馬橋駅

千葉県松戸市にある東日本旅客鉄道・日本貨物鉄道・流鉄の駅

馬橋駅(まばしえき)は、千葉県松戸市馬橋にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・流鉄である。

馬橋駅
西口駅前広場と馬橋ステーションモール
(2012年2月)
まばし
Mabashi
地図
所在地 千葉県松戸市馬橋
所属事業者
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概要 編集

 
JR馬橋駅(右)と流鉄馬橋駅(左)
 
万満寺(山号は法王山)

当駅は東日本旅客鉄道(JR東日本)の常磐線を走行する常磐緩行線武蔵野線(馬橋支線)、流鉄流鉄流山線の2社3路線が乗り入れ、接続駅となっている。ただし武蔵野線(馬橋支線)にはホームが無いため、旅客の乗降は不可能である。

駅開業時の地平駅舎は東側にあり、現在の東口側は駅開業以来の古い商店街が存在する。間宿があった旧水戸街道にもほど近い市街地である。対照的に駅西側は西口出口開設後の住宅街である。

西口側は、新坂川を渡る歩道橋にのみつながっていて、川向こうに西口広場や駅前駐輪場がある。東口および西口の徒歩10分以内は概ね住宅地であり、商店スーパーマーケットなどが点在する。また1990年代より中層のマンションが目立つようになった。

駅北東には臨済宗大徳寺派寺院万満寺」があり、鎌倉時代作の金剛力士像は旧国宝・現重要文化財に登録され「仁王さまの股くぐり」で知られる。駅南西には、北松戸工業団地の北端部がある。

2011年5月6日、西口に建設された駅ビル「馬橋ステーションモール」が開業した[1]

乗り入れ路線 編集

  • 東日本旅客鉄道
    • 常磐線(  常磐緩行線) 快速・特別快速・特急等は通過
  • 日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者)
    • 武蔵野線(馬橋支線)
  • 流鉄
    •   流山線

歴史 編集

 
地名の由来である「馬橋」

駅構造 編集

JR駅舎の真下にある出口は東口である。橋上駅舎と跨線橋により改札外でつながる東西の出口にはJR東日本のロゴしかないものの、どちらの会社線に乗降する際も使え、流山線階段上に「流山線」と表記された案内標識がある[注 1]。一方、出改札口は両社別でJRは橋上駅舎、流鉄はホーム上に存在する。両社間に連絡改札口は存在しないため、乗り換えの際は一度改札外に出る必要がある。流山線階段上に設置されているスピーカーは、その場所にもかかわらずJR線の遅延案内放送に使われる。

JR東日本 編集

JR 馬橋駅
 
西口(2016年6月)
まばし
Mabashi
所在地 千葉県松戸市馬橋121
北緯35度48分41.8秒 東経139度55分2.3秒 / 北緯35.811611度 東経139.917306度 / 35.811611; 139.917306 (JR 馬橋駅)座標: 北緯35度48分41.8秒 東経139度55分2.3秒 / 北緯35.811611度 東経139.917306度 / 35.811611; 139.917306 (JR 馬橋駅)
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
電報略号 マハ
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 1面2線[9]
乗車人員
-統計年度-
22,116人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日 1898年明治31年)8月6日
乗入路線 2 路線
所属路線 常磐線(各駅停車)
(線路名称上は常磐線
駅番号 JL24
キロ程 19.1 km(日暮里起点)
綾瀬から11.4 km
JL 23 北松戸 (1.3 km)
(1.6 km) 新松戸 JL 25
所属路線 武蔵野線(貨物支線・馬橋支線)
キロ程 3.7[* 1] km(JR貨物・南流山起点)
南流山 (3.7 km)
備考
  1. ^ 貨物支線はJR東日本が第1種鉄道事業者であるが、同社では営業キロを設定していない。第2種鉄道事業者である日本貨物鉄道(JR貨物)のみ営業キロを設定している。
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松戸営業統括センター(松戸駅)が管理し、JR東日本ステーションサービスが受託する業務委託駅である。お客さまサポートコールシステムが導入されており、早朝はインターホンによる案内となる[10]。緩行線のみに島式ホーム1面2線を持つ[9]地上駅橋上駅舎を有する。2021年令和3年)7月4日に、常磐線では初めて可動式ホーム柵が導入された。自動券売機、多機能券売機[10]指定席券売機[10]自動改札機乗車駅証明書発行機が設置されている。このほか、駅舎内にトイレエスカレーターエレベーター・待合室がある。

