識無辺処(しきむへんしょ、: Vijñāna-anantya-āyatana: Viññāṇañcāyatana)とは、九次第定のひとつで、無色界の(下から数えて)第2天[1]認識作用の無辺性についての禅定の境地[1](Vijñāna; ヴィニャーナ)に果てがない(anattā; 無辺)状態へ入り込んだ(āyatana; )との意味[1]

無色界の初天である空無辺処を越えて、その空の無辺なるを厭(いと)い、心を転じてを縁じ、識と相応し心定りて動かず、三世(過去・現在・未来)の識が悉く、定中に現じて清浄寂静なる果報をいう。外の虚空の相を厭い、内なる識を観じて、識が無辺であると達観すること。

脚注 編集

  1. ^ a b c アルボムッレ・スマナサーラ; 藤本晃『ブッダの実践心理学 アビダンマ講義シリーズ 第2巻 心の分析』サンガ、2006年、Chapt.3。ISBN 978-4901679169 

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