遊☆戯☆王 (アニメ第1作)

1998年に放送された日本のテレビアニメ
遊☆戯☆王 > アニメ作品 > 遊☆戯☆王 (アニメ第1作)

遊☆戯☆王』(ゆうぎおう)は、高橋和希の漫画『遊☆戯☆王』の最初のアニメ化作品。1998年4月4日から10月10日まで、全27話がテレビ朝日系列で放送された。制作は東映動画→東映アニメーション(放送終盤の時期に商号変更)。

遊☆戯☆王
ジャンル 少年向けアニメカードゲーム
アニメ
原作 高橋和希
シリーズディレクター 角銅博之
シリーズ構成 井上敏樹
脚本 井上敏樹、小林靖子
金巻兼一千葉克彦
キャラクターデザイン 荒木伸吾姫野美智
音楽 BMF
アニメーション制作 東映動画→東映アニメーション(表記なし)
製作 テレビ朝日東映
放送局 テレビ朝日系列
放送期間 1998年4月4日 - 10月10日
話数 全27話
その他 遊☆戯☆王デュエルモンスターズも参照。
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

1999年に劇場公開された映画作品についても本項で述べる。

概要 編集

『遊☆戯☆王』のテレビアニメ第1作。原作の「学園編」から「TRPG編」までを題材とし、原作の初期に見られた様々な手段による「闇のゲーム」がメインの要素として展開された。登場するゲームは『デュエルモンスターズ(原作のマジック&ウィザーズに該当する。)』が断続的に登場した他、『ハイパーヨーヨー』や『デジモン』など当時流行していた作品や商品のパロディが登場する回も存在した。進展調整のためのオリジナル展開などが多く行われており、中には原作とはまったく異なるストーリーに改変された回もある。

本作の次回予告は次週放送分の予告だけでなく、2、3週後の放送分(つまり次週以降の)予定を紹介するといったアニメとしては珍しい形式で行われていた。

また、本作はのちにテレビ東京系列他で放送された『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』及び後続の作品とはストーリーや設定上の繋がりはなく、「決闘者の王国編」[1]以降を題材としており、キャストや一部の登場人物のキャラクターデザインなどの一部設定も異なっている。

本作から、劇中のカードバトルゲーム「マジック&ウィザーズ」の名称がアニメ版独自名称の「デュエルモンスターズ」に改変されているが、カード裏面のデザインは原作や商品版とは異なる[2]。その他、カードバトルの細部におけるルールやダメージ計算など作りが大雑把な部分も見られるが、それがかえって本作独自の持ち味となっている。

映像ソフトは放送当時にVHSで発売されたのみで、2023年現在すでに廃盤となっており、DVD / Blu-rayなどで再発売される予定はなく、さらにネット配信も含めた再放送も全く行われておらず、現在では視聴が困難な作品となっている[3]

登場人物・声の出演 編集

主題歌 編集

オープニングテーマ「渇いた叫び
作詞・作曲 - 小松未歩 / 編曲 - 小澤正澄 / 歌 - FIELD OF VIEW日本コロムビア
3話まではCDとは異なるバージョンが使用されている。
エンディングテーマ「明日もし君が壊れても
作詞 - 坂井泉水 / 作曲 - 大野愛果 / 編曲 - WANDS / 歌 - WANDSB-Gram RECORDS

スタッフ 編集

各話リスト 編集

放送日 話数 サブタイトル 脚本 コンテ 演出 作画監督 美術 収録VHS 原作
(単行本)
1998年
4月4日
1 激烈バトル闇のゲーム 井上敏樹 角銅博之 高木雅之
市川慶一
徳重賢 VOL.1 遊闘1(第1巻)
アニメオリジナル
4月11日 2 悪魔ゲーマー地獄の罠 角銅博之 池田洋子 本橋秀之 中村光毅 遊闘4(第1巻)
アニメオリジナル
4月18日 3 激突!最強のモンスター 小林靖子 新田義方 竹内昭 和田いづみ 遊闘9・10(第2巻)
アニメオリジナル
4月25日 4 強奪!超幻の激レア時計 金巻兼一 角銅博之 森一敏 内山正幸 芳野満雄 VOL.2 アニメオリジナル
5月2日 5 今暴かれる!!遊戯の秘密 井上敏樹 早川啓二 本木久年 徳重賢 遊闘13 - 20
(第2巻・第3巻)
アニメオリジナル
5月9日 6 絶体絶命!!熱き友情決戦 角銅博之 本橋秀之 松本健治
5月16日 7 裏技デジタルペット騒動 小林靖子 細田雅弘 須田正己 和田いづみ

