頸環(くびわ、英語:Horse collar)とは、馬車農耕具を曳くときに首にかける馬具首環[1]わらび形[2]などとも呼ばれる。中国では、牲口套などと呼ばれる。

二つの頸環
馬の首に装着された頸環
もっとも初期の頸環の例。約5世紀の中国の壁画

概略 編集

頸環ができる前は、胸や首にかけるハーネスを使用していたが問題があった。胸懸ハーネスは胸の筋肉の血管を圧迫してしまい力が発揮できず、首にかけるハーネスでは首が締まり窒息してしまい、重いものを牽引するのに向いていなかった。そのため、多くの文化圏では、重いものを運ぶときはくびき(首木)が使えるを用いていた。

しかし、肩甲骨に当てて引くことができる頸環が導入されると、牛より速度が出せて、持続的に働ける馬を利用するようになった[3]。この頸環は、馬以外にもラクダラバなどにも用いられる。

歴史 編集

中国の敦煌市にある5世紀の絵に見ることができる[4]。ヨーロッパに導入されたのは12世紀ごろである[5]

脚注 編集

  1. ^ 首環コトバンク
  2. ^ 開拓史人畜力時代の農具と馬具の使用例 標津町役場
  3. ^ Needham 1986, Volume 4, Part 2, p. 312
  4. ^ Needham, Volume 4, Part 2, 28.
  5. ^ Needham, Volume 4, Part 2, 317.

参考文献 編集

  • Needham, Joseph, Science and Civilisation in China: Volume 4, Physics and Physical Technology, Part 2, Mechanical Engineering. Taipei: Caves Books Ltd., 1986. ISBN 0-521-07060-0

関連項目 編集