違国日記』(いこくにっき)は、ヤマシタトモコによる日本漫画作品[1]。『FEEL YOUNG』(祥伝社)にて、2017年7月号から[2]、2023年7月号まで連載された[3]。単行本全11巻[4]。累計販売数は170万部を突破している[5]。話数のカウントは「page」[6][祥 1]

違国日記
Journal with witch
ジャンル 女性漫画
漫画
作者 ヤマシタトモコ
出版社 祥伝社
掲載誌 FEEL YOUNG
レーベル フィールコミックス swing
発表号 2017年7月号 - 2023年7月号
発表期間 2017年11月8日 - 2023年6月8日
巻数 全11巻
話数 全54話[注 1]+書き下ろし3話[注 2]
映画
原作 ヤマシタトモコ
監督 瀬田なつき
脚本 瀬田なつき
音楽 高木正勝
制作 ジャンゴフィルム
東京テアトル
製作 「違国日記」製作委員会
配給 東京テアトル
ショウゲート
封切日 2024年6月7日(予定)
上映時間
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画映画
ポータル 漫画映画

マンガ大賞2019」第4位、「このマンガがすごい! 2019」オンナ編第4位を獲得[1]ダ・ヴィンチKADOKAWA)の「BOOK OF THE YEAR 2023」のコミックランキング1位となった[7]

人見知りな35歳の小説家の女性・高代槙生と、両親が亡くなり槙生に引き取られた15歳の姪・田汲朝。なかなか理解し合えない思いを抱えながらも、真っ直ぐに向き合い、次第にかけがえのない関係となっていく姿が描かれる。

2024年6月7日に実写映画版が公開予定[8][5]

あらすじ 編集

中学3年の冬、田汲朝は両親を突然の交通事故で失い、葬儀の場で彼女の両親の葬式の最中に、彼女が実里の実子ではないなどと無神経な話をする親族からたらい回しにされそうになっていた。その様子を見かねた叔母の高代槙生が朝を引き取ることになる。

朝はマンションで一人暮らしの少女小説家・槙生と暮らし始める。人見知りで不器用な槙生は朝とのいきなりの同居に戸惑うが、朝の方は槙生のことを大人だか子どもだか分からない「へんな人」だと思いながらも、槇生との新たな生活に溶け込んでいく。朝は、翌春に高校に入学。槙生との共同生活の中で、思春期を過ごしていく。

登場人物 編集

主要人物 編集

高代 槙生(こうだい まきお)
35歳。小説家の女性。「こうだい槙生」の名前で、少女小説やエッセイなどを執筆している[9]
姉夫婦が交通事故死し、遺児となった姪の田汲朝を勢いで引き取っている。人見知りで不器用。
田汲 朝 (たくみ あさ)
15歳。中学3年。交通事故で両親を亡くし、叔母の槙生のところに身を寄せる。
人懐っこく素直な性格。槙生からは時々子犬に例えられる[9][10]。槙生の勧めで日記をつけ始める[11]

槙生と朝の関係者 編集

高代 実里 (こうだい みのり)
故人。死亡時42歳。槙生の姉ではじめの内縁の妻[12]。はじめとともに交通事故で亡くなる[注 3]
妹の槙生に対しては高圧的に接することが多かった。朝に日記を遺していた[注 4]
田汲 はじめ (たくみ はじめ)
故人。死亡時41歳。朝の父。実里とは学生時代ゼミが一緒で、その頃からの付き合いだった[14]。口数が少ない人だった[15]
高代 京子(こうだい きょうこ)
槙生と実里の母で朝の祖母。朝をとても可愛がっているが、警察で実里夫婦の遺体の確認を拒否し朝にさせており、槙生はこのことを絶対に許せないと朝の前で言っている[16]
塔野 和成(とうの かずなり)
弁護士。後見監督人。朝の後見人である槙生を監督する役目を持ち、2人と関わりを持つようになる。
弁護士にしては口八丁ではなく、空気を読んだり気遣いすることも苦手。
だが、優しい性格で朝のことをよく考えてくれており、槙生からも信頼してお任せしますと言われている[17]

槙生の友人 編集

醍醐 奈々(だいご なな)
35歳。槙生の学生時代からの友人[18]。槇生が朝を引き取ったと聞いて、すぐに様子を見にやってくる。
笠町 信吾(かさまち しんご)
槙生の友人で元彼。別れた後も槙生には好意を寄せており、月日を経て槙生と「新しい関係」を結んでいく[19]
朝からは、槙生となぜ別れたかなど直球で聞かれてしまい、焦りながら自分が悪かったと答える[20]
コトコ
槙生の学生時代からの友人[21]。35歳。
もつ
槙生の学生時代からの友人[22]。35歳。夫の浮気が原因で、最近離婚したばかり。
槇生に朝との付き合い方についてアドバイスしている[23]
樹乃 イツキ(じゅの イツキ)
槙生の友人の小説家[24]

