顕光寺 (掛川市)

掛川市にある寺院

顕光寺(けんこうじ)は、静岡県掛川市居尻、大尾山山頂下にある真言宗醍醐派寺院山号大尾山(おびさん)。本尊は千手観音。開基(創立者)は807年大同2年)、智顕上人と伝えられている。

顕光寺
所在地 静岡県掛川市居尻482
位置 北緯34度53分28.2秒 東経138度0分45.9秒 / 北緯34.891167度 東経138.012750度 / 34.891167; 138.012750座標: 北緯34度53分28.2秒 東経138度0分45.9秒 / 北緯34.891167度 東経138.012750度 / 34.891167; 138.012750
山号 大尾山
宗派 真言宗醍醐派
本尊 千手観音
創建年 807年大同2年)
開基 智顕上人
別称 王子坊
札所等 遠江三十三観音霊場
文化財 大尾山鰐口(県指定文化財)
鳥居スギ(県指定文化財)
カイドウ(市指定保存樹木)
法人番号 2080405004479 ウィキデータを編集
顕光寺 (掛川市)の位置(静岡県内)
顕光寺 (掛川市)
テンプレートを表示

遠江三十三観音霊場巡り13番札所。

歴史 編集

安里山長福寺(掛川市本郷)第二代智顕上人が、「ひょんの木(イスノキ)の茂る山頂、此処に我を祀り広く功徳を施せ」との霊夢を見たとして、807年(大同2年)2月17日、大尾山に観音堂を建てて千手観世音菩薩を祀ったのが始まりと伝えられている。古くは山伏修験道場として遠州八坊のひとつに数えられ、大尾山王子坊とも言われた。江戸時代には掛川藩の御祈祷所であったことを示す古文書が残る。ご詠歌に「はるばると登りて見れば大尾てらの雪も氷も解けてながるる」と詠われている。

文化財 編集

大尾山鰐口
室町時代の特色をよく表す鰐口1407年応永14年)9月9日、飯円荘戸和田郷(現: 静岡県周智郡森町)の檀那藤原通国が賀茂宮に奉納し、1565年永禄8年)9月3日に東山四郎左近が顕光寺に再寄進したことを示す銘が刻まれている。1957年(昭和32年)12月25日、県指定文化財工芸。一般非公開[1][2][3]
鳥居スギ
樹高30m、目通り7m、枝張り10mのスギの巨木。落雷とその後の腐食のため空洞になったとみられ、幹部分からは新たな根が育っている。1958年(昭和33年)4月15日、県指定文化財の天然記念物[4]
カイドウ
境内には市指定保存樹木であるハナカイドウの古木があり、4月下旬頃には紅紫色の花を咲かせる[5][6]
社寺林
アカガシアブラチャンなど伐採で一部植物相の多様性が失われつつあるが、古くからの自然林の状況を知ることのできる指標として掛川市は重要性を指摘。保全が望まれている[6]

アクセス 編集

出典 編集

  1. ^ 県工芸・考古資料・史跡”. 掛川市教育委員会. 2011年2月5日閲覧。
  2. ^ 図説森町史「森町関係略年表(~安土桃山時代)」”. 森町教育委員会. 2011年2月5日閲覧。
  3. ^ 図説森町史「14 蓮華寺と一宮の鋳物師」”. 森町教育委員会. 2011年2月5日閲覧。
  4. ^ 県天然記念物”. 掛川市教育委員会. 2011年2月5日閲覧。
  5. ^ 大尾山”. 掛川観光協会. 2011年2月5日閲覧。
  6. ^ a b II 平成12年度 自然環境調査 3 貴重種・注目種調査” (PDF). 平成17年度 掛川市の環境 第2章 自然環境. 掛川市環境政策課. pp. p. 33. 2011年2月5日閲覧。