高 智晟(こう ちせい、1966年 - )は中華人民共和国弁護士。現在中国の秘密警察により拘束、虐待されている[要出典]。中国の法輪功学習者や中国家庭教会に対する人権侵害のケースに言及している。2006年に、彼の人生と仕事に関する本を出版し、2007年には英語にも翻訳されている。2008年ノーベル平和賞の受賞候補者だった。2010年から行方不明になっていたが、2012年1月新疆ウイグル自治区沙雅県に収監されていると報道された。

高 智晟
プロフィール
出生: 1966年
出身地: 中華人民共和国の旗 中国陝西省佳県
職業: 弁護士
各種表記
繁体字 高智晟
簡体字 高智晟
拼音 Gāo Zhìshèng
和名表記: こう ちせい
発音転記: ガオ ヂーシェン
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人物 編集

陝西省出身。貧しい環境の中で育ち、人民解放軍での軍役を経て独学で法律を学んだ。2000年北京に智晟法律事務所を設けると、汚職役人の告発・人権問題・法輪功など、多くの弁護士が尻込みする案件について弁護を請け負った。

2005年末より、政府による圧力が強化された。胡錦濤国家主席に「法治の徹底」を求める公開書簡を送付。2006年「国家政権転覆扇動罪」で懲役3年、執行猶予5年を言い渡された[1]。高は非合法な拘束・連行や家族への脅迫などを受けるようになる。2007年、中国共産党第十七次全国代表大会を目前にして言論統制が一層強化される中で、9月末に政府によって監禁され、外国メディアとの接触を断つように強い圧力をかけられた疑いがある。2009年には、迫害から逃れるため、の耿和はアメリカ合衆国亡命した[2]

2010年4月、AP通信の取材を受けたあと行方不明となった[3]2011年12月16日に中共メディアの報道で、高が監獄に収監されたという情報が流れた。このことで20カ月にわたる失踪が中共当局の拉致であったことが確認された[4]2012年1月1日中国当局が高の兄に対して、高が新疆ウイグル自治区ウルムチ市から南西約500キロメートルにある、沙雅県の刑務所に収監されていることを伝えたと報道された[1]

2014年8月7日、刑期満了のため出所したが、公安による監視は続いているものとみられる[5]。2014年8月15日、アメリカの人権団体フリーダムナウ英語版は、服役中の当局の拷問により、高の精神が完全に破壊され、会話ができない状態だと発表した[6]。高は、服役中は明かりがほとんどない小さな独房に入れられ、会話が許されなかったうえ、1日にパン一切れと一かけらのキャベツしか与えられない日々を送り、体重は20キロ以上減った[7][6]。アメリカ政府は、中国政府当局が高の行動を制限しないよう求めている[8]

脚注 編集

  1. ^ a b 人権派元弁護士、新疆の刑務所に収監 中国当局、家族に通知”. 産経ニュース (2012年1月2日). 2012年1月2日閲覧。
  2. ^ 林望 (2014年8月4日). “中国の人権派弁護士、出所へ 法輪功など支援の高智晟氏”. 朝日新聞. http://www.asahi.com/articles/ASG7W3RBGG7WUHBI003.html 2014年8月15日閲覧。 
  3. ^ 高智晟氏妻 夫の釈放訴える――米中首脳会談を控えて 新唐人 2011年1月19日
  4. ^ [1] 新唐人 2011年12月16日
  5. ^ “著名人権派弁護士が出所=高智晟氏、監視下に-中国新疆”. 時事ドットコム. (2014年8月8日). http://www.jiji.com/jc/zc?k=201408/2014080700787 2014年8月15日閲覧。 
  6. ^ a b “中国で出所の高氏、拷問で「精神破壊」 歯抜け22キロ減、会話不能…妻は米に対中圧力要請”. 産経新聞. (2014年8月15日). https://web.archive.org/web/20140815110715/http://sankei.jp.msn.com/world/news/140815/chn14081516110002-n1.htm 2014年8月15日閲覧。 
  7. ^ “中国弁護士の移動自由 米が保障求める”. NHK. (2014年8月15日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140815/k10013830091000.html 2014年8月15日閲覧。 
  8. ^ “米、中国に移動の自由確保を要求 出所の中国元弁護士に関し”. 産経新聞. (2014年8月15日). https://web.archive.org/web/20140815125912/http://sankei.jp.msn.com/world/news/140815/amr14081512070004-n1.htm 2014年8月15日閲覧。 

関連項目 編集

外部リンク 編集