JR橋上駅舎と流鉄ホーム階段、西口歩道橋を結ぶ跨線橋は、1971年5月まで現在の流鉄線ホームも使用していた関係で設けられていた改札内跨線橋を転用したものである。共同使用解消後に改札外通路となり(改札分離)、西口歩道橋と接続するようになった。この関係で構造上流鉄連絡改札口設置が困難となっている。

のりば 編集

番線 路線 方向 行先
1   常磐線(各駅停車) 上り 松戸北千住代々木上原方面
2 下り 新松戸我孫子方面

(出典:JR東日本:駅構内図

  • 1971年5月の共同使用解消まで下り線(後の快速線下り線)は現在の流鉄1番線を使用していた。

流鉄 編集

流鉄 馬橋駅
 
流山線 駅ホーム(2016年6月)
まばし
Mabashi
(1.7 km) 幸谷 RN2
所在地 千葉県松戸市馬橋181
駅番号 RN1
所属事業者 流鉄
所属路線 流山線
キロ程 0.0 km(馬橋起点)
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
乗車人員
-統計年度-
1,500人/日(降車客含まず)
-2019年-
開業年月日 1916年大正5年)3月14日[3]
備考 駅員配置駅
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島式ホーム1面2線を持つ地上駅(2番線は錆取り目的や、新車搬入等で1番線が使えない時に使う臨時ホーム)。ホーム上に自動券売機・改札口・駅事務室(券売・出札窓口)・待合室(改札内)があり、流山方のホーム先にトイレがある。なお、流山線ではどの駅でも改札が省略される。東京駅から最も近いICカード非対応駅である。また、階段を使わないとホームにいけないため、本駅からは車椅子や、足の不自由な人は利用できない(流鉄の駅では、小金城趾駅も階段のみでしか入れない)。

発車ベルは東京近郊の鉄道としては数少ない「ジリジリ」と鳴る電磁タイプを使用している。装置は流山線入口付近にある。音量が大きい。

待合室内には、かつて総武流山電鉄→流鉄時代に活躍していた車両の写真が飾られている[3]。また、幸谷寄りには流山市の観光案内図が設置されている。

のりば 編集

番線 路線 行先 備考
1   流山線 流山方面 通常時は1番線のみ使用
2 1番線が使用不可の時などに使用
  • かつては共同使用ホームであり、現在の1番線はかつて国鉄(現JR)常磐線の下り線(水戸方面)であった。

駅舎内の施設(駅ナカ・駅ビル) 編集

駅ナカ商業施設として駅ビル「馬橋ステーションモール」がある。地上1階から5階の複合施設である。

当駅改札と同フロアが地上3階であり、医療機関(歯科医院、整形外科)、コンビニエンスストア薬局居酒屋などの専門店を有する。

2階部分は月極めの公営駐輪場(収容台数315台)、5階部分には松戸市役所馬橋支所がある。

饋電線の接続 編集

流鉄はかつて日本国有鉄道(国鉄)及びJR東日本から買電していた経緯から、JRの架線き電接続されており、現在でも流鉄の変電所が機能しなくなった時の非常用として使われている。

貨物取扱 編集

臨時車扱貨物を取り扱っており、流鉄の新車を搬入するために使われる。このため、日暮里方で流鉄線とJR常磐線快速下り線の線路が接続されている。次の順番に繰り返し転線、方向転換する形で入換を行う。

  • JR武蔵野線馬橋支線 - JR常磐快速線下り線 - 流山線引上線 - 流山線1番線

現在のJR常磐線の複々線化までは、貨物の取り扱いが行われていた。

利用状況 編集

  • JR東日本 - 2022年度の1日平均乗車人員22,116人である。
    近年は減少傾向にあり、現在は松戸市内の常磐線の駅の中では松戸駅新松戸駅に次いで3番目である。単独駅の北小金駅とは年によっては抜かれる場合もある。
  • 流鉄 - 2019年度の1日平均乗車人員は1,500人である。
    流鉄6駅の中では幸谷駅に次いで2番目に利用者が多い駅である。

