阿部野橋ターミナルビル

阿部野橋ターミナルビル(あべのばしターミナルビル)は、かつて大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目に存在した複合商業施設である。現在のあべのハルカスの前身である。

阿部野橋ターミナルビル新館
情報
用途 駅舎店舗
設計者 村野藤吾
建築主 近畿日本鉄道
事業主体 近畿日本鉄道
管理運営 近畿日本鉄道
構造形式 鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造
階数 地上10階、地下4階、塔屋3階
高さ 54m
着工 1983年3月
竣工 1988年11月11日
所在地 543-0001
大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目1番43号
座標 北緯34度38分44.7秒 東経135度30分51.2秒 / 北緯34.645750度 東経135.514222度 / 34.645750; 135.514222 (阿部野橋ターミナルビル新館)座標: 北緯34度38分44.7秒 東経135度30分51.2秒 / 北緯34.645750度 東経135.514222度 / 34.645750; 135.514222 (阿部野橋ターミナルビル新館)
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阿部野橋ターミナルビル東館
情報
用途 ホテル
建築主 近畿日本鉄道
事業主体 近畿日本鉄道
管理運営 近畿日本鉄道
構造形式 鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造
階数 地上17階、地下1階
高さ 80m
竣工 1992年7月31日
所在地 543-0001
大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目1番43号
座標 北緯34度38分44.5秒 東経135度30分56.9秒 / 北緯34.645694度 東経135.515806度 / 34.645694; 135.515806 (阿部野橋ターミナルビル東館)
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概要 編集

大阪阿部野橋駅の駅舎や近鉄百貨店阿倍野店(阿倍野本店)などが入居する本館(1937年竣工)と新館(1988年)、天王寺都ホテルが入居する東館(1992年)から構成されていた。

あべのハルカス 編集

『あべのハルカス』は、近畿日本鉄道の前身である大阪鉄道1937年より営業を行ってきた旧本館(百貨店西館)の建替え計画であり、建築規模は高さ300m、延床面積21万2000平方メートル、地上60階・地下5階(SRCS造)である[1]2014年3月7日に竣工し、全館が開業した[2][3]。工事中の2012年8月時点で高さ300mに到達し横浜ランドマークタワー(高さ296m)の高さを抜き、「日本一高いビル」の称号が大阪に移った。

2006年の秋頃から旧本館の建替えについて具体的な検討作業が始まり、計画当初は高さ制限が295メートルの制限区域に入っていたため270メートル前後の高さだったが[4]航空法の改正(2007年春)により制限がなくなった事を受け、日本一の高さとなるビルを建設する計画へ変更し[1]、同年8月8日に総事業費約1,300億円をかけ高さ300mの超高層ビルに建て替える計画を発表した[5]

歴史 編集

 
解体前の旧本館(現在は「あべのハルカス(タワー館)」に改築)
 
写真右半分の西側(旧本館)部分は既に解体され、「あべのハルカス(タワー館)」に改築。写真左半分の東側(新館)部分は、「あべのハルカス・ウイング館」としてリニューアルされた。
  • 1934年(昭和9年)7月 - 大阪鉄道が店舗用地を現物出資して、大鉄百貨店を設立。
  • 1935年(昭和10年)10月 - 大鉄百貨店本館(旧本館北側)着工。
  • 1937年(昭和12年)
    • 7月 - 地上1、2階の一部と地下2階1,200m2余りを開業。
    • 11月 - 大鉄百貨店本館(旧本館北側)竣工。地上7階、営業面積約10,000m2余りの第1期全館を開店。久野節設計、大林組施工[6]
  • 1938年(昭和13年)10月 - 第2期の東館(旧本館北側)が完成。営業面積は約16,000m2余りとなった。
  • 1943年(昭和18年)2月 - 関西急行鉄道との合併により、関急百貨店阿倍野店として再発足。
  • 1944年(昭和19年)6月 - 関西急行鉄道が南海鉄道と合併したことにより、日本鉄道阿倍野百貨店として再発足。
  • 1945年(昭和20年)
  • 1948年(昭和23年)4月 - 全館復旧。
  • 1950年(昭和25年)7月 - 1階に日本初のドラッグストアを開設。
  • 1954年(昭和29年)11月 - 「近映大劇場」「近畿劇場」「近畿地下劇場」の3館からなる「近映会館」が開館。
  • 1956年(昭和31年)2月 - 近鉄百貨店阿倍野店新館(旧本館南側)着工。
  • 1957年(昭和32年)
    • 4月2日 - 近鉄百貨店阿倍野店新館(旧本館南側)開業。村野藤吾設計。
    • 12月 - 本館(旧本館北側)の外装および内部の全面改装完成。地上7階、地下2階、営業面積約28,000m2
  • 1965年(昭和40年)
    • 4月 - 本館(旧本館北側)東側に地上7階、地下2階、8,000m2の第2次増築竣工。営業面積約35,000m2
    • 9月17日 - 阿部野橋ターミナルビルと天王寺ステーションビルを結ぶ歩道橋が完成。
  • 1972年9月22日 - マクドナルドの大阪1号店であるアベノ近鉄店が1階北西角に路面店としてオープン[1]マクド前と呼ばれ親しまれた。
  • 1974年(昭和49年)3月17日 - 近鉄百貨店阿倍野店爆破事件発生、けが人なし。
  • 1983年(昭和58年)10月 - 阿部野橋ターミナルビル新館着工。
  • 1987年(昭和62年)9月 - 地下東改札口新設。
  • 1988年(昭和63年)11月11日 - 阿部野橋ターミナルビル新館竣工。地上10階、塔屋3階、地下3階。旧本館を含めた村野藤吾による外観リニューアルも行われた。
  • 1992年(平成4年)7月31日 - 阿部野橋ターミナルビル東館竣工。天王寺都ホテル新館としてオープン。
  • 2007年(平成19年)8月8日 - 総事業費約1,300億円をかけ、旧本館を高さ300mの超高層ビルに建て替える阿部野橋ターミナルビル整備計画が発表[5]
  • 2009年(平成21年)3月19日 - 旧本館閉館。翌20日より代わって改装を進めていた、百貨店新館(東側部分、現:「ウイング館」)部分のみでの営業を開始[7][8]
  • 2010年(平成22年)1月9日 - 阿部野橋ターミナルビルタワー館(仮称)着工。
  • 2011年(平成23年)
  • 2012年(平成24年)
  • 2013年(平成25年)
    • 6月13日 - あべのハルカスの低層階部分(「タワー館」地上14階~地下2階(「ウイング館」の一部(9階催会場など)を含む))に、近鉄百貨店が先行開業。あわせて同日より、百貨店の名称を「あべのハルカス近鉄本店」に改称。
    • 9月17日 - あべのハルカス展望台のキャラクター「あべのべあ」発表。
    • 10月10日 - 「あべのハルカス 近鉄本店」の第2期分(「ウイング館」の地上4階の一部~地上8階部分)が開業。
  • 2014年(平成26年)
    • 2月22日 - 「あべのハルカス 近鉄本店」が全面開業(「ウイング館」の地下2階~地上4階の残り部分が開業)。売場面積を100,000m2に拡大。
    • 3月7日 - あべのハルカスが竣工し、全館グランドオープン(オフィスフロア・大阪マリオット都ホテル・あべのハルカス美術館ハルカス300(展望台)など)。

脚注 編集

  1. ^ a b 阿部野橋ターミナルビル タワー館 超高層日本一の高さ300mに挑戦 日刊建設工業新聞 2010年11月8日
  2. ^ あべのハルカス近鉄本店が全館開業-日本最大の百貨店にあべの経済新聞 2014年02月22日
  3. ^ ハルカス、長さ3000メートルのテープカットYOMIURI ONLINE 2014年2月22日
  4. ^ 梅田にない「のっぽビル」――伊丹の航路で高さ制限 日経ネット関西版 2010年1月6日閲覧 (cache)[リンク切れ]
  5. ^ a b 阿部野橋ターミナルビル整備計画について 近畿日本鉄道 2007年8月8日閲覧
  6. ^ 実績の紹介 大林組
  7. ^ 大阪阿部野橋駅改良工事の着手について 近畿日本鉄道 2008年1月22日閲覧
  8. ^ 阿倍野本店東館(新館)グランドオープンについてのお知らせ 近畿日本鉄道 2009年1月19日閲覧
  9. ^ 「阿部野橋ターミナルビルタワー館(仮称)」ホテル計画において マリオット・インターナショナルとの提携を決定 ~平成26年春、関西初のマリオットブランド「大阪マリオット都ホテル」が誕生~ 近畿日本鉄道株式会社・株式会社近鉄ホテルシステムズ 2011年7月6日
  10. ^ 2011年8月26日「名称決定(*゚▽゚)/゚・:*」 近鉄スタッフブログ「日本一に届くまで」 2011年8月26日
  11. ^ a b 計画の経緯 あべのハルカス
  12. ^ 阿部野橋ターミナルビル 名称を「あべのハルカス」に決定 (PDF) (2011年8月25日付近畿日本鉄道ニュースリリース)
  13. ^ 高さ日本一のビル「あべのハルカス」上棟式 日本経済新聞 2012年10月23日

関連項目 編集

外部リンク 編集

近鉄グループからの公式ニュースリリース
その他