まろやかで、とろけるような高い糖度が特徴。直径は約10cmと大きい[1]

生産 編集

現在では、発祥の地である伊勢市で9月から11月にかけて収穫され[1]、生産農家が炭酸ガスを使い、一昼夜かけて渋抜きしをし、伊勢市藤里町のJA伊勢蓮台寺柿共同選果場[1]に運び入れる。

生産する畑は、伊勢市の勢田町、藤里町、前山町[1]、宇治浦田町に多く、その他市街地にも点在している。JA伊勢蓮台寺柿部会に所属する農家は2015年(平成27年)現在54戸である[1]

生産量が少ないために主に三重県内で販売され消費されている[1]。2015年(平成27年)の生産量は平年並みで、出荷見込み量は200tである[1]

生産者や三重県庁などが蓮台寺柿産地振興連絡会を結成しており、毎年収穫体験を開いている[2]

ひなたやけ 編集

生産農家の婦人部が開発した干し柿「ひなたやけ」は、皮を剥き八つ切りにして乾燥させたもので、伊勢神宮内宮前のおかげ横丁などで販売されている。

由来 編集

栽培の歴史は古く約350年前に、神宮祭主の大中臣永瀬が、現在の伊勢市勢田町に建立した、鼓獄山蓮台寺(れんだいじ)にちなんで、この地で育つ柿を「蓮台寺柿」と呼ぶようになった。蓮台寺は明治2年(1869年)に廃寺となって現存しないが、伊勢神宮外宮から内宮へ行く御木本道路の中間にあった。

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h 川原田喜子「特産の蓮台寺柿食べて JA伊勢部会 市長にPR」中日新聞2015年9月25日付朝刊、18ページ
  2. ^ 足達優人「蓮台寺柿 どれが食べ頃? 伊勢 佐八小児童が収穫体験」中日新聞2019年10月29日付朝刊、伊勢志摩版14ページ

外部リンク 編集