JR東日本および千葉県統計年鑑によると、近年の1日の平均乗車人員の推移は以下の通りである。

年度別1日平均乗車人員[統計 1]
年度 JR東日本 総武流山電鉄
/ 流鉄
出典
1990年(平成02年) 28,363 3,882 [* 1]
1991年(平成03年) 28,656 3,877 [* 2]
1992年(平成04年) 29,193 3,879 [* 3]
1993年(平成05年) 29,364 3,942 [* 4]
1994年(平成06年) 28,892 3,773 [* 5]
1995年(平成07年) 28,723 3,601 [* 6]
1996年(平成08年) 28,546 3,530 [* 7]
1997年(平成09年) 28,182 3,468 [* 8]
1998年(平成10年) 27,730 3,411 [* 9]
1999年(平成11年) 27,434 3,277 [* 10]
2000年(平成12年) [JR 1]27,363 3,146 [* 11]
2001年(平成13年) [JR 2]27,310 3,141 [* 12]
2002年(平成14年) [JR 3]27,004 3,059 [* 13]
2003年(平成15年) [JR 4]26,907 3,018 [* 14]
2004年(平成16年) [JR 5]26,692 2,892 [* 15]
2005年(平成17年) [JR 6]25,946 2,274 [* 16]
2006年(平成18年) [JR 7]25,078 1,781 [* 17]
2007年(平成19年) [JR 8]24,934 1,669 [* 18]
2008年(平成20年) [JR 9]24,929 1,626 [* 19]
2009年(平成21年) [JR 10]24,533 1,553 [* 20]
2010年(平成22年) [JR 11]24,387 1,492 [* 21]
2011年(平成23年) [JR 12]24,325 1,448 [* 22]
2012年(平成24年) [JR 13]24,256 1,456 [* 23]
2013年(平成25年) [JR 14]24,604 1,467 [* 24]
2014年(平成26年) [JR 15]24,350 1,407 [* 25]
2015年(平成27年) [JR 16]24,981 1,451 [* 26]
2016年(平成28年) [JR 17]25,246 1,449 [* 27]
2017年(平成29年) [JR 18]25,603 1,490 [* 28]
2018年(平成30年) [JR 19]25,780 1,525 [* 29]
2019年(令和元年) [JR 20]25,675 1,500 [* 30]
2020年(令和02年) [JR 21]20,210
2021年(令和03年) [JR 22]20,900
2022年(令和04年) [JR 23]22,116

駅周辺 編集

東口 編集

 
東武ストア馬橋店(2012年2月)

西口 編集

バス路線 編集

駅東口側は駅出口から少し離れている場所にバス乗り場がある。バス路線は南北方向の鉄道線に対して東西方向に伸びており、松戸市八ヶ崎・西馬橋・旭町・栄町西などからの連絡を担う。

東口(馬橋駅入口停留所) 編集

松戸新京成バスと松戸市ゆめいろバスの路線バスが発着する。駅東口構内(駅前広場)には乗り入れず、萬満寺の門前町にルーツを持つ馬橋市街地の一角にある転向場内に停留所がある。駅出口から370m(徒歩5分)も離れているが、トイレやベンチ、雨除け、テレビ付きの乗務員休憩室などを揃えており、かつての萬満寺脇の道路上に存在した頃に比べバス待ちの快適性を向上させ、経路短縮も図っている[11]。ただし、松戸市ゆめいろバスは駅に近い「馬橋東口商店街」停留所にも停車する。

松戸新京成バス
松戸市ゆめいろバス(中和倉コース)[12]

西口(馬橋駅西口停留所) 編集

京成バス・松戸新京成バスの路線バスが発着する。西口とつながる歩道橋の出入口前にある広場内に乗り場がある。改札口から徒歩1分程度。

京成バス
松戸新京成バス

廃止された系統 編集

新京成バスが4方面乗り入れていたが、1970年代以降、交通事情や周辺環境の変化により廃止されたり他路線への振替がなされている。

  • 松戸新京成バス・新京成電鉄
    • 小金原線馬橋系統 貝の花方面行
    • 幸谷線 北小金駅
    • 六和支線
  • 京成電鉄
  • 東武鉄道
    • 松戸線

