酒井学 (競馬)

日本の騎手

酒井 学(さかい まなぶ、1980年2月4日 - )は、JRA栗東トレーニングセンター所属の騎手

酒井学
第74回阪神JFパドック(2022年12月11日)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 新潟県新潟市
生年月日 (1980-02-04) 1980年2月4日(44歳)
身長 154cm
体重 48kg
血液型 A型
騎手情報
所属団体 JRA
所属厩舎 栗東・二分久男(1998.3.1 - 2001.2.28)
栗東・フリー(2001.3.1 -)
栗東・西園正都( - 2007.1.20)
栗東・フリー(2007.1.21 - 2013.6.20)[1]
栗東・西園正都(2013.6.21 - 2014.6.30)[2]
栗東・フリー(2014.7.1 -)[3]
初免許年 1998年
免許区分 平地[4]
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経歴 編集

父親が公営新潟競馬で厩務員をしていたことから幼少時から競馬が身近な環境であった。また、実兄は公営・川崎八木仁厩舎所属の酒井忍である。

競馬学校卒業(第14期生)を経て、1998年に騎手免許を取得。同期に池添謙一太宰啓介白浜雄造などがいる。同年3月1日の中京1Rにショウワヒカルに騎乗しデビュー、4着という結果であった。同年3月8日中京12Rのマチカネヒガノボルに騎乗、初勝利を挙げる[4]。デビュー当初は平地・障害両免許を取得していたが、後に騎乗機会ゼロのまま障害免許を返上している。

2001年10月20日カブトヤマ記念を最軽量48kgタフネススターで勝利し初の重賞タイトルを獲得。なお負担斤量50kg未満の馬の重賞制覇は1991年ダイヤモンドステークスのノースシャトル(49kg)以来、48kgは1976年ステイヤーズステークスのホッカイノーブル以来の記録である。

所属先の二分久男厩舎の解散を機に成績が急落して収入が激減し生活苦に陥る。本人は後に「あまりの生活苦で、手持ちのCDを中古CDショップに売りに行った」「家賃が3割ほど安い家に引っ越そうとアパマンショップに申し込みに行った」「後日思い直して「契約しません」と言いに行った際、発生した違約金2000円すら払えなかった」「ジョッキー仲間の高田潤から金を借りた」などと当時を振り返っている[5][6]。特に2006年は年末まであと2週の時点で勝利がなく初の年間0勝が迫る中、12月16日にようやく1勝を挙げることができたが、それがニホンピロ・レーシングの馬(ニホンピロコナユキ)だったことが契機となり、同オーナーの小林百太郎との関係ができ、現在ではニホンピロ・レーシングの主戦騎手を務めるまでになっている。

2009年8月2日に通算100勝を達成。その2週間後となる8月16日北九州記念サンダルフォンで制覇し、8年ぶり2度目の重賞勝利を記録した。

2010年8月1日小倉記念をニホンピロレガーロで制覇。また、中央開催最終日の2010アンコールステークスを勝ち、九州競馬記者クラブ「小倉ターフ賞」を受賞した。

また、2011年の中央開催最終日の2011アンコールステークスも、サンダルフォンで連覇。2010年の同レース、2009年の尾張ステークスに続き、中央開催最終日の第三場最終競走3連覇を果たした。

2012年12月2日ジャパンカップダートニホンピロアワーズで勝利し、JRA・G1初制覇を飾った。

2014年10月26日菊花賞トーホウジャッカルで勝利し、クラシック八大競走初制覇を飾った。

人物 編集

前述した最軽量の48キロで乗れる数少ない中堅騎手である。体重は JRA の公式プロフィールでは48kgとされているものの、実際にはもっと軽い46kgしかないとのことで、騎乗時には負担重量に合わせて4種類の鞍を使い分けている。中でも最も重い鞍は12kgもあるという[7]

