詩城の旅びと

松本清張の小説

詩城の旅びと』(しじょうのたびびと)は、松本清張長編小説。『月刊ウィークス』に連載され(1988年1月号 - 1989年10月号)、1989年9月に日本放送出版協会から刊行された。南仏プロヴァンス地方を舞台に、画壇の策謀に端を発する愛と復讐の交錯を描く、サスペンス・ロマン。

詩城の旅びと
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
発表形態 雑誌連載
初出情報
初出 『月刊ウィークス』 1988年1月号 - 1989年10月号
出版元 日本放送出版協会
刊本情報
刊行 『詩城の旅びと』
出版元 日本放送出版協会
出版年月日 1989年9月20日
装幀 勝井三雄、石橋昌子
挿絵 松森務
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1989年にテレビドラマ化されている。

レ・ボー=ド=プロヴァンス周辺

あらすじ 編集

OLの投書から、「プロヴァンス国際駅伝」の企画が動き出した。和栄新聞社の木村信夫は南フランスへ飛び、世界の陸上競技の利権を支配するバローナ会長との交渉によって、企画を有利に進めようとする。

しかし企画の裏には、投書主・多島通子の隠された意図がひそんでいた。視察・交渉で木村の行く先、朝霧のカマルグでは葦を折る幻想的な人影に遭遇し、エクス=アン=プロヴァンスの丘にそびえる領主の館「星の館」は、すでに黒い怨念が渦巻く場所となっていた…。

主な登場人物 編集

 
小説のモチーフの一つ、カミーユ・クローデル
  • 原作における設定を記述。
木村信夫
和栄新聞社企画部長。「プロヴァンス国際駅伝」企画の責任者となる。
多島通子
プロヴァンスでの駅伝プランを和栄新聞に投書したOL。兄・明造は不遇の画家であった。28歳。
ピエール・トリオレ
エクス=アン=プロヴァンスの大地主。猟や天体観測を趣味とし、占星術に凝る。パラノイア気質。
マダム・タカコ
トリオレ伯夫人。日本女性。伯家の経済を実質的に支え、地域の評判も高い。
小宮栄二
多島明造の友人だったが、画壇のボスの力を利用して明造を追放した。その後行方不明となる。
柏原尚志
和栄新聞社運動部次長。視察・交渉の際に木村と同行する。
ホセ・マルティーヌ・バローナ
世界陸上運動連合本部の会長で、全面的な決定権を握る独裁者。スペイン人。62歳。

関連項目 編集

テレビドラマ 編集

詩城の旅びと
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『詩城の旅びと』
企画 岡本由紀子
脚本 寺内小春
演出 吉村芳之
出演者 緒形拳
中川安奈
富司純子
根津甚八ほか多数
オープニング 「詩城の旅びと」(プロヴァンス組曲)
製作
制作 NHK
放送
放送国・地域  日本
放送期間1989年10月9日 - 11月6日
放送時間月曜22:00 - 22:50
放送枠ドラマ10
放送分50分
回数5
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1989年10月9日から11月6日まで、NHKの「ドラマ10」枠(22:00-22:50)にて全5回の連続ドラマとして放映。53日間にわたるフランス・ロケを実施した作品。原作と異なるラストを設定している。

キャスト 編集

※以下、カッコ内は出演話数

スタッフ 編集

サブタイトル 編集

各話 放送日 サブタイトル
第1話 1989年10月9日 投書の女
第2話 1989年10月16日 謎の過去
第3話 1989年10月23日 追跡
第4話 1989年10月30日 告白
最終話 1989年11月6日 愛の運命(さだめ)
NHK ドラマ10
前番組 番組名 次番組
鳥の歌
(1989.8.28 - 9.18)
詩城の旅びと
(1989.10.9 - 11.6)
海照らし
(1980.11.13 - 12.4)