朝の友人・関係者 編集

楢 えみり(なら えみり)
朝の同級生で親友。小学校から一緒[25]。中学校の卒業時に一時関係が悪化するが[注 5]、同じ高校に進学し元通りの関係になっている。
楢 美知子(なら みちこ)
えみりの母。47歳[26]。槙生と仲良くなっていく。
森本 千世(もりもと ちよ)
朝の同級生で秀才。両親とも医者[27]。入学者総代となっている[28]
第2志望の医大を受験した際は、女子だけ減点される不正入試で不合格になってしまうが、医大受験は続ける[29][30]
しょうこ
えみりの同性の恋人。同じ塾に通っている[31]
玉城 (たましろ)
えみりのクラスメイト。クラス内では「勝ち組グループ」の一員。
女子たちからも羨ましがられる美人だが、中学時代はいじめられていた[32]
三森(みもり)
朝と同じ軽音楽部の女子。軽音は高校まででやめるから今のうちに精一杯やると言っている[33]

書誌情報 編集

  • ヤマシタトモコ『違国日記』 祥伝社 〈フィールコミックス swing〉、全11巻
    1. 2017年11月8日発売[祥 1]ISBN 978-4-396-76717-4
    2. 2018年5月8日発売[祥 2]ISBN 978-4-396-76733-4
    3. 2018年11月8日発売[祥 3]ISBN 978-4-396-76749-5
    4. 2019年4月27日発売[祥 4]ISBN 978-4-396-76764-8
    5. 2019年12月7日発売[祥 5]ISBN 978-4-39-676775-4
    6. 2020年8月6日発売[祥 6]ISBN 978-4-396-76800-3
    7. 2021年2月8日発売[祥 7]ISBN 978-4-396-76816-4
    8. 2021年10月8日発売[祥 8]ISBN 978-4-396-76842-3
    9. 2022年4月25日発売[祥 9]ISBN 978-4-396-76855-3
    10. 2023年2月8日発売[祥 10]ISBN 978-4-396-76876-8
    11. 2023年8月8日発売[祥 11][34]ISBN 978-4-396-76893-5

実写映画 編集

違国日記
監督 瀬田なつき
脚本 瀬田なつき
原作 ヤマシタトモコ
製作 西ヶ谷寿一
西宮由貴
出演者 新垣結衣
早瀬憩
夏帆
小宮山莉渚
中村優子
伊礼姫奈
滝澤エリカ
染谷将太
銀粉蝶
瀬戸康史
音楽 高木正勝
撮影 四宮秀俊
編集 瀬田なつき
制作会社 ジャンゴフィルム
東京テアトル
製作会社 「違国日記」製作委員会
配給 東京テアトル
ショウゲート
公開   2024年6月7日(予定)
製作国   日本
言語 日本語
テンプレートを表示

2024年6月7日に公開予定[8][5]。監督は瀬田なつき、主演は新垣結衣と早瀬憩[5]。早瀬憩はオーディションで選ばれた新人[5]

キャスト 編集

高代槙生(こうだい まきお)〈35〉
演 - 新垣結衣
極度の人見知りで不器用な小説家。姪の朝が両親を亡くし、親族からたらい回しにされようとするのを見かねて引き取る。
田汲朝(たくみ あさ)〈15〉
演 - 早瀬憩
槙生の姪。交通事故で両親を亡くして槙生に引き取られ、同居生活を送ることになる。
醍醐奈々(だいご なな)
演 - 夏帆[35][1]
槙生の友人。
楢えみり(なら えみり)
演 - 小宮山莉渚[35][1]
朝の親友。
高代実里
演 - 中村優子[35][1]
槙生の姉。朝の母親。
森本千世
演 - 伊礼姫奈[1][35]
朝のクラスメイト。秀才。
三森
演 - 滝澤エリカ[35][1]
朝のクラスメイト。朝と同じ軽音部に所属。
塔野和成
演 - 染谷将太[35][1]
弁護士。後見監督人として槙生と朝の生活を見守る。
高代京子
演 - 銀粉蝶[35][1]
槙生の母。朝の祖母。
笠町信吾
演 - 瀬戸康史[35][1]
槙生の元恋人。

スタッフ 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 6巻に「page 26.5:SMALL TALK」、 10巻に「page 47.5:SMALL TALK-2」が含まれている。
  2. ^ 4巻「えみりの日記」、5巻「塔野の日記『休日』」、7巻「東郷優斗の日記」。この他に「おまけ」として、1巻に「ガッツポーズそれぞれ」、2巻に「寝相それぞれ」、3巻に「部屋それぞれ」が登載されている。
  3. ^ 家族3人で外出していて、パーキングエリアで停車中、トラックに追突される。朝だけは車外にいて無事だった[12]
  4. ^ 朝が20歳になった時に贈ろうとしており、朝の名前については「必ず来る、新しくて美しいもの」という意味をこめて、一生けんめい考えました。あなたが誰からも愛されるように」などと書かれていた[13]
  5. ^ 朝の両親の事故死をめぐる連絡のトラブルのため。

