賢者のプロペラ

2000年に発売した平沢進のアルバム

賢者のプロペラ(けんじゃのプロペラ)は、日本ミュージシャン平沢進の8枚目のアルバム。2000年10月6日に発売された。平沢が当時訪れたミャンマーでの体験がモチーフになっており、錬金術ループをコンセプトのベースとしている[1][2]

賢者のプロペラ
平沢進スタジオ・アルバム
リリース
ジャンル シンフォニック・ロック
プログレッシブ・ロック
時間
レーベル 日本の旗ケイオスユニオン/TESLAKITE
平沢進 アルバム 年表
ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章 Original Game Soundtrack
(1999年)
賢者のプロペラ
(2000年)
SOLAR RAY
(2001年)
平沢進関連のアルバム 年表
音楽産業廃棄物〜P-MODEL OR DIE
(1999年)
賢者のプロペラ
(2000年)
BLUE LIMBO
2003年
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解説 編集

  • 1996年に個人レーベルの「TESLAKITE(テスラカイト)」を立ち上げた平沢は、それまで日本コロムビアとの契約下でCDをリリースしていたが、日本コロムビアを離れた後に自身の個人事務所「ケイオスユニオン」内へ「TESLAKITE」レーベルを移転。本作は移籍後初の発売作品となった。
  • 錬金術をコンセプトとするアルバムで、ミャンマーやタイの音源を使用している。平沢作品におけるインターミッション的な位置づけのアルバムの一つであり、それまでに培われたエスニック要素は総括されることとなる。
  • 遅れて11月1日には、平沢のソロ作品で初となるMP3形式での配信を開始(ビットレートは128kbps)。CD版に収録のものとは演奏アレンジやボーカルのメロディラインが異なっている。なお、これ以降同様の形態でスタジオ・アルバムの配信はされていない。
  • 2002年公開の映画『千年女優』では、本作収録曲のバージョン違いが数曲使用されている。

収録曲 編集

  1. 賢者のプロペラ - Philosopher's Propeller-1
    プロモーション・ビデオ大和久勝が製作している。
    翌年発売の「SOLAR RAY」に「賢者のプロペラ-3」としてリメイクされ、現在では「-3」が頻繁に演奏されている。
  2. ルベド(赤化) - Rubedo (Reddening)
    千年女優オリジナルサウンドトラックに収録された「Run」の原曲である。
  3. ニグレド(黒化) - Nigredo (Blackening)
    千年女優オリジナルサウンドトラックに収録された「鍵の君」の原曲であり、アレンジされたものはロタティオンのフレーズが多くなっている。
  4. アルベド(白化) - Albedo (Whitening)
  5. 円積法 - Quadratur des Zirkels
    千年女優オリジナルサウンドトラックに収録された「希求の門」「Actress in time layers」の原曲である。
  6. 課題が見出される庭園 - The Garden Where the Solutions are Found
  7. 達人の山 - An Expert Mountain
    千年女優オリジナルサウンドトラックに収録された「縦列風」の原曲である。
  8. 作業(愚者の薔薇園) - Opus (The Fool's Rose Garden)
  9. ロタティオン(LOTUS-2) - Rotation (LOTUS-2)
    今敏監督の劇場版アニメーション「千年女優」エンディングテーマ。
    副題の「LOTUS-2」の通り、Sim City収録曲「Lotus」の続編として制作された。
    千年女優オリジナルサウンドトラックに収録されたショートバージョンのプロモーション・ビデオ大和久勝が製作している。
    MP3ではベースとドラムが変更されており、ドラムは「作業(愚者の薔薇園)」や「達人の山」、また「救済の技法」の「TOWN0-PHASE5」や「SIREN」の「サイレン *Siren*」(スローテンポだが)に酷似している。
  10. 賢者のプロペラ-2 - Philosopher's Propeller-2

脚注 編集

  1. ^ 奇才・平沢が提唱する“真”のインタラクティヴ【パート1】”. BARKS. 2022年4月10日閲覧。
  2. ^ 「千年女優 DVD・Blu-ray」より

外部リンク 編集