遊闘20(第3巻)
アニメオリジナル

5月23日 8 ゲーム四天王ついに動く 金巻兼一 山田徹 進藤満尾 坂木功治 VOL.3 アニメオリジナル
5月30日 9 炸裂ヨーヨー究極の秘技 井上敏樹 中村哲治 内山正幸 松宮正純 遊闘11・12・
48・49
(第2巻・第6巻)
アニメオリジナル
6月6日 10 迫る美人教師秘密の仮面 千葉克彦 大庭秀昭 山崎隆生 松本健治 遊闘9(第1巻)
アニメオリジナル
6月13日 11 噂のカプモン新登場だぜ 小林靖子 角銅博之 須田正己 和田いづみ 遊闘24(第3巻)
アニメオリジナル
6月20日 12 強運を呼ぶ敵不敗の神話 井上敏樹 早川啓二 本木久年 芳野満雄 VOL.4 アニメオリジナル
6月27日 13 女生徒を狙う大予言の牙 小林靖子 細田雅弘 本橋秀之 松宮正純 遊闘5(第1巻)
アニメオリジナル
7月4日 14 爆破ゲームで最悪デート 千葉克彦 勝間田具治 永樹龍博 松本健治 遊闘45(第6巻)
アニメオリジナル
7月11日 15 怖〜い女!!変身できない 井上敏樹 中村哲治 進藤満尾 和田いづみ アニメオリジナル
7月18日 16 イッパツ逆転白衣の危機 小林靖子 角銅博之 中村哲治 内山正幸 坂木功治 VOL.5
7月25日 17 ギリギリ勝負誘うモデル 千葉克彦 鈴木吉男 桜井木ノ実 松宮正純
8月1日 18 禁断ゲームに手を出すな 井上敏樹 早川啓二 本木久年 松本健治 遊闘46・47(第6巻)
アニメオリジナル
8月8日 19 大乱戦!!人気コンテスト 小林靖子 明比正行 須田正己 和田いづみ アニメオリジナル
8月15日 20 出たッ!最強最後の切札 井上敏樹 勝間田具治 永樹龍博 坂木功治 VOL.6
8月22日 21 完成!!究極ゲームランド 千葉克彦 角銅博之 中村哲治 本橋秀之 松宮正純 遊闘25・50
(第4巻・第6巻)
アニメオリジナル
8月29日 22 破れ限界シューティング 小林靖子 山田徹 内山正幸 徳重賢 遊闘27 - 29・
31・33 - 36
(第4巻・第5巻)
アニメオリジナル
9月5日 23 カプモン王!頂上決戦!! 井上敏樹 細田雅弘 進藤満尾 松本健治 遊闘36 - 39(第5巻)
アニメオリジナル
9月12日 24 今!決着の時奇跡の友情 早川啓二 本木久年 和田いづみ VOL.7
9月26日 25 新たなる展開襲う美少年 小林靖子 細田雅弘 須田正己 松宮正純 遊闘50 - 59
(第6巻・第7巻)
アニメオリジナル
10月3日 26 ライバル激突最大ピンチ 井上敏樹 明比正行 内山正幸 坂木功治
10月10日 27 友情・伝説から神話へ 明比正行 池田洋子 山口泰弘 徳重賢

※9月19日は『TOTOスーパー陸上'98』放送のため放送休止[4]

ネット局 編集

出典は個別に提示されているものを除き、1998年9月中旬 - 10月上旬時点のものとする[5]

放送対象地域 放送局 系列 ネット形態
関東広域圏 テレビ朝日 テレビ朝日系列 制作局
北海道 北海道テレビ 同時ネット
青森県 青森朝日放送
岩手県 岩手朝日テレビ
宮城県 東日本放送
秋田県 秋田朝日放送
山形県 山形テレビ
福島県 福島放送
新潟県 新潟テレビ21
長野県 長野朝日放送
静岡県 静岡朝日テレビ
富山県 北日本放送 日本テレビ系列 火曜 16:55 - 17:25にて遅れネット[6]
放送期間は1998年5月12日から11月17日まで[7]
石川県 北陸朝日放送 テレビ朝日系列 同時ネット
中京広域圏 名古屋テレビ
近畿広域圏 朝日放送
広島県 広島ホームテレビ
山口県 山口朝日放送
香川県
岡山県
瀬戸内海放送
愛媛県 愛媛朝日テレビ
福岡県 九州朝日放送
長崎県 長崎文化放送
熊本県 熊本朝日放送
大分県 大分朝日放送
鹿児島県 鹿児島放送
沖縄県 琉球朝日放送

