追跡 (1962年の映画)

1962年に公開されたブレイク・エドワーズ製作のスリラー映画

追跡』(原題: Experiment in Terror)は、1962年に公開された、ブレイク・エドワーズ監督のサスペンススリラー映画である。夫婦作家であるミルドレッド・ゴードン英語版ゴードン・ゴードン英語版が、1961年の自身の小説 Operation Terror を原作とした脚本を書き、コロンビア ピクチャーズによって製作・配給された。グレン・フォードリー・レミックステファニー・パワーズロス・マーティンらが出演している[1]

追跡
Experiment in Terror
監督 ブレイク・エドワーズ
脚本 ミルドレッド・ゴードン英語版
ゴードン・ゴードン英語版
製作 ブレイク・エドワーズ
出演者 グレン・フォード
リー・レミック
ステファニー・パワーズ
ロス・マーティン
音楽 ヘンリー・マンシーニ
撮影 フィリップ・H・ラスロップ
編集 パトリック・マコーマック
配給 コロンビア ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 1962年4月13日
日本の旗 1962年6月9日
上映時間 123分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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登場する「謎の殺人犯」が、観客に誰かわからないよう、犯人役のロス・マーティンのクレジットはオープニングになく、エンディングで一人だけクレジットされている。また、映画のポスターや、事前の宣伝にも、マーティンの名前は一切、表記されていなかった。

ストーリー 編集

妹と二人でサンフランシスコのツインピークスに住む、銀行出納係のケリー・シャーウッドは、突然、現れた、異常な殺人犯(その顔は、観客にもケリーにも見えない)に脅され、銀行から10万ドルを奪うよう命令された。犯人は、警察に連絡すると、ケリーと高校生の妹トビーとを殺すと脅迫する。ケリーはFBIになんとか連絡し、捜査官のジョン・リプリーらが事件を担当することになった。

また、リプリーは、FBIを訪ねてきた女性ナンシー・アシュトン(仕事はマネキンの製造、もしくは修理)から、相談をうける。ナンシーは、自分の女友達が、交際相手から犯罪に協力するよう強要されていると言った。しかし、それはナンシー自身の境遇だった。ナンシーがリプリーに詳細を話す前に、彼女は殺される。

一方、ケリーには、姿の見えない犯人から、喘息状態の不気味な声で、脅迫の電話がかかり続ける。

FBIは、レッド・リンチという男が、レイプ、偽造、犯罪暴行、武装強盗、および殺人の記録を持っていることに気づいて、犯人と特定した。

FBIは、リンチの交際相手であるリサ・スンに接触する。リサの6歳の息子は、股関節を人工のものに交換したばかりだったが、リンチは病院の費用をすべて払っていた。そのため、リサはリンチが犯罪者だと認めず、調査に協力しない。リプリーたちは、リサの息子から、リンチが虎のぬいぐるみを買ったことを聞き出す。

リンチは最終的に、ケリーに金を盗む日時を指示する。彼女が間違いなく実行するよう、妹のトビーを誘拐し、アジトにしている毛皮倉庫に監禁する。

クライマックスは、サンフランシスコ・ジャイアンツロサンゼルス・ドジャースとのナイトゲームの後の、キャンドルスティック・パークでの追跡劇となる。試合の場面にはドン・ドライスデールなど、実在の選手たちが登場する。

リプリーたちは、スタジアムのマウンド上までリンチを追い詰め、リプリーはリンチを撃ち、彼はマウンド上で死ぬ。

キャスト 編集

役名 俳優 日本語吹替
NET
ジョン・"リップ"・リプレイ グレン・フォード 納谷悟郎
ケリー・シャーウッド リー・レミック 増山江威子
トビイ・シャーウッド ステファニー・パワーズ 渋沢詩子
ガーランド・ハンフリー・"レッド"・リンチ ロス・マーティン 富田耕生
ブラッド ロイ・プール 高城淳一
ポップコーン ネッド・グラス英語版 千葉耕市
リサ・ソン アニータ・ルー
ナンシー・アシュトン パトリシア・ヒューストン英語版 平井道子
特別捜査官 ギルバート・グリーン
モレノ大佐 クリフトン・ジェームズ 塩見竜介
ケリーを連れ去った男 アル・アバロン
チャック ウィリアム・ブライアント英語版
FBI捜査官1 ディック・クロケット英語版
地主 ジェームス・ランファー英語版 村越伊知郎
ジョーイ・スン ワーレン・シェイ
酔っ払い シドニー・ミラー
ユン弁護士 クラランス・ラング英語版
ウェルク フレデリック・ダウンズ
エドナ シェリー・オニール
ペニー マリ・リン
デイブ ハーベイ・エバンス
レイモンド・バークハート ウィリアム・シャロン
ドン・ドライスデール
不明
その他
N/A 寺島幹夫
原田一夫
緑川稔
村松康雄
細井重之
石井敏郎
槐柳二
日本語スタッフ
演出
翻訳
効果
調整
制作 グロービジョン
解説 淀川長治
初回放送 1970年11月29日
日曜洋画劇場

※日本語吹替は2018年7月1日にザ・シネマで再放送された。[2]

製作 編集

この映画は、サンフランシスコで撮影された。主人公ケリー・シャーウッドの家は、クラレンドン・ハイツ地区のセント・ジャーメイン通り100番地の家屋を、勤務地はワン・モントゴメリー通りのクロッカー・ナショナル・バンク英語版(現在のウェルズ・ファーゴ銀行)を、それぞれロケ地としている。物語終盤の最高潮に繰り広げられる追跡劇は、キャンドルスティック・パークで撮影された。そのほか、近郊のロケ地として、フィッシャーマンズワーフノース・ビーチ英語版などが挙げられる。

上からのカットや、鏡にうつった人物など、特別な視点による撮影が多数ある。また、時刻の経過を示すための時計のアップが、毎回、違う時計で表現されている。

封切 編集

本映画は、1962年4月13日にニューヨークで封切された[3]。イギリスでの表題は The Grip of Fear であった[1]

表彰 編集

この映画で、ロス・マーティンは、1963年のゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされたが、受賞は逃した[4]

関連項目 編集

出典 編集

  1. ^ a b Erickson, Hal. “Experiment in Terror: Overview – Allmovie”. Allmovie. 2010年8月27日閲覧。
  2. ^ 約96分
  3. ^ TCM Overview
  4. ^ Experiment in Terror: Awards – Allmovie”. Allmovie. 2010年8月27日閲覧。

外部リンク 編集