記憶の人フネス」(きおくのひとフネス)は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス伝奇集』に収められた短篇小説1944年刊行。

イレネオ・フネスは若い時分から時計を見なくても時間が正確に判るという才能がある。彼は落馬による事故で体に障害をもって寝たきりの生活になる。この物語はボルヘス(?)とフネスがかつて交わした会話を、思い出す形式でつづられる。荒俣宏は「パラノイア創造史」(ちくま文庫、1991年文庫初版)において「忘れることのできない人間の苦しみを描いた悪夢のような物語」「フネスが『痴呆』のように見えた真の理由はその完璧すぎる記憶力にあった」と評している。

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