螺鈿漆花文箱(らでんうるしかもんばこ、: 나전 칠 꽃 무늬 함: Box with floral decoration)は、18世紀朝鮮王朝時代に作られた螺鈿漆器工芸品である。アメリカ合衆国ニューヨークメトロポリタン美術館に収蔵されている。

ニューヨークメトロポリタン美術館に収蔵されている螺鈿漆花文箱

解説 編集

螺鈿は漆器や木器に貝殻コブタニシの貝殻を象嵌する装飾技法で、金属などの表面の装飾にも用いられる。中国では、代にはすでに螺鈿細工が広く普及しており、五代十国時代に非常に高い水準に達し、の時代に最盛期を迎えた[1][2]。螺鈿漆花文箱は18世紀朝鮮王朝時代に朝鮮半島で作られた。箱状の螺鈿漆器の外観には、真珠母を素朴なの形で装飾し、その花の茎には金属の糸を撚り合わせたものを用いている。表面には鼈甲のような円盤状のものがいくつか嵌め込まれており、漆器の内部には赤い緞子が張られている。大きさや形の面では、螺鈿漆花文箱に似ている螺鈿漆器は多い。しかし、他の同種の作品とは異なり、本漆器は黒く塗られており、金粉が付着している[3]。2015年にフローレンスとハーバート・アーヴィングによってメトロポリタン美術館に寄贈され、これまでに8回の外部展示が行われている[3]

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出典 編集

  1. ^ 故宫藏螺钿家具谈:精雕细嵌灿然悦目”. 新浪 (2012年7月9日). 2017年11月25日閲覧。
  2. ^ 螺钿漆器”. 中华五千年. 2017年11月25日閲覧。
  3. ^ a b Box with floral decoration” (英語). メトロポリタン美術館. 2017年11月25日閲覧。

関連項目 編集