補償余剰(ほしょうよじょう、compensating surplus)とは、ある財の価格が変わった時に効用も変化するが、その変化した効用から元の効用にまで補うのに必要な金額である。支払意思額(willingness to pay)とも言われる。

支払意志額 編集

支払意志額英語版: willingness to pay; WTP)はある財に対して最大限支払っても良いと思う金額である[1][2]。WTPはミクロ経済学における留保価格英語版: reservation price)に相当する。ある財を特定の量消費することに対するWTPは総支払意志額(Total WTP)という[3]。WTPは金額で表現される。

WTPは消費者当人が財に対して感じる有難さの金銭的表現であるため[4]、ある財から得られる便益を表現する指標として用いられる[5]。便益とコストの差、すなわちWTPから価格を引いた値を消費者余剰という。

脚注 編集

  1. ^ "支払意志額(willingness to pay: WTP) ‡ ある財に対して最大限支払っても良いと思う金額。" 寺脇. 環境経済論/環境経済学Ⅱ.
  2. ^ "価値を増大させるために費用を支払う必要がある場合に個人や世帯が支払ってもよいと考える金額(支払意志額(Willingness to Pay:WTP))" 国土交通省. 海岸BC指針.
  3. ^ "総支払意志額(total willingness to pay) ‡ ある財を特定の量消費することに対する 消費することに対するWTP。" 寺脇. 環境経済論/環境経済学Ⅱ.
  4. ^ "WTP とは ... 「自身に とっての金銭価値」すなわち購入することを決める最大の額である。" 河村. 「法と経済学」分野における「望ましい契約」の考え方. 消費者庁.
  5. ^ "支払意志額 … これが … その財を手に入れることによって得られる便益(benefits,金銭評価された効用の増分)を表す。" 寺脇. 環境経済論/環境経済学Ⅱ.

関連項目 編集