レースの前後に、騎乗馬をよく撫でる騎手として知られる。馬を撫でること自体はどの騎手もしていることなのだが、酒井は他の騎手よりも高頻度かつ笑顔で撫でており、その様子をしばしばパドックやレースの中継カメラが捉えているため、酒井の特徴として競馬ファンから認知されている。

酒井は「可愛がっているように見えるかもしれないが、馬の気持ちを落ち着かせるためにやっている」そうで、また新馬や初騎乗の馬は「触られたら嫌なところが無いかの確認(としてしている)」と語っている[8]

Mr.Childrenのファンである[9][10]

主な騎乗馬 編集

 
2014年菊花賞
騎乗馬:トーホウジャッカル

太字はGI競走を示す

出典:[11]

騎乗成績 編集

  • JRA公式[4]およびnetkeiba[12]より
年度 1着 2着 3着 騎乗数 勝率 連対率 複勝率
1998年 25 23 25 335 .075 .143 .218
1999年 13 14 18 269 .048 .100 .167
2000年 14 11 19 258 .054 .097 .171
2001年 7 11 15 221 .032 .081 .149
2002年 5 3 10 135 .037 .059 .133
2003年 3 4 7 145 .021 .048 .097
2004年 3 6 10 125 .024 .072 .152
2005年 3 4 6 83 .036 .084 .157
2006年 1 2 4 83 .012 .036 .084
2007年 8 7 11 138 .058 .109 .188
2008年 11 10 12 217 .051 .097 .152
2009年 12 13 12 254 .047 .098 .146
2010年 25 28 22 437 .057 .121 .172
2011年 36 36 40 604 .060 .119 .185
2012年 21 35 26 501 .042 .112 .164
2013年 25 32 29 662 .038 .086 .130
2014年 29 34 42 661 .044 .095 .159
2015年 21 27 30 589 .036 .081 .132
2016年 14 26 30 519 .027 .077 .135
2017年 19 29 29 527 .036 .091 .146
2018年 28 23 42 612 .046 .083 .152
2019年 17 22 23 483 .035 .081 .128
中央 340 402 464 7880 .043 .094 .153
地方 14 24 23 165 .085 .230 .370
日付 競馬場・開催 競走名 馬名 頭数 人気 着順
初騎乗 1998年3月1日 1回中京2日1R 4歳未勝利 ショウワヒカル 14頭 6 4着
初勝利 1998年3月8日 1回中京4日12R 5歳上500万円下 マチカネヒガノボル 16頭 2 1着
重賞初騎乗 1998年4月18日 2回中京7日11R 小倉大賞典 タヤススリーセブン 16頭 15 10着
重賞初勝利 2001年10月20日 3回新潟7日11R カブトヤマ記念 タフネススター 13頭 5 1着
GI初騎乗 2001年3月25日 1回中京8日11R 高松宮記念 ビーチフラッグ 18頭 18 11着
GI初勝利 2012年12月2日 5回阪神2日11R JCダート ニホンピロアワーズ 16頭 6 1着

脚注 編集

  1. ^ [1]
  2. ^ [2]
  3. ^ [3]
  4. ^ a b c JRA騎手名鑑/酒井学”. JRA. 2020年5月25日閲覧。
  5. ^ 競馬最強の法則』(KKベストセラーズ)2010年10月号・pp.63 - 68
  6. ^ 【特別企画】酒井学騎手の『私の恩人』(2)―30歳を超えてから大成したジョッキーもいる
  7. ^ 東京スポーツ・2011年7月10日付 15面
  8. ^ 【酒井学騎手】レッドジェニアルと自身3度目の日本ダービーへ「結果がついてくるような競馬を」”. netkeiba.com. 2022年1月8日閲覧。
  9. ^ 『優駿』2013年2月号、72頁。 
  10. ^ 好きな歌手は?”. 日本中央競馬会. 2022年1月8日閲覧。
  11. ^ 酒井 学(騎手)|重賞勝鞍”. 競馬予想のウマニティ. 2024年1月27日閲覧。
  12. ^ 酒井学 重賞出走レース”. netkeiba. 2020年5月25日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集