並行区間など 編集

当駅から新松戸駅(幸谷駅)までJR常磐線と流山線はほぼ並行する。同駅までの運賃は1997年3月31日までは普通旅客運賃が両者同額であった。その後3度の消費税率引き上げにより、JR線は引き上げ分とバリアフリー代の分が転嫁されて現在は「150円(ICカードは146円)」になる。また流山線については2019年10月1日に「120円から130円」に値上げ、その後2024年4月1日に再度値上げを実施し、現在の初乗りは「130円から140円」へ変更となる。[注 2]

ただし、流山線は定期券ではJRより高くなる上、列車本数も日中毎時3本(20分間隔)に対し、JRは6本(10分間隔)と2倍の差をつけられており、この影響からかこの区間相互間の流山線利用は極めて少ない。

当駅から南流山駅へ向かうJR馬橋支線は全線「複線」扱いである。一部、単線のように見える部分があるが、その部分は当駅構内として扱われる。

隣の駅 編集

東日本旅客鉄道(JR東日本)
  常磐線(各駅停車)
北松戸駅 (JL 23) - 馬橋駅 (JL 24) - 新松戸駅 (JL 25)
武蔵野線貨物支線(馬橋支線)
南流山駅 - 馬橋駅
流鉄
  流山線
馬橋駅(RN1) - 幸谷駅(RN2)

脚注 編集

記事本文 編集

注釈 編集

  1. ^ どちらの出口もJR管理区域にあるためと思われる。
  2. ^ 2019年10月1日の消費税率引き上げの際に、流山線も引き上げ分が転嫁されて130円となっている。

出典 編集

  1. ^ 馬橋駅西口公社所有地有効活用事業:土地の売却, 財団法人松戸市都市整備公社
  2. ^ a b c d e 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、426頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ a b c 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』 21号 関東鉄道・真岡鐵道・首都圏新都市鉄道・流鉄、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2011年8月7日、24,26頁。 
  4. ^ “スマートな橋上駅舎が誕生”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1970年8月28日) 
  5. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '93年版』ジェー・アール・アール、1993年7月1日、182頁。ISBN 4-88283-114-7 
  6. ^ “みどりの窓口リストラ” 朝日新聞 (朝日新聞社): p23. (2006年7月11日 夕刊)
  7. ^ JR馬橋駅ホームドアの使用開始予定日について』(PDF)(プレスリリース)松戸市、2021年6月2日。 オリジナルの2021年6月3日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210603091320/https://www.city.matsudo.chiba.jp/shisei/matsudo_kouhou/pressrelease/R3-press-release.files/20210602_JR-mabashi-sta.platform-door.pdf2021年6月3日閲覧 
  8. ^ 常磐(各駅停車)線に初めてホームドアを導入します 〜2021年度にホームドアを使用開始する常磐(各駅停車)線の駅について〜』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道東京支社、2020年11月17日。 オリジナルの2020年11月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201117063610/https://www.jreast.co.jp/press/2020/tokyo/20201117_to03.pdf2020年11月17日閲覧 
  9. ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 05号 上野駅・日光駅・下館駅ほか92駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年9月9日、26頁。 
  10. ^ a b c d 駅の情報(馬橋駅):JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2023年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月15日閲覧。
  11. ^ 馬橋線改正のお知らせ
  12. ^ 路線図・時刻表・運賃(PDF:1,877KB)” (PDF). 松戸市ゆめいろバス ご利用案内. 松戸市 (2021年3月17日). 2021年8月22日閲覧。
広報資料・プレスリリースなど一次資料 編集
  1. ^ Suicaご利用可能エリアマップ(2001年11月18日当初)” (PDF). 東日本旅客鉄道. 2019年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月24日閲覧。

利用状況 編集

JR東日本の2000年度以降の乗車人員
千葉県統計年鑑

関連項目 編集

外部リンク 編集