迷ディーラー!?ピンチの後にチャンスなし

迷ディーラー!?ピンチの後にチャンスなし』(原題:The Goods: Live Hard, Sell Hard)は2009年に公開されたアメリカ合衆国コメディ映画である。監督はニール・ブレナン、主演はジェレミー・ピヴェンが務めた。本作は日本国内で劇場公開されなかったが、WOWOWで放送されたことがある[4]

迷ディーラー!?ピンチの後にチャンスなし
The Goods: Live Hard, Sell Hard
監督 ニール・ブレナン
脚本 アンディ・ストック
リック・ステンプソン
製作 ウィル・フェレル
クリス・ヘンチー
アダム・マッケイ
ケヴィン・J・メシック
製作総指揮 ルイーズ・ロズナー
出演者 ジェレミー・ピヴェン
ヴィング・レイムス
ジェームズ・ブローリン
デヴィッド・ケックナー
音楽 ライル・ワークマン
撮影 ダリル・オカダ
編集 マイケル・ジャブロウ
ケヴィン・テント
製作会社 パラマウント・ヴァンテージ
ゲイリー・サンチェス・プロダクションズ
ケヴィン・メシック・プロダクションズ
配給 アメリカ合衆国の旗パラマウント・ヴァンテージ
公開 アメリカ合衆国の旗2009年8月14日
上映時間 90分[1]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 1000万ドル[2]
興行収入 世界の旗$15,297,318[3]
テンプレートを表示

ストーリー 編集

カリフォルニア州テメキュラ。ベン・セレックは同地で中古車販売業を営んでいたが、211台もの在庫を抱えたまま倒産の危機に瀕していた。そこで、ベンはドン・レディが率いる敏腕セールスマン集団(バブス、ジビー、ブレント)を雇うことにした。ドンたちに与えられた時間は独立記念日の週末3日間だけだった。

1日目。町の人々は祭りを見るために外出していた。戸別訪問による営業が困難な状態だったが、ドンたちはあらゆる手法を駆使して71台の車を販売した。その過程で、ドンはブレイクという天性のセールスマンと出会った。ドンはかつてテメキュラに住んでいたことがあり、ある女性と関係を持っていた。そのため、ドンは「ブレイクは自分の息子ではないか」と思うようになった。その頃、ベンのライバル、ハーディング親子(スチュとパクストン)はベンの店の乗っ取りを画策していた。パクストンはベンの娘、アイヴィーと婚約していたが、義父が自分のビジネスに口を挟むような事態を望んでいなかったのである。また、パクストンは世界進出の野望を抱いており、その活動拠点としてベンの店を欲していた。在庫一掃の見通しが立っていなかったため、ベンはやむなくスチュに店を売却しようとしたが、ドンは「在庫は全て売ってやるから心配するな」と言って引き止めた。

2日目。ドンたちは「ベンが精巣がんで末期の状態にある」という虚報を流したが、思ったほどの同情を得られなかった。ほどなくして、ベンの下に歌手がステージをドタキャンしたとの情報が入ってきた。ベンはその歌手の代わりにステージに立ったが、あまりにも音痴だったため、怒った来場者が暴徒と化してしまった。その騒乱を聞きつけ、メディアが続々と会場にやって来た。ドンはそれを好機とみなし、カメラに向かって中古車の宣伝を行った。

その後、ドンはアルバカーキでの苦い体験をアイヴィーに語ることになった。ドンはスカイダイビングに挑戦する親友、マクダーモットにパラシュートを渡したつもりが、誤って大人のオモチャ入りのカバンを渡してしまい、結果的に彼を死なせてしまったのである。それ以来、ドンは自動車を売るよりも顧客とセックスをすることに喜びを見出すようになった。一通り語り終えた後、ドンは「またいつものことが起きた。どうも俺は君に一目惚れしたようだ」とアイヴィーに言った。その日の夜、2人はモーテルでベッドを共にした。