熊本県など、遊☆戯☆王のアニメシリーズはこれ以外放送されていない地域もいくつか存在する。

劇場版「遊☆戯☆王」 編集

1999年3月6日公開。東映が製作した劇場版『遊☆戯☆王』の第1作でテレビ朝日開局40周年記念作品。

テレビシリーズ放送終了の翌年に公開され、時系列も最終話以降であり、スタッフ・キャストともテレビ版と同じとなっている。一方で、テレビシリーズがデジタル彩色を採用した制作方式を行ったのに対して、本作は従来のセル画方式での制作となっている。

30分の短編で絵柄は原作の設定に近づき、後の『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』に近いシャープなものとなっているのが特徴[8]となっている。

遊戯と海馬のデュエルを見守る遊戯の仲間は城之内とゲストキャラの翔吾のみで杏子と本田とミホは序盤とエピローグのみの登場。また、杏子はデュエルモンスターズセンターでのバイト姿も描かれている。

その他、劇中では決闘者の王国編以降に登場するデュエリストのデータ描写やダイナソー竜崎が海馬の対戦相手として登場するなど、『デュエルモンスターズ』に先駆けて決闘者の王国編初出の要素が小ネタとして描かれた。

劇場版『デジモンアドベンチャー』『ドクタースランプ アラレのびっくりバーン』と同時上映された。

あらすじ 編集

遊戯の知り合いの少年・青山翔吾は、「青眼の白龍」と対を成す、ドラゴン族のレアカード「真紅眼の黒竜」を入手するが、デュエルに負けることを恐れ、デュエルを拒むようになっていた。

一方、海馬はレアカードを手に入れるべく、デュエルモンスターズセンターをオープンし、様々なデュエリストのデータを集めていき、レアカードを賭けた、デュエルモンスターズ大会を開催。 自分と唯一引き分けたライバルの遊戯やレッドアイズを持つ翔吾にも招待状を送るが参加を拒む翔吾は海馬の部下たちにレッドアイズを奪われてしまう。

遊戯はレッドアイズ奪還と翔吾に戦う勇気を取り戻させるべく、大会に出場し、海馬とのデュエルに挑む。 海馬は「邪悪なる鎖」を使い、ブルーアイズ3体を連結・強化し、闇遊戯を追い詰めていくが、闇遊戯のデッキには城之内の手で取り戻されていたレッドアイズが組み込まれていた。 そのことを知った翔吾は闇遊戯と城之内に後押しされ、レッドアイズに戦うように叫ぶ。 それに応えた闇遊戯はレッドアイズを「メテオ・ブラック・ドラゴン」に進化させ、ブルーアイズに勝利。 大会は遊戯の優勝で幕を閉じ、デュエリストの勇気を取り戻した翔吾はレッドアイズと共にデュエルを楽しむのだった。

劇場版スタッフ 編集

主題歌 編集

オープニングテーマは、テレビ版で3話まで使用されたバージョンが使用されている。

コミック 編集

『劇場&TVアニメ「遊☆戯☆王」スーパー・コンプリートブック』が集英社より発売されている。

内容は本作劇場版のフィルムコミックにTVシリーズの各回のストーリー紹介とその回の闇のゲームが紹介されている。その他高橋和希によるモンスター制作過程の様子や、本作のメインキャラクター役声優へのインタビュー、アニメ登場カードの紹介などがされている。なお、劇場版では海馬の髪は茶髪であったので映画のフィルムコミックの部分では茶髪海馬しか登場しないが、ストーリー紹介でわずかながらTV版での緑髪の海馬を確認できる。

関連項目 編集

脚注・出典 編集

  1. ^ ストーリー上「DEATH-T編」の一部も挿入された。
  2. ^ 原作のマジック&ウィザーズの名残で「MW」という絵柄のデザインだった。
  3. ^ また、原作の連載開始20周年記念サイトの年表 においても、本作に関する記述・言及は一切ない。
  4. ^ 『北國新聞』1998年9月19日付朝刊、テレビ欄。
  5. ^ アニメディア』1998年10月号『TV STATION NETWORK』119 - 121頁。
  6. ^ アニメージュ』1998年9月号(徳間書店)全国放送局別放映リスト(170頁)
  7. ^ 富山新聞』 1998年5月12日および11月17日付朝刊テレビ欄より。
  8. ^ カード裏面のデザインが製品版と同じものに海馬の髪色がテレビシリーズの緑から原作の茶色に変更され、デュエル描写も原作に近づく等、同作のプロトタイプ的な作品になっている。

外部リンク 編集

テレビ朝日 土曜18:00台前半(1998年4月4日 - 10月10日)
前番組 番組名 次番組
遊☆戯☆王(第1作)