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j “漫画『違国日記』主演・新垣結衣で実写映画化 - ヤマシタトモコ原作、人見知りな小説家と姪の同居譚”. FASHION PRESS (株式会社カーリン). (2023年2月1日). https://www.fashion-press.net/news/104521 2023年2月2日閲覧。 
  2. ^ “ヤマシタトモコ新連載、女と少女による年の差同居物語がフィーヤンで開幕”. コミックナタリー (ナターシャ). (2017年6月8日). https://natalie.mu/comic/news/235906 2024年2月5日閲覧。 
  3. ^ “町田粥×渡辺カナが初タッグでフィーヤン新連載、「違国日記」は次号で6年の歴史に幕”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年5月8日). https://natalie.mu/comic/news/523639 2024年2月5日閲覧。 
  4. ^ “映画化も決定の「違国日記」ついに完結 ともに暮らし始めて2年半、この先の2人は”. マイナビニュース (株式会社マイナビ). (2023年8月8日). https://news.mynavi.jp/article/20230808-2744962/ 2024年2月5日閲覧。 
  5. ^ a b c d e “新垣結衣×早瀬憩『違国日記』初映像公開!冒頭に原作の重要な場面”. 株式会社シネマトゥデイ (株式会社シネマトゥデイ). (2023年12月19日). https://www.cinematoday.jp/news/N0140607 2024年2月2日閲覧。 
  6. ^ 第1巻 2017, p. 2, Contents
  7. ^ “「違国日記」がBOOK OF THE YEARの1位に 「【推しの子】」アイのインタビューも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年12月6日). https://natalie.mu/comic/news/551935 2024年2月2日閲覧。 
  8. ^ a b c 「違国日記」6月7日に公開決定、橋本絵莉子が劇中バンド曲を作詞・作曲”. 映画ナタリー. ナターシャ (2024年3月11日). 2024年3月11日閲覧。
  9. ^ a b 第4巻 2019, p. 9, 「page=16」
  10. ^ 第2巻 2018, p. 163、167, 「page=10」
  11. ^ 第1巻 2017, p. 58-60, 「page=2」
  12. ^ a b 第1巻 2017, p. 45, 「page=2」
  13. ^ 第4巻 2019, p. 32、33, 「page=16」
  14. ^ 第7巻 2021, p. 19、20, 「page=31」
  15. ^ 第8巻 2021, p. 2, Characters
  16. ^ 第4巻 2019, p. 63, 「page=17」
  17. ^ 第4巻 2019, p. 92-94, 「page=18」
  18. ^ 第2巻 2018, p. 2, Characters
  19. ^ 第5巻 2019, p. 2, Characters
  20. ^ 第2巻 2018, p. 114, 「page=9」
  21. ^ 第2巻 2018, p. 146, 「page=10」
  22. ^ 第2巻 2018, p. 146、155, 「page=10」
  23. ^ 第2巻 2018, p. 162, 「page=10」
  24. ^ 第9巻 2022, p. 2, Characters
  25. ^ 第5巻 2019, p. 8, 「page=21」
  26. ^ 第2巻 2018, p. 102, 「page=8」
  27. ^ 第6巻 2020, p. 129, 「page=29」
  28. ^ 第3巻 2018, p. 16, 「page=11」
  29. ^ 第7巻 2021, p. 56、57, 「page=32」
  30. ^ 第9巻 2022, p. 75、80, 「page=43」
  31. ^ 第11巻 2023, p. 2, Characters
  32. ^ 第4巻 2019, p. 17, 「page=16」
  33. ^ 第9巻 2022, p. 73, 「page=43」
  34. ^ “映画化も決定の「違国日記」ついに完結 ともに暮らし始めて2年半、この先の2人は”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年8月8日). https://natalie.mu/comic/news/536051 2024年2月5日閲覧。 
  35. ^ a b c d e f g h “映画「違国日記」槙生と朝を取り巻く新キャストに銀粉蝶、染谷将太ら新場面写真も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2024年2月1日). https://natalie.mu/comic/news/559333 2024年2月2日閲覧。 
  36. ^ a b c d e “銀粉蝶・染谷将太ほか第三弾キャスト公開!映画『違国日記』場面写真5点も解禁”. FILMAGA (株式会社つみき). (2023年2月1日). https://filmaga.filmarks.com/articles/290203/2/ 2023年2月2日閲覧。 
  37. ^ 映画「違国日記」朝と槙生が心を寄せ合う本予告、十明のインスパイアソングも”. FASHION PRESS. 株式会社カーリン (2024年4月4日). 2024年4月4日閲覧。

祥伝社フィールコミックス 編集

以下の出典はフィールコミックス(祥伝社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。

  1. ^ a b 『違国日記(1)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。
  2. ^ 『違国日記(2)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。
  3. ^ 『違国日記(3)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。
  4. ^ 『違国日記(4)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。
  5. ^ 『違国日記(5)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。
  6. ^ 『違国日記(6)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。
  7. ^ 『違国日記(7)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。
  8. ^ 『違国日記(8)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。
  9. ^ 『違国日記(9)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。
  10. ^ 『違国日記(10)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。
  11. ^ 『違国日記(11)』(ヤマシタトモコ)”. 祥伝社フィールコミックス. 祥伝社. 2024年2月3日閲覧。

外部リンク 編集