虫部きぶは、漢字部首により分類したグループの一つ。 康熙字典214部首では142番目に置かれる(6画の25番目、申集の3番目)。

康熙字典 214 部首
虍部 虫部 血部
1 丿 2
3
广
4
5
6
7
8
9
10 11 鹿
12 13 14 15
16 17

概要 編集

 

「虫」字は「」の本字として毒蛇を意味し、その形を象ったものである。

なお「虫」の字音はキ(ク)であり、日本の常用漢字および中国の簡化字の「虫」は「蟲」(音はチウ、昆虫の意)字の略字である。

偏旁の意符としては蛇など爬虫類のみならず、這って進む動物全般、即ち昆虫類節足動物腔腸動物環形動物軟体動物両生類…などに関わることを示す。また、想像上の動物ではの眷属に「虫」が使われる。偏や脚の位置に置かれ、左右構造や上下構造を作る。

あまり多くないが異体字も数例存在し、上下や左右の構造が異なる同字(蟇と蟆、蟹と蠏など)、部分を変えた異体字(蠹と蠧など)、一部分を省略した字(蝨と虱、蠎と蟒など)、表外字の拡張新字体(蠅と蝿、蠣と蛎)などが存在する。

虫部はこのような意符を構成要素に持つ漢字を収録する。

部首の通称 編集

  • 日本:むし・むしへん
  • 中国:虫字旁・虫字底
  • 韓国:벌레훼부(beolle hwe bu、ムシの虫部)・벌레충부(beolle chung bu、ムシの蟲部)
  • 英米:Radical insect

部首字 編集

例字 編集

画数 例字
0
3
4
5
6
7 10)
8
9 2)・3)・
10 5)・)・
11
12 9)・0)・
13 9)
14 5)
15 8)
17
18 4)・
19 6)

編集

日本において虫偏の異体字は慣用的に使われているものが多く、表外漢字においても康熙字典体ではなく、慣用の字体を印刷標準字体としていることがある。ここでは康熙字典体に従って慣用字は括弧に入れている。

最大画数 編集

𧖤𧖥𧖦