釉薬瓦(ゆうやくがわら)とは、表面を釉薬で化粧した粘土瓦のことで、日本工業規格(JIS)の製法区分上の名称として定められる。古くは瑠璃瓦(るりがわら)と呼ばれていた。陶磁器焼成区分上は「陶器」に当たるところから、陶器瓦の呼称も使われる[1][2]

釉薬瓦
釉薬瓦
釉薬でいぶし瓦を模した例。裏面は茶色い素焼きの素地が見えている。形状はJ瓦。
中国語
繁体字 琉璃瓦
簡体字 琉璃瓦
発音記号
朝鮮語
ハングル유리와
漢字琉璃瓦
発音記号
RR式yuriwa
MR式yuriwa
日本語
漢字 釉薬瓦
旧字体 釉藥瓦
ひらがな ゆうやくがわら
ベトナム語
ベトナム語Ngói lưu ly
チュノム瓦(𤬲)琉璃

概要 編集

2004年経産省工業統計では瓦の出荷量の78%を占める。日本最大の産地は「三州瓦」の愛知県西三河地方、次いで「石州瓦」の島根県石見地方となっている。

続日本紀には767年平城京の東院玉殿に瑠璃(るり)の瓦をもって葺くという記述があり、古来からの屋根材であることがわかる。

フランスのブルゴーニュ地方ブルゴーニュ釉薬瓦フランス語版、ドイツのフランケン地方、スイス、ハンガリーなどの Biberschwanzドイツ語版ビーバーの尻尾)にも見られる。

ギャラリー 編集

脚注 編集

  1. ^ 1966年三州瓦の産地である愛知県西三河地方で呼ばれるようになったもの
  2. ^ 瓦の話(1)日本の瓦・中国の瓦--瓦の話あれこれ 著:須藤 定久 編集:産業技術総合研究所地質調査総合センター 掲載:地質ニュース536号 p.39-50

関連項目 編集