青年の肖像 (ボッティチェッリ、ロンドン)

青年の肖像』(せいねんのしょうぞう、伊: Ritratto virile)は、イタリアルネサンス期の芸術家サンドロ・ボッティチェッリが1483年に制作した板上のテンペラ画である。ロンドンナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

『青年の肖像』
イタリア語: Ritratto di virile
作者サンドロ・ボッティチェッリ
製作年1483年ごろ
寸法37.5 cm × 28.3 cm (14.8 in × 11.1 in)
所蔵ナショナル・ギャラリー (ロンドン)

この作品は小品だが、重要である。本作以前、イタリアの肖像画のモデルは座っている人物の横顔の肖像(顔の半分だけが表されている)か、顔の4分の3を正面に向けた状態で座っている人物を描いていた。本作では、少年が正面向きに座っているので、顔全体を描くことが可能となり、当時としては革命的な作品となっている[1]

本作は、さまざまな時期にジョルジョーネフィリッピーノ・リッピに帰属され、マサッチオの自画像であるとさえ信じられたことがあった[1]。現在、ボッティチェッリの作品として広く受け入れられており、画家の唯一の正面向きの顔の肖像画として知られている。モデルの人物はフィレンツェ出身の若い都市居住者であり[2] 、その身元は不明である。

以下も参照のこと 編集

参考文献 編集

  1. ^ The Guardian Culture