翌朝、アイヴィーは「貴方との関係は一夜限りのもので、パクストンと別れるつもりはない」とドンに言った。それを聞いたドンは憤激し、「俺が信じられるのは車しかないんだ」と叫びながら部屋を飛び出していった。バブスたちはドンを探したが、どうしても見つけられなかった。しかし、彼らは途方に暮れるのではなく、「ドンがいなくても、ちゃんとやれることを証明しようじゃないか。残り105台を全部売り切ってやる」と却って奮起した。その頃、失意のドンは砂漠を彷徨っていたが、そこで思わぬ人物と再会することになった。

キャスト 編集

クレジットなしでの出演 編集

製作 編集

2007年8月16日、ジェレミー・ピヴェンが映画『Don Ready』の主役に起用されたと報じられた[5]。26日、本作のタイトルが『Don Ready』から『The Goods: The Don Ready Story』に変更され、ニール・ブレナンが監督に起用されたとの報道があった[6]。10月、ヴィング・レイムスとデヴィッド・ケックナーの出演が決まった[7]。11月、キャスリン・ハーンとトニー・ヘイルがキャスト入りした[8][9]

マーケティング・興行収入 編集

2009年5月28日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された。その際、本作のタイトルは『The Goods: The Don Ready Story』から『The Goods: Live Hard, Sell Hard』に変更された[10]

本作は『Bandslam』、『第9地区』、『G.I.ジョー』、『崖の上のポニョ』、『きみがぼくを見つけた日』と同じ週に封切られ、公開初週末に全米1838館で564万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場6位となった[11]

評価 編集

本作に対する批評家の評価は芳しいものではない。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには102件のレビューがあり、批評家支持率は27%、平均点は10点満点で4.15点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「才能ある俳優たちと優れたスタッフを結集させたにも拘わらず、『迷ディーラー!?ピンチの後にチャンスなし』は失敗作になってしまった。同作の製作に関与した全ての人間にとって、時間の浪費にしかならなかった。」となっている[12]。また、Metacriticには23件のレビューがあり、加重平均値は39/100となっている[13]

2009年8月18日、日系アメリカ人の団体が製作サイドに謝罪を求める声明を発表した。彼らは本作でジャップという差別用語や真珠湾攻撃を引き合いに出したアジア系店員への恫喝がネタとして消費されていることを問題視したのである[14]

出典 編集

  1. ^ 迷ディーラー!?ピンチの後にチャンスなし”. allcinema. 2020年4月13日閲覧。
  2. ^ The Goods: Live Hard, Sell Hard”. Box Office Mojo. 2020年4月13日閲覧。
  3. ^ The Goods: Live Hard, Sell Hard (2009)”. The Numbers. 2020年4月13日閲覧。
  4. ^ 迷ディーラー!?ピンチの後にチャンスなし”. WOWOW. 2020年4月13日閲覧。
  5. ^ Jeremy Piven Stars in Will Ferrell's Don Ready!”. MovieWeb (2007年8月16日). 2020年4月13日閲覧。
  6. ^ The Goods: The Don Ready Story Coming from Paramount Vantage”. MovieWeb (2007年8月26日). 2020年4月13日閲覧。
  7. ^ David Koechner Joins The Goods: The Don Ready Story”. MovieWeb (2007年10月7日). 2020年4月13日閲覧。
  8. ^ Kathryn Hahn Joins The Goods: The Don Ready Story.”. MovieWeb (2007年11月15日). 2020年4月13日閲覧。
  9. ^ Tony Hale Gets The Goods!”. MovieWeb (2007年11月28日). 2020年4月13日閲覧。
  10. ^ The Goods: Live Hard, Sell Hard Official Website and Trailer”. MovieWeb (2009年5月28日). 2020年4月13日閲覧。
  11. ^ Domestic 2009 Weekend 33 August 14-16, 2009”. Box Office Mojo. 2020年4月13日閲覧。
  12. ^ The Goods: Live Hard, Sell Hard”. Rotten Tomatoes. 2020年4月13日閲覧。
  13. ^ The Goods: Live Hard, Sell Hard (2009)”. Metacritic. 2020年4月13日閲覧。
  14. ^ Japanese-American group outraged by film”. Japantoday (2009年8月18日). 2020年4月13日閲覧。

外部リンク 編集