除斥期間

除斥期間(じょせききかん)とは、法律関係を速やかに確定させるため、一定期間の経過によって権利を消滅させる制度。

概説

条文上一定の期間が定められているものの中には、消滅時効ではなく除斥期間の規定であると解されるものがある。除斥期間は、民法はもとより、その他の法律にも明文規定の存在しない制度であり、あくまで解釈上認められている概念である。

消滅時効と類似する制度であるが、下記にあるような差異が認められている。もっとも、除斥期間という概念自体が解釈上認められるものであるため、除斥期間を消滅時効と同等に扱うか否かでは、各裁判所によって判断が分かれているのが現状である(裁判所の職権及び解釈によって権利の有無が判断されるため)。

また、除斥期間を明文化して民法に盛り込み、除斥期間の正当性を求める声もあるが、この場合、時効との兼ね合いが発生し二重基準になるため、時効の正当性が失われる、という問題点も存在している[要出典]

除斥期間の例

除斥期間と考えられるもの

判決例が認めた除斥期間の例

消滅時効との差異

消滅時効と効果が似ているが、法律関係を速やかに確定させるという制度趣旨から下記の差異があるとされている。

ただし、次のような判例が存在し、これらの性質から生じる不都合性を回避する解釈が示されている。

除斥期間の進行の停止を認めた判例

不法行為の被害者が不法行為の時から20年を経過する前6箇月内において右不法行為を原因として心神喪失の常況にあるのに法定代理人を有しなかった場合において、その後当該被害者が禁治産宣告(現在の成年後見開始決定)を受け、(成年)後見人に就職した者がその時から6箇月内に右不法行為による損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは、158条の法意に照らし、724条後段の効果は生じない。
26年前に失踪した女性が、加害者の自首により26年後に遺体が発見され殺害が判明した事案で、死亡の事実を知りえない状況を殊更に加害者に作出され、相続人がそのような事実を知ることが出来ず、相続人が確定できないまま20年が経過した場合に、その後相続人が確定した時から6ヶ月以内に、損害賠償請求をしたときは、160条の法意に従い、特段の事情があり、除斥期間の効果は生じず、相続人が確定した時から6月経過するまで時効は完成しないとした。

除斥期間の起算点をずらした判例

民法724条後段所定の除斥期間は,不法行為により発生する損害の性質上,加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には,当該損害の全部又は一部が発生した時から進行する。
水俣病による健康被害につき,患者が水俣湾周辺地域から転居した時点が加害行為の終了時であること,水俣病患者の中には潜伏期間のあるいわゆる遅発性水俣病が存在すること,遅発性水俣病の患者においては水俣病の原因となる魚介類の摂取を中止してから4年以内にその症状が客観的に現れることなど判示の事情の下では,上記転居から4年を経過した時が724条後段所定の除斥期間の起算点
 乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しB型肝炎を発症したことによる損害につき、B型肝炎を発症した時が724